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「寒い」が挨拶代わりになって来た中で「氷上の闘い」は熱い・・・ (2017.10.20)

10月に入ってしばらく経ち、「寒いですね」が挨拶代わりになりそうな日が増えているように思えます。

「寒くなって行く」という方の季節の移り変わりは、少し速度が速いような気がします。9月の下旬頃、いまだ最高気温は15℃を超えて20℃に近い感じだったのですが、最近は10℃に届かない感じです。最低気温の方は2℃や1℃、日によって「0℃を多少切る」というのも見受けられます。

最近の近所の様子(写真)「一斉に」ということでもないのですが、木々の葉は黄色や赤に変わっていますし、落葉が方々で随分と目立ちます。ナナカマドもユジノサハリンスクでは方々に植えられていて、木の葉が深みを帯びた赤に染まって、鮮明な赤い色の実が随分目立ちます。

ユジノサハリンスクは意外に街路樹が多い感じもするのですが、葉が黄色くなっているような所で、そういう葉の向こうに建物が透けて見えるような感じを見掛けると「時季らしい感じでいいなぁ」と足を止めることがよくありました。極最近は「随分と葉が落ちて、寂しくなっている」と足を止めて木を眺める場合もあるようになって来ました。




そろそろ「ウィンタースポーツ?」という話題も出る感じです。さすがにいまだ雪は積もりませんから、スキー関係はちょっと早い感じです。ユジノサハリンスクには立派なスキー場もありますが、それは少し先です。今の時季でも出来るウィンタースポーツとしては、屋内で行うスケートがあります。

ユジノサハリンスクには屋内型のスケートリンクを備えたアリーナが2つあります。ユジノサハリンスク市で20万人、常時人の出入りがあると考えて差し支えないような周辺地域も含めて30万人前後の人が住んでいる地域で、屋内型スケートリンクが2つというのは少し驚く感じがします。

街の南側に2つの施設はあります。一つは商業施設の<シティーモール>に隣接した<シティーアリーナ>で、もう一つが<クリスタル>と言います。

こうした施設は、本格的な試合や、広い空間を活かしたコンサート等の催しも行われていますが、青少年のスポーツ活動の場にもなっています。道具が入ったバッグとスティックを手に、リンクの辺りのバス停で乗り降りしているアイスホッケー少年を時々見掛けます。そして、女の子がフィギュアスケートをやっているという例もあるようです。

アイスホッケーの試合は、2つの施設で各々催され、子どもから大人までの愛好者の試合も、レベルが高いプロのクラブチームの試合も催されますが、<クリスタル>では『アジアリーグアイスホッケー』の試合が催されています。

この『アジアリーグアイスホッケー』が、少し独特なリーグと言えるかもしれません。『アジアリーグアイスホッケー』は、日本の競技団体と韓国の競技団体が主導して起こしたモノだと聞きますが、日本を含めた近隣の国々のアイスホッケーチームが参加して競うリーグです。

アイスホッケーは、秋に始めて、年末年始を挟んでシーズンを展開しますが、2003-04シーズンにこのリーグが始まり、現在の2017-18シーズンが15シーズン目ということになります。このリーグに参加している日本のチームは、いわゆる「国内のトップリーグ」のチームということになる訳ですが、「トップリーグが常時“国際試合”を含む」というのは、日本ではこの『アジアリーグアイスホッケー』位ではないでしょうか。そういう意味では独特です。アイスホッケーの試合そのものは、国際的なルールで普通に行っています。

『アジアリーグアイスホッケー』参加チームに関しては、ここまでの15シーズンで変遷はあります。現在は日本の4チーム(日光アイスバックス、日本製紙クレインズ、王子イーグルス、東北フリーブレイズ)、韓国の3チーム(アニャンハルラ、デミョンキラーホエールズ、ハイワン)、そしてロシアの1チーム(サハリン)の計8チームが参加しています。

