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サハリン友好都市青少年派遣・受入事業(2012年7・8月)

稚内国際文化交流協議会では、稚内市内の高校生と友好都市ネベリスク市の高校生相当年齢の生徒による交流事業を実施しました。

これまでにも児童・生徒による交流事業を手掛けてきた経過がありました。従前は「今年は訪問で来年は受入」というような型で実施していましたが、今回は参加生徒達が先ずサハリンを訪ね、引続いてサハリンの生徒達を迎えるという方式を採用しました。この方式により、参加生徒達はサハリンの生徒達の暮らす街の様子を知った上で、彼らを迎えることになり、密度が高い交流が実現出来ました。

今回、参加生徒を市内の高校生としました。高校生ともなれば、進学して勉強する分野を選んだり、社会に巣立って行く準備をする時期に相当しますから、「友好都市交流でサハリンを訪ね、サハリンの生徒達を迎えることで地域を見詰め直す」というような経験が、より一層大きな意義を持つようになることが期待出来たからです。

【派遣】:自2012年7月24日 至2012年7月27日

ネベリスクの海岸散策路の様子市内3高校から各々1名の生徒が参加し、7月24日にサハリンへ向けて出発しました。3人の高校生は、初めてパスポートを手にして国外旅行に出ました。全く初めて経験する日本からの出国とロシアへの入国の手続きを経て、5時間半の乗船時間も非常に長く感じられた様子でした。

到着した日はユジノサハリンスク市内のホテルに1泊し、翌日にネベリスクを目指しました。ユジノサハリンスクからネベリスクは、車で2時間程度の道程ですが、かなり様子も変わります。

ネベリスクでは、ネベリスク市関係者の皆さんに迎えられ、ネベリスク側の交流参加生徒達と共に、市内見学等を行いました。市内に設置されている各種の記念碑を巡り、2007年の地震後に整備された海岸の散策道、図書館、学校を訪ねました。夏季休暇中で内装の整備等が行われていて「雰囲気を少しだけ」ということに止まったのですが、カラフルな学校の校舎が稚内の生徒達には印象が強かったようです。

ネベリスク市内の学校校舎の外観写真ネベリスク・稚内双方の生徒達は、最初はか簡単に言葉を掛け合うこともし難かったようですが、1日を共に過ごす中で次第に互いに打ち解けてきました。

夕方には各々の稚内側生徒が、一人ずつ各々のホームステイ先へ向かいました。サハリンに到着する辺りから、「1人で外国の家庭に1泊」ということに不安も禁じ得なかった様子でしたが、終わってみれば各々に明るい表情で「案ずるより産むが易し」という状況に変わっていました。

ネベリスクでは、ネベリスク側の交流参加生徒の皆さんと、約1週間後の再会を約して、明るい感じでのお別れをしました。その後、ユジノサハリンスクに1泊して稚内へ引揚げました。ユジノサハリンスクでも「積極的に、自分で色々と試してみよう」ということで、街を歩いてみました。

参加した稚内の高校生にとって、船で5時間30分という近さの「初めて訪ねた外国」での経験は大きな想い出になったようです。

【受入】:2012年8月3日 至2012年8月6日

百年記念塔で稚内を展望するネベリスクの生徒達の様子ネベリスクでは大変温かく迎えられたということで、稚内の高校生も、ネベリスク側の皆さんにとって「愉しい想い出」となるような滞在にすべく、色々と考えて彼らを迎えました。

稚内港に到着したネベリスクの皆さんを迎えた後、市内見学をして早速各々のホームステイ先でネベリスクの皆さんが向かいました。ネベリスクの皆さんは、早朝からコルサコフ港を目指し、船で移動して来ていた関係から、比較的早めに休んだという方が多かったようですが、それでも各々のホームステイ先でそれぞれに工夫もして迎えていたようです。2日目以降について、ネベリスクの皆さんは市内の宿泊施設に滞在しました。

陶芸に挑戦している様子2日目は、稚内の学校を見学し、陶芸に挑戦し、「みなと南極祭」の“北海てっぺん踊り”へ参加しました。

陶芸はロクロを使って茶碗を作りました。年季が入っている先生が簡単そうに粘土から茶碗の型を捻り出す様を見ながら、ネベリスク・稚内双方の生徒達が挑戦しました。かなり苦心しながら、何とか型にしていました。

“北海てっぺん踊り”は「当日参加大歓迎」の<みんなで踊ろう>というグループに加わり、稚内のキャラクター“出汁之介”(だしのすけ)を先頭に街へ出ました。最初は「どうすれば?」という雰囲気でしたが、他のグループで参加していた方達にインストラクター役で列に加わって頂き、段々馴染んで来ました。
生徒達が躍っている様子。「北海てっぺん踊り」の輪に加わった。

3日目は、生け花生け花に挑戦中の様子に挑戦し、花火大会を観ました。その他、市内巡りもしました。

生け花は、花が同じ高さになってしまわないように花を据えるのですが、コツを説明すると、ネベリスク・稚内双方の生徒達は意外に上手に各々のセンスで作品を纏めていました。

花火大会は「花火クルーズ」のフェリーに乗船し、洋上から観ました。稚内の花火大会は、上空に舞い上がる花火と、水中に炸裂する花火がほぼ同時に開く場面等が見どころで、そういう場面が間近に見られるのが「花火クルーズ」の魅力です。ネベリスク・稚内双方の生徒達は「オーチン・ハラショ」(大変良い)と花火を絶賛しながら、互いにロシア語と日本語の“良い”とか“凄い”という意味の色々な表現を教え合っていました。

笑顔で発ったネベリスクの生徒達の写真あっという間に時間が過ぎたネベリスク側の皆さんの稚内滞在でした。やや風が冷たかった朝の出発ではありましたが、フェリーが静かに海へ滑り出し、互いの姿が見えなくなるまでネベリスク・稚内双方の生徒達は手を振り合っていました。

決して大人数でもない、可能な範囲での交流でしたが、参加した生徒達は各々に非常に個性的で、互いに色々な想い出が出来ました。ネベリスク・稚内双方の生徒達は海峡を挟んだ友情の輪を拡げました。別れる際に涙は無く、笑顔が溢れました。

お問い合わせ先

企画総務部交流推進課
稚内市中央3丁目13番15号
交流推進グループ 0162-23-6486(直通)

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