三寒四温の3月(2010年3月19日)
ユジノサハリンスクは、正に三寒四温の状態で、道路も雪がなくなってきております。最低気温も氷点下5℃程度、最高気温がプラス1℃程度になってきています。
今年は、「サハリン3プロジェクト」で埋蔵量と採算性が確認され採掘が本格的にはじまる観測が伝えられています。また、サハリンから間宮海峡を横断し、ウラジオストクまでガスパイプラインが敷設される工事が始まります。稚内においては、この事業によりフェリー国際航路を含め稚内港や商業の施設も大いに利用されるよう期待されるところです。
「サハリン3プロジェクト」は、サハリン北部、北緯50度55分の東岸の沖合いにある“キリンスコエ”という鉱区から主にガスを掘削するためのプロジェクトです。このガスはロシア大陸の極東にあるウラジオストクへ送られて使われる予定です。
ガス採掘までの手順は、“地震探査”や海上からの音波探知、人工衛星からの海上植生調査などで“背傾構造地形”のうち有望なポイントを決めます。次に試掘(探鉱)を行います。これは以前には海上から掘っていましたが、現在は改良されており、陸上から斜めに海底へ掘り進めているそうです。
原油やガスが噴出した場合、この後が難解なのですが、どの程度の埋蔵量があるかを推定します。推定量がある程度以上であれば、それまでに要した経費、これから実際に採掘し販売、そしてランニングコストまでの予想経費から考えて、現下の国際単価から販売時の採算性を計算します。採算が十分に取れる見込みがあるということになると、採掘計画を立てて、土地利用の許可をとり施設、資材、人員を配置し、掘削開始、運搬、販売ということになります。
稚内港は貿易港としてカナダ、アメリカ、サハリンなどとの船舶の往来を想定し、それに基づいて港の用地を埋め立てによって長期間かけて建設しています。現在は主に海産物等の運搬船がサハリンから稚内港に入港中ですが、こうした船の航海に必要な燃料、生活用水、食糧、生活用品などは稚内で購入されています。さらに乗組員が稚内で飲食し、サハリンへのお土産に大量に品物を購入するなど、稚内の経済循環につながる多くのお金を使い、そのお金が雇用や会社経営に良い効果をもたらします。また、船の修理や改装なども行われています。稚内港湾用地は広大に整備されていますので、「サハリン3プロジェクト」により資材を稚内に保管してピストン輸送したり、東南アジアなどからの作業員を稚内経由でサハリンへ輸送することも可能ですので、この事業に伴う稚内港利用の拡大が大きく期待されます。
日本では、3月は卒業や人事異動の季節ですが、こちらは9月が進級・進学試験や卒業・就職・人事異動のため、今のところ街に大きな変化はありません。
3月8日は国際婦人デーの祝日でした。ロシアの慣わしでは、この日は男性が女性に花などを贈り特別に大切にしなければなりません。このため、花屋さん、ギフト店やレストランは大繁盛でした。また、ユジノサハリンスク市の東にあるガガーリン公園では、祝日の催しがあり、ステージの踊りや歌に参加者も楽しんでいて、「地域の雪祭り」のような雰囲気でした。
6年程前から一般の電話や携帯電話が普及し続けており、これによって電話料金が下がってきています。今後の普及拡大によりさらに下がる予想です。一方「携帯電話のマナー」を守らない人が増えているように見えます。音楽コンサートや会議などのときに呼び出し音を響かせることがよくあります。事務所にも間違い電話が結構かかってきます。更にアパートにも、早朝に幼児からの間違い電話がありました。「きみの電話番号、まちがいですよ!!」とロシア語で告げても話し続けているので閉口しました。
大型ショッピングセンター“シティ・モール”がオープンして半年ほどになります。週末には大勢の人達が来店していて、ショッピングや娯楽を楽しんでおり、とても賑わっています。特にゲームコーナーでは、子ども達が張り付いてしまって離れない様子です。映画館もオープンしましたが、暫く経って上映を中止したままです。
※昨年12月から事務所のブログ「アムールスカヤ通りの窓から」を開設し、サハリンの様々な話題をお届けしています。ほぼ毎日更新しています。是非御覧ください。
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