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雪が少な目な冬に文化に親しむ(2019.03.15)

24時間営業の花屋の様子
 「大量の雪…」というほどの日も無く、「少雪傾向」だった冬でした。辺りの他の店が閉店した後も、「24時間営業の花屋」は煌々と明かりがついていました。






 

  
 
<ロシアの映画に親しむ…>

前回、<日本映画フェスティバル>という催しの話題を取り上げましたが、そうしたフェスティバルに限らず、サハリンでも映画は色々と上映されています。

サハリンでも、ロシアで紹介される各国の映画が「ロシア語吹替」で上映されているという件は以前にも話題にしたと思います。その種の「外国映画」に関しては、日本国内でも「外国映画」として紹介される場合が多いと見受けられることから、あえて映画館で見ない場合が多いです。

ユジノサハリンスクの映画館で「これは!」と注目して見るとすれば、ロシア国内の作品が多いと思います。

そういう作品の中、最近は第2次大戦の時代を背景にした作品が幾つかあって、興味深く見たところです。

第2次大戦期のソ連軍が用いた戦車に<KV1>(カーヴェー アディン)というモノがあるのですが、その戦車が奮戦する様子を描いた『ニェサクルシームィー』(「破れざる者」という程の意味です。) という作品を見ました。

映画『ニェサクルシームィー』(破れざる者)の屋外広告 
 戦車兵の物語である映画『ニェサクルシームィー』(破れざる者)の屋外広告









  
巧みな指揮で敵戦車を撃破する戦車の車長がいるのですが、不意打ちを食らって戦車が撃破され、部下達を失い、自らも負傷してしまいます。そして負傷が癒えて現場に復帰し、新たな部下達と<KV1>(カーヴェー アディン)戦車に乗ることになります。過剰というようには見えない、リアルで迫力のある戦車の戦いの映像に引き込まれます。往時の戦車を動かしている状況が細かく描かれています。生き残ろうと、必ずしも有利ではない状況下、最後まで必死に戦うという物語です。

もう1つが『スパスチー・レニングラード』(「レニングラードを救え」という意味です。) という作品です。

映画チラシと入場券
  映画『スパスチー・レニングラード』の小さ目なチラシと、映画館の入場券










 
レニングラードというのは、現在では街が起こった頃のサンクトペテルブルグという名で呼ばれていますが、1924年からはレーニンを記念してレニングラードと呼ばれていました。

ソ連との戦いに踏み込んだドイツは、ソ連国内の方々に進撃しましたが、レニングラードを制圧して破壊することを大きな目標としました。そして、街へ様々な必需品を供給するインフラを破壊してしまい、人やモノの出入りが出来ないように地域を封鎖してしまい、巨大な大砲での砲撃や航空機による爆撃を加えたのです。そして両軍は街の周辺で激しい戦いを展開することになりました。

その激戦が始まって日が浅かった頃、いまだ海上輸送路に可能性があると判断したソ連側は、タグボートに大きな台船(バージ)を曳航させ、軍人や民間人の地域からの脱出を試みました。概ね1500人が乗り込んだということです。

この台船(バージ)の一件は実際に起こった出来事で、それに基づいた物語が繰り広げられます。これも最近の映像技術のおかげで、現場に居合わせるかのような気分になってしまうすごい映像の作品になっていました。

レニングラードの戦い、「包囲戦」と呼ばれるモノで、第2次大戦期を通じて最も凄惨な状況になってしまった戦いの1つで、1月27日が「包囲戦が終結した日」と定められてサンクトペテルブルグで毎年記念行事が催されているそうです。映画はその時期に合わせてロシア全土で公開されました。サハリンでも、通常の上映が行われている映画館に限らず、方々の街の文化センターのような場所で、休日に上映会を催すという例もあった作品です。

あるいはロシアでは、こういうような映画を介して広く歴史を伝えるようなことが、一定程度積極的に行われているという印象を受けました。
 

<舞台芸術…>


方々の街で文化センターがあって、話題にした『スパスチー・レニングラード』のような映画上映が行われる場合もあるのですが、サハリンで活動する音楽や舞踏等の活動をしているグループが、街の文化センターで活動の発表を行う例もあります。

昨年の12月でしたが、稚内にもやって来る<ルースキー・テーレム>の公演がユジノサハリンスク市内の文化センターで行われたということもありました。

そして音楽や舞踏に加え、演劇の公演も見受けられます。ユジノサハリンスクにも<チェーホフセンター>という劇場があって、そこでの公演を主な活躍の場とする劇団もあります。その<チェーホフセンター>の劇団による公演のほか、よその地域の劇団がユジノサハリンスクにやって来て公演を催す例もあります。