ユジノサハリンスクの<クリスタル>は、『アジアリーグアイスホッケー』にロシアから参加しているチーム<サハリン>の本拠地です。
アイスホッケーの試合が催されるアリーナ「クリスタル」写真アイスホッケーの試合が催されるアリーナ<クリスタル>

今シーズンのリーグ戦ですが、9月から12月の期間でレギュラーシーズンの試合が行われ、3月にはリーグ優勝を決めるプレイオフが催されます。今シーズンに関しては、冬季オリンピックもあるので、レギュラーシーズンを12月までにしているようですが、通常は2月頃まで試合が組まれています。

今シーズンのレギュラーシーズンの試合は「ホーム&アウェー」で各2試合行われます。同じ対戦カードはレギュラーシーズン中に4試合で、「総当たり」ですから各チームは28試合を戦うことになります。

そういうことで、<クリスタル>では14試合の開催という予定です。既にシーズンが始まっていて、<クリスタル>でも熱戦が繰り広げられています。移動の都合や、試合と試合との間に何日か開けるということもあって、<クリスタル>でのレギュラーシーズンの試合は日曜日、月曜日に組まれています。よその会場は、各々の都合等もあって、若干曜日は違うように見えます。ユジノサハリンスクの<クリスタル>には日本や韓国のチームが順次やって来て、<サハリン>との試合を行います。<サハリン>の側では、日本や韓国に出向いて、各々のチームとの試合を行っている訳です。

「チームが国境を越えて移動しながらリーグ戦をやっている」と言うと、ひどく大げさなように聞こえます。当然、国境を越える手続きはあるのでしょうが、移動距離や移動時間ということを考えれば、プロスポーツとしては普通な範囲、あるいは「楽な」範囲かもしれません。

日本国内で栃木県の日光にチームがありますが、彼らが苫小牧や釧路で試合をやる場合に飛行機で飛ぶ時間、ユジノサハリンスクで試合をやる場合に飛行機で飛ぶ時間に大きな差はありません。苫小牧のチームが日光での試合のために飛行機で飛ぶ時間ですが、これはユジノサハリンスクでの試合のために飛行機で飛ぶ時間に比べて、少しだけ長い場合さえあります。新千歳空港・羽田空港は1時間半ですが、新千歳空港・ユジノサハリンスク空港は1時間強です。風等の状況によっては、新千歳空港とユジノサハリンスク空港との間を結ぶ純粋な飛行時間としては55分という場合さえあるのです。

野球やサッカー等のプロチームが、札幌から首都圏や関西や九州へ出向くようなことを思うと、アイスホッケーのチームが北海道内と韓国やサハリンとを往来しているというのは、どうということでもないような感じがします。

これは<サハリン>の側から見ても同じです。<サハリン>がロシア国内等のリーグに参加するとなれば、移動時間は日本や韓国で試合を行う場合よりもはるかに掛かってしまう場合もあります。あるいは「アジアリーグに参加出来るから、サハリンでチームを起こして…」という思いが最初からあったかもしれません。

<サハリン>は2013年にチームが創設され、2014-15シーズンから『アジアリーグアイスホッケー』に参加しています。ここまでの各シーズン、<サハリン>はレギュラーシーズンでは「もう一歩で首位」というような位置で毎シーズン戦い、プレイオフでも「あと一歩で優勝」という活躍を見せた経過もあって、なかなかに善戦しています。そういうことで地元の期待も高いようで、シーズン毎に盛り上がり、人気が高まっているようにも見えます。

<サハリン>の本拠地である<クリスタル>ですが、満員の観客を迎えると1100名収容と聞きます。会場へ何度か足を運んでいます。実は2015年に一度だけ機会を設けることが出来たのでしたが、その頃と比べて、最近は観客の入り具合が少し多くなっていると思います。多少の空席も見えますが、「よく見るとあの辺の一画が空いている」というような範囲の、少しばかりの空席です。

そして場内の演出も華やかさを増していますし、チームのロゴマークが入ったTシャツ、レプリカユニフォーム、キャップというようなグッズの販売も見受けられるようになっています。

