「卒業式」や「入試」が行われているような時季(2017.06.16)
4月後半から6月上旬というような、「残雪から新緑へ」とダイナミックに季節が動いた稚内 ―サハリンも共通ではありますが。― へしばらく振りに戻ってみると、「税金の関係でビールが値上がり」という日本国内の話題が聞こえて来ました。
サハリンでは、ビールの税金が特別高い、あるいはビールが変に高い感じはしません。酒ではありますが、色々な飲むモノ等と比べて、税金分が抜きん出て高いという具合でもありません。
ユジノサハリンスクで、休日の日中にバーニャというロシア式のサウナに入った後のことでした。「何でもいいから飲みたい」と近くで目に留めた店に入ると、冷えた飲物はビールしか見当たらない状態でした。500mlビンのビールを求めてみると80ルーブルでした。同じ日の午後、少しだけ暑く感じられて何か飲みたくなったので、通り掛かりのスーパーに入って500ml入りのお茶のような、イチゴ系のフルーツ味が付いたドリンクを求めてみました。そのお茶のようなドリンクが78ルーブルでした。
こういう具合に、酒であるビールと、酒ではないソフトドリンクの両者に「価格差がほとんど無い」場合さえあるのです。
結局、近年はビールやワインのようなお酒がサハリンでも最も売れている酒類になるのかもしれません。それでもビールも、ワインも、あるいはウォッカやブランデーも共に、「酒の販売の規制」というものの対象ではあります。

全てのお店でやっているというのでもないですが、「酒の専用レジ」というモノが設けられているスーパーが一部に見受けられます。最初は少々驚きました。
聞けば2013年頃から「深夜から早朝に酒の販売を原則禁止」というのが始まったようで、その頃に「酒類の売場を仕切って買物客の出入をご遠慮願う」とか、狭い店では「酒類を置いた棚を何かで覆ってしまう」というノウハウのようなモノが出来ていって、“専用レジ”はその流れで登場したようです。
そして近年は、「アンチアルコール」というような動きも一部にある様子で、サハリンの州法で「酒類の販売を全面的に禁止する日」というのも制定され、実施されています。
この「酒類の販売を全面的に禁止する日」が実施されている場面に出くわしました。「学校の卒業式」の期間に相当する5月24日から5月26日の3日間だったのですが、その3日間、本当にお酒は売りませんでした。
ロシアの制度では6歳から11年間の学校で、17歳の生徒が卒業ですが、その卒業式の行われる期間に、17歳の生徒達が「お祝いだ!」と飲むような事例が目立っていたそうです。「お祝い」にしても、そういう未成年の飲酒に関して「目に余る」という意見があって、それが「酒類の販売を全面的に禁止する日」を設ける州法の制定に結び付いたと聞きます。
この「学校の卒業式」の期間の3日間のほか、6月1日も<国際児童デー>ということで、「酒類の販売を全面的に禁止する日」に指定されていて、この日も1日だけ酒類は売っていませんでした。
この「酒類の販売を全面的に禁止する日」の期間中に、よく利用しているスーパーへ立寄ってみれば、「酒の売場」ですから、文字どおりに「売る程」な量の色々な種類の酒類が高く積み上げられていて、そこに「販売しません」という掲示があるのでした。奇妙な光景だと思いました。
「11年間の学校」という話題が出ました。「11年制の学校」と言うと、何か日本とは様子が違って驚くような感ではありますが、「小学校の6年間と、中学高校に相当する5年間を合わせると11年間」という理解をすれば、日本の「6・3・3」で合計12年間になる小中高とさほど差が無いのだと思います。
実は、5月頃に「お子さんが近く学校を卒業」という方と親しくお話をする機会がありました。5月時点で、お子さんは“11年生”で、通っていた学校では5月25日に<最後のベル>と呼び習わされる“卒業式”が催行されるということでした。
この5月25日に卒業という“11年生”だったお子さんですが、進学を希望されているということでした。進学先はどういう具合に決まるのか、その方が色々と話題にされていました。
筆者自身が承知している、または経験している「○○大学△△学部の入試」というのは「かなり古い話」とはなってしまいますが、試験日に朝から会場に出向いて、午後の時間帯までに各科目90分間とか60分間というような試験を何科目か受けて、とりあえず1日やって終了で“結果”を待つことになります。ロシアの現在の方式というのは、そういうものとはイメージが大きく異なります。
ロシアの現在の方式は、例えば「○月○日 数学」、「△月△日 国語」と「1日1科目のみ」で「何日間にも亘って、指定会場に出向いて受験」なのです。“入試”のようなものは、何をどういうようにやっても大変なのだとは思います。「1日1科目のみ」は「さぁ!やろう!」と1科目にだけ集中すればよいので、悪くないのかもしれませんが、そういうのを「何日間にも亘って」やる、しかも選択科目が多岐に亘る関係で3週間位も“期間”が続いて設定されていて、結構な間隔を取って試験というのは、何か「モチベーションを維持しにくくなる?」とか、「期間中に体調を崩すという場合もあり得ないだろうか?」というような感じがしないでもありません。
ロシアの大学進学希望の生徒が、統一試験の結果をみながら出願する大学を選ぶというお話は、最近の日本で行われている「“センター試験”の大学入試」にちょっと似ているのかもしれません。
日本でも「1990年頃に進学」と「2000年頃に進学」と「2010年頃に進学」というので、入試の仕組みやイメージが違うということがあるかもしれませんが、ロシアでもそういう「制度の変遷」で、進学の時の様子が移り変わっている感じもあると聞きます。そして入試制度に関して「もう少し、こういうようなことが必要ではないのか?」というような意見も色々と聞こえると言います。そういう辺りは、国や地域が変わっても、あるいは同じなのかもしれません。
それにしても、日本の入試は4月の新学期に合わせて1月から3月なのに対して、ロシアの入試は9月の新学期に合わせて5月末または6月から8月頃なので、イメージが大きく違うかもしれません。
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