演目を示す掲示写真
 演劇の劇場<チェーホフ・センター>の傍にある演目を示す掲示















 
なかなかに興味深かったのは、ロシア全土の劇場を結んで展開する<シアターマラソン>というモノです。

これはウラジオストクで開幕し、ウラジオストクの劇団がハバロフスクへ向かい公演を行います。そしてハバロフスクの劇団がユジノサハリンスクへやって来て公演を行いました。そしてユジノサハリンスクの劇団はペトロパブロフスク・カムチャツキー(カムチャッカ地方)へ向かって公演を行います。こういう要領で、1月から11月まで掛かって、ロシアに85あるとされる連邦構成体を1つずつ全て巡り、全国の舞台関係の活動を盛り立てようとする企画です。

シアター・マラソンを紹介するリーフレット
  ロシア全土の劇場を結ぶ「リレー公演」である<シアター・マラソン>を紹介するリーフレット










ハバロフスクの劇団による公演 犬の心臓 のパンフレットと入場券
 ユジノサハリンスクにやって来たハバロフスクの劇団による公演『犬の心臓』のパンフレットと入場券










 
この<シアターマラソン>ということで、ハバロフスクの劇団がユジノサハリンスクへやって来た時、ブルガーコフの小説を原案とする劇の『犬の心臓』を見ました。<チェーホフセンター>でも同じ小説を原案とする『犬の心臓』を上演していて、それを見た経過もあるので興味深く公演を見ました。同じ原案でも、全く違った見せ方になるというのが、演劇の面白い部分だと思います。

が、公演そのもの以上に「85あるとされる連邦構成体を1つずつ全て巡るリレー」という<シアターマラソン>に関して、「本当に広大なロシアの隅々に至るまで、各々の地域の中心的な街で劇団等の活動が行われている」ということに少し驚きました。ロシアに関して「舞台芸術の国」という認識を改めて強めたような気がしました。
 

<“伝統的”な前菜や飲物…>


ロシアで古くから親しまれているような飲物や食べ物に関して、ユジノサハリンスクでも意外に売られているものなのですが、たまたま見逃したままになっていて、最近になって「こういうモノもあったか…」とお気に入りに新たに加わるという場合もあります。

サーロ
 豚の脂身で造る<サーロ>











<サーロ>というモノがあります。これはウクライナやロシアでポピュラーなモノで、豚肉の脂身を塩漬けにした、見た目は「白いベーコン」のようなモノです。薄く切って、そのまま、あるいはパンに乗せる、または薬味のようなモノと合わせていただくというモノです。

場合によって、「塩加減がキツ過ぎる」ということもあるらしいのですが、よいモノに関しては、「脂身が多目な肉を半生でいただく」という場合に少し似ているような感じもします。

これは料理店のメニューでは“前菜”という項目に出ている場合が多いモノです。本格的な食事の前につまむというわけですが、これだけを取り上げて「酒の肴」というのも悪くないかもしれません。

「酒の肴」としましたが、ロシアでは最近、「酒を飲む」と言う場合、ウォッカのような度数が強い酒よりも、ビールやワインの方がより広く好まれるかもしれません。そんなことなので、「ビールを片手にサーロをいただく」というのも悪くはないかもしれません。

しかし、“ビール”と言っても、「多分、日本国内ではほとんど出くわさない?」と見受けられるモノもあります。それが<メドヴーハ>です。蜂蜜を加工して、度数が5度程度という若干のアルコールを含む微炭酸の飲物を作るのですが、日本の旅行者等は「蜂蜜ビール」というように呼ぶ場合があるようです。

メドヴーハ
 蜂蜜を使った、見掛けがビールに似ている飲料の<メドヴーハ>










 
<メドヴーハ>は、色が薄いモノも濃いモノもあり、殊に濃いモノの方は“見た目”がビールによく似ています。しかし、口にしてみれば、ビールのような苦味はほとんど感じられず、過ぎない程度なほのかな甘味が感じられ、非常に飲みやすい感じです。

この「蜂蜜ビール」こと<メドヴーハ>を含め、幾つかの伝統的な飲料については、1990年代に少し廃れてしまうような感じになっていたようですが、2000年代に新たに製造され、販売方法が工夫され、復権しているようなのです。少し興味深いことです。

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