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丁度一ヶ月前に「冬本番」といったお話しをしたところですが、最近のユジノサハリンスクは、朝晩はまだまだ冷えこむものの、日中はプラスの気温になることもあり、何となく「春の息吹」を感じさせます。事務所のロシア人スタッフの話によると、「今年のサハリンの冬は近年になく穏やかである」とのことです。私も当地で初めての「越冬」でしたが、厳しい冬を覚悟していた分だけ、少々「拍子抜け」といった感じです。ただし、「サハリンの冬はまだまだ予断を許さない」というのが当地にお住まいの方々の大部分の意見です…
3月8日は「国際婦人デー」で、ロシアでは「女性の日」というお祭りで、国民の祝日でした。この日のロシアにおける歴史をたどると、最初は経済的、社会的、政治的平等を勝ち取る女性のための国際連帯デーとして、1913年に制定されたものでした。公式的に“祝日”となったのは革命後の1917年との事です。
この日はどんな日かと申しますと、古くは政治的意図もあったものでしたが、今日ではそのような意図は失われており、日本でいう「ホワイトデー」に似たような感じです。とは言っても、国民の祝日でもあり、サハリン州のマラホフ知事もこの日の祝賀コメントを発表するくらいですから、この日の重要性が何となく伺われると思います。職場や仲間内や家族でもパーティが開かれ、「レディ・ファースト」の概念が定着している当地でも、この日は特に全ての女性が「お姫様」状態の扱いを受ける感じです。この日は、家事も男性の肩にのしかかるそうです…
代表的なプレゼントは「お花」ですが、私がたまに利用するお花屋さんでも、通常100ルーブルのバラの一輪挿しが、この日は150ルーブルにはねあがっていました。今でこそ流通網も発達し、当地でも一年中新鮮な花を買う事は容易ですが、20年・30年前のロシアでは初春に花束を買うことは「原則的に不可能」であり、この日のために特別に輸入された花はとても高かったので、花をプレゼントされた女性の感動は「底なし」だったといわれています。
この日は、どちらかと言うと“イベント的な要素”が多いように見受けられます。他方、私が当地において感じたのは「女性の社会進出が日本より進んでいるのではないか」という事です。公的機関や民間企業に訪問しても、重要なポストに付いている女性がたくさんいらっしゃいます。旧ソビエトの時代は、女性が大学を卒業し就職し、その後結婚し出産すると2年間は育児に専念でき、その後また同一の職場・地位に復帰できる制度があったとのことです。今は企業もどんどん民営化されており、外資系の企業も多数存在することから、その様な制度も変化しているとの事ですが、女性の社会進出という点では、日本も見習うべき点があるのかもしれません。
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