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公式には「A.P.チェーホフ記念サハリン国際舞台芸術センター」という、ユジノサハリンスクの“チェーホフ劇場”では、今年も舞台の“シーズン”が開幕しました。
チェーホフ劇場の壁ですが、昨年劇場の様子をお伝えした時の建物外観と比べてみると、色が少し変わっています。白系からクリーム色系になりました。壁画が施されていた部分に、大きな広告幕が下がっています。
向かって左側の広告幕には「第79期シーズン」と在ります。“シーズン”は年末年始を挟んで秋から春なので、“79期”ということは、劇場は80年目になります。
ユジノサハリンスクに「ロシアの方式の劇場」が登場したのは“戦後”ですから、“80年”というのは勘定が合いません。 チェーホフ劇場では、2009年は10月からシーズンを始めています。“近日上演”の掲示を見ると“ПРЕМЬЕРА”という赤い文字が幾つか並ぶのが目立ちます。
“ПРЕМЬЕРА”という赤い文字は「プリミェーラ」と読みます。“初演”、“初興行”、“初日”という意味で用いられます。劇場の“近日上演”の掲示にそれが出ると「劇場でそのシーズンに初めて上演する、新しい演目である」ことが判ります。シーズンの最初にそれが出る場合は「初めて公に上演」という意味が加わる場合も在ります。
こうした劇場の上演予定のようなものは、劇場の掲示や方々のポスターの他、新聞等にも出ますが、最近はその種の情報を伝えるなかなか綺麗なパンフレットが登場しています。入手した物では、アニメ映画のキャラクターが目立ち、小さな映画ポスターが一面に沢山並んでいます。催し物を伝える「ポスター」という意味の“АФИША”(アフィーシャ)と名付けられたパンフレットには、舞台劇の他に、映画、コンサート等の情報がギッシリ詰まっていて、無料でした。広告も少々載っています。表紙に“10月”と明記してありますから、恐らく月毎に出ているのでしょう。
10月に初演されたものの中、なかなか興味深いのがチェーホフの『サハリン島』に原案を求めた作品、『サハリン島・第1章』(≪Остров Сахалин. Часть первая≫)(オーストロフ サハリーン・チャスチ ピェ―ルヴァヤ)です。
この新作劇は、長い旅行を経てサハリンへやって来て、滞在しての現地状況の調査を行う青年チェーホフを演じる俳優と、「“チェーホフ”以外の全ての必要な役」を分担して受け持つ男女各1名の合わせて3名に、効果音等を担当する音楽家2名で上演されます。最小限の舞台装置を巧みに駆使して、壮大な作品世界、青年チェーホフの深い心情を表現した、なかなかの力作です。
チェーホフ劇場のウェブサイトに在る『サハリン島・第1章』を紹介するページの下の方に、リハーサル時に撮影したと見受けられる、舞台の様子が判る写真が掲載されています。
チェーホフ劇場は“座席配置表”を見る限り、最大で585席です。しかし、『サハリン島・第1章』は「劇場の80年の歴史で初めての試み?」とも言われる「ステージ部分の端に60席の客席を配した“小劇場”方式」で上演されています。初演の少し後に、新聞の文化欄等で見受けられたのは「60名の幸運な人だけが愉しむことの叶う作品」という評でした。
劇場での催しの入場券ですが、劇場内の窓口で求めることが出来ます。窓口は昼12時から午後7時まで開いています。ここで、入場券を求めたいものを申し出て、券が在れば求めることが出来ます。価格は様々です。
通常、劇場の入場券には料金、開演時間、上演日の他に「区画・列・番号」が記され、座席を指定するようになっています。入場券のデザインや、細々した事項、そして「区画・列・番号」は確り印刷されています。料金、開演時間、上演日はスタンプを押しています。
『サハリン島・第1章』の入場券については、その座席を指定する部分が線で消されています。「60席限定・自由席」であるためです。券を求める際にも、窓口の係から説明が在ります。
企画総務部交流推進課
稚内市中央3丁目13番15号
交流推進グループ 0162-23-6486(直通)
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