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近年、サハリンを訪ねる都度に「昨年はこういうモノが在っただろうか?」と記憶を辿ったり、さり気なく辺りが写っている前年辺りの写真を視てみたくなるということが多く見受けられます。一頃程の“勢い”は弱まっているようにも見える他方、サハリンでは新たな施設の建設が未だ多く見受けられる状況です。
ユジノサハリンスク市街の東寄りの辺りに“パベーダ(勝利)広場”が在ります。第2次大戦に関連する命名の広場で、広場へ通じる街の東西に延びている通も“パベーダ(勝利)通”と言います。
“パベーダ広場”の辺りは、広い緑地になっていました。ユジノサハリンスク市街東側の、スキー場<山の空気>の麓に相当する場所で、ゴンドラに乗降する場所や、サッカーや陸上競技に試用するスタジアムが設けられています。そして広場には第2次大戦期のソ連戦車<T-34>が記念碑としてやや背が高い台座に据えられていました。夏には、家族連れが辺りの草原にマットを敷いて日光浴をしている様子さえ見受けられるような場所でした。
そんな場所ですが、昨年辺りは建設工事のための、少し背が高いフェンスに一帯が囲われていました。かなり広い用地が確保出来そうな場所なので、「何か相当に大掛かりなモノが登場するのか?」と思っていたところでした。
9月のサハリン訪問の際、辺りを歩く機会が在りました。
非常に大掛かりな建設工事が行われていて、見上げるような巨大な建物が姿を見せていました。
独特な、丸みを帯びたドームが建物の屋根を構成しています。ピカピカの塗装が施され、街の灯り、或いは辺りを行き交う車輛のランプの光を跳ね返して、暗い夜空で輝きを放っていました。
これはロシア正教の教会です。<大祖国戦争勝利70年並びにキリスト生誕記念主教座大聖堂>と名付けられています。
竣工時期は明示されていないようですが、“主教座”という名が冠せられているので、完成すれば高位の聖職者が常駐して活動する場所となるのでしょう。
最も高い箇所が57メートルになると伝えられています。概ね「20階建てのビル」のような高さです。最も高いドームの上に掲げられた十字架の頂上が赤く光っていましたが、これは航空関係の安全のために高い建物や鉄塔に据えられるランプでしょうか。近くには大きなビルが無いので、何か「街を睥睨する」という感じで、建設中の教会が聳え立っています。
ロシア正教の教会に見受けられる丸みを帯びたドームの屋根は「クーポル」と呼ばれるそうです。これは「祈りが神のもとへ昇る」という意味が込められた「蝋燭の炎」を象ったモノであるとのことです。
<大祖国戦争勝利70年並びにキリスト生誕記念主教座大聖堂>の「クーポル」と呼ばれる屋根は、中央の金色のモノを囲むように青いモノが4つ据えられ、計5個在ります。5個の「クーポル」を据える時は、「キリストと四福音(※マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネの各福音記者による福音書)」を示すとのことです。
この教会が完成すると、辺りの様子も随分と変わることになるでしょう。
企画総務部交流推進課
稚内市中央3丁目13番15号
交流推進グループ 0162-23-6486(直通)
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