アイスホッケーの試合開始前(ロシア国歌演奏の場面)写真アイスホッケーの試合開始前(ロシア国歌演奏の場面)

試合開始前には、恐らくアメリカのプロスポーツに由来するのでしょうが、場内が暗転して、凝った照明が施される華々しい演出があります。屋内スケートリンクの中が、何かSF映画のセットのような雰囲気に様々なスポットライトで照らし出され、<クリスタル>でフィギュアスケートをやっていると見受けられる女の子が国旗を掲げてリンクに登場し、それに先導されるように選手達が入場します。アウェーのチームの先発選手は、やや淡々とロシア語と英語で背番号や名前が紹介されます。そしてホームである<サハリン>の選手は、場内の大きなスクリーンに宣伝用の選手プロフィール写真が大きく映し出された中で、力の籠ったアナウンスで紹介されます。

試合前に国歌の演奏があるのですが、ロシア国歌演奏の場面では、スポットライトを使って、リンクの真中辺りがロシア国旗の白、青、赤の三色の光で照らしだされるという具合です。こういう様子を見るだけでも、なかなかに新鮮です。

そして<サハリン>にはチアリーダーも居ますし、着ぐるみで、チームのユニフォームを着たマスコットのクマも居ます。マスコットは、ロシア国内でのサハリン州のエリアコードにちなんで、65番の背番号が入っています。

場内を盛り上げるチアリーダー写真場内を盛り上げるチアリーダー

そういう中で試合が始まれば、好プレーには拍手喝采で、何やら変な状況にはブーイングという熱い感じで、プレーの合間には音楽も鳴って、なかなかにたのしいものです。

開幕の9月には2つの対戦カード、10月には3つの対戦カードがユジノサハリンスクの<クリスタル>で開催でした。最初は韓国の3チームが順次登場したのですが、10月の2つ目、3つ目の対戦カードでは日本のチームが相次いで登場しました。釧路の<日本製紙クレインズ>と、苫小牧の<王子イーグルス>が相次いでサハリンにやって来ました。

試合の様子試合の様子。白が苫小牧のイーグルス、青がサハリン

『アジアリーグアイスホッケー』が始まってしばらくは、日本のチームが優勝することが多かったようですが、近年は韓国のチームが優勝する展開が続いています。そういう中、今シーズンの最初の方では<日本製紙クレインズ>が、<サハリン>や韓国の<アニャンハルラ>と「3強」という感じでレギュラーシーズンの首位を争っていました。が、10月の各試合の結果で、何やら混戦模様になっています。

釧路のチームである<日本製紙クレインズ>は、釧路湿原のタンチョウヅルをイメージしたマスコットが入ったロゴマークを使っています。選手達のユニフォームにもこのマークが入っています。<日本製紙クレインズ>は、サハリンではロシア語で「ニッポン ペイペル クレインズ」と呼ばれています。場内アナウンスの独特な調子
でチーム名が発音されるのを聞くと、少し不思議な感じがします。

クレインズの選手(ゴールキーパー)釧路からやってきたクレインズの選手(ゴールキーパー)

10月の日本のチームが来る試合は一部観戦出来ました。

<サハリン>と<日本製紙クレインズ>の対戦では<サハリン>が2勝で、混戦の中から少し抜け出た感じになりました。<サハリン>と<王子イーグルス>の対戦でも、<サハリン>は連勝で、通算6連勝としています。

10月末から11月初め、<サハリン>は北海道に上陸し、苫小牧、釧路で順次試合に臨む予定です。

11月には現在の6連勝の前、9月下旬に八戸で<サハリン>から勝ち星を奪っている<東北フリーブレイズ>がサハリンへやって来るという試合もあるようです。

「寒い…」が挨拶代わりになる頻度も高まるでしょうが、しばらくは「熱い」闘いをたのしく観戦するチャンスもありそうな感じです。
 

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