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7月に戻ってきた太陽ですが8月に入ると陽が昇っている時間がどんどん長くなりました。
8月1日の日の出が10時2分、日の入りが14時55分でしたが、31日には日の出が7時46分、日の入りが17時00分と日本の冬とほぼ同じくらいになりました。
こうなると楽しみになるのが、太陽が繰り出す自然現象です。
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※右が太陽、左側にぼんやりピンク色に見えるのが 幻日(げんじつ)です。 |
写真は8月4日に薄らと見えた幻日
(げんじつ)です。
太陽と同じ高さの離れた場所に光
が見える現象を幻日と言います。
これまではオーロラや星空の撮影
に夢中でした。
日中も蜃気楼など撮影することは
ありましたが基本的には夜の撮影。
しかし、これからは、ハロ(太陽や
月の周りに現れる光の輪)や幻日、
彩雲など日本ではなかなか見ること
のできない自然現象が現れる機会が
増えるので、昼も夜もカメラを手放
せなくなります。
「数打ちゃ当たる」でシャッターを切る日が増えそうです。
日中が長くなってきたのですが、8月上旬は荒天候続き。
月中までに4回のブリザードに襲われました。
A級にはなりませんでしたが、雪が多いブリザードが続くと除雪が追いつきません。 しかし、それでも除雪しなければ基地が埋まってしまい、生活や観測も出来なくなってしまいます。
みんな自分の仕事を抱えていますが、時間を見つけては必死に除雪作業にあたります。
南極の雪は稚内の雪のイメージとは違い、とにかく硬い。強風で飛ばされる雪ですが建物など高さのあるものの後ろ側に溜まる「ドリフト(吹き溜り)」は気温が低いこともあり、剣先スコップが刺さらないほど硬くなります。
人力に頼るしかない狭い空間や屋根の雪下ろし以外は重機を使用しなければ太刀打ちできません。
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除雪風景(1) ミニブルでの除雪 |
資格がなければ操縦できない重機は有資格者にお願いするしかありませんが、ブレードのついた雪上車等は講習会を何度も開き、みんなが除雪作業にあたれるようにしています。
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除雪風景(2) 雪上車での除雪 |
8月は陽が長くなるので野外行動が盛んになります。
荒天により予定変更は多かったものの、なんとか予定していたものを終えることができたのですが、その中の一つに「雪上車(SM100)回送オペレーション」がありました。
雪上車は用途によって色々な車種がありますが、「SM100」は内陸旅行用に設計されています。
また、重量が11.5tもあり、海氷上を走行するには適さないため通常は内陸の「S16」ポイントなどに置かれています。
今回の回送オペレーションは10月に予定している「みずほ基地」旅行前の車両整備のために行われました。
8月中に整備を終え、再び内陸へ回送する必要があるため、手の空いている隊員で整備にあたります。
外出制限がかかった日など整備が出来ない日もありましたが、何とか予定通り作業を終え、月末に「S16」ポイントへと回送しました。
昭和基地で「SM100」を見ることは少ないので、みんなで久しぶりに記念撮影をすることにしました。
最高の天気に恵まれ、これから始まる「SM100」の旅が順調に進むことを予感させる撮影会となりました。
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雪上車SM100との記念撮影 (座っている一番左が市川隊員) |
8月は久しぶりにスポーツ大会が企画されました。
今月は「海氷ソフトボール」です。
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通信室のガラス越しに撮るだけでしたが… |
基地の北東側の海氷で久しぶりに楽
しい時間を過ごしました。
と言っても…私はその日、通信ワッチ
当番でしたので参加できませんでした。
52次隊の通信担当は1名しかおらず、
休日が無いため、週に3回くらい数時間
だけ隊長と私が交代します。
昭和基地管理棟内の通信室から双眼
鏡で皆を見ていると、一人だけ基地に
戻ろうとしているのが見え、無線が入
りました。
「いっちゃん、すぐ出れる準備しろ!俺が変わるから」と通信の近藤さんからの無線でした。
「みんなで楽しまないとあかん!」と言い、近藤さんが交代のため戻って来てくれました。
いつもは基地周辺でのイベントでしたから、同じように交代で参加していたのですが、この日は会場が海氷なので、着替えて行くには時間がかかります。
「今日は欠席」と話していたのですが…。
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途中から参加できました。 |
しかも、終了後の記念撮影には後半の少ししか参加していない私が入ることになってしまい申し訳ないことばかりでしたが、おかげで楽しい時間を共有できました。
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最後はいつもの記念撮影 |
近藤さん、ありがとうございました。
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