最近の建設事情(2006年3月)
サハリンでは、色々な年代の建物が混在した独特な街並みが見受けられますが、最近は新しい大きな建物の建設現場にも出くわしますし、少し大掛かりな建設計画も聞こえてきます。
ビジネス需要が拡大し、なかなか宿泊先が確保出来ない、あるいは出来てもかなり割高であるという状態が続いていますが、新たなホテルがオープンしつつあります。
これまで、日本人も含めて外国人が泊まっていた一般的なホテルは、“サンタリゾートホテル”、“サハリンサッポロ”、“ガガーリンホテル”など10箇所程度に止まっていましたが、最近は、外国人宿泊客を想定したグレードの高いホテルが姿を見せ始めました。少しずつ状況が変わると考えられます。
ホテルはまだまだ“売り手市場”で、宿泊料金は高値で推移しており、石油開発関係企業などが多数を“事前購入”してしまっており、旅行エージェントも苦慮している状況です。しかし、グレードの高い大型ホテルの登場で、1年、2年の間にそのような状況も落ち着くと見受けられます。少し古いロシア式のホテルなどは淘汰されてしまうかもしれません。
グレードの高い新しい大型ホテルの登場を受け、従前からのホテルの一部にもリニューアル計画を練る所が見受けられます。欧米人の長期滞在者が多い“サンタリゾートホテル”では、家族滞在を念頭に置いた“一軒家”を数棟建設する計画を有しているそうです。
これから新たに登場する、グレードの高い大型ホテルの代表的なものは、下記のようなものです。
メガパレスホテル
- 韓国系ロシア人がオーナー。極東3地域(ウラジオストク、ハバロフスク、サハリン)では最高の“四つ星”ホテルで、2006年3月にグランドオープン。
- 10階建200室料金は22,000円程度
- 付帯施設:レストラン(洋食・日本食)バーラウンジビジネスセンターサウナ等
- 総支配人は韓国の“ヒルトン新羅”からスカウトした。日本語の出来るスタッフも9名配置。
- 総工費は約30億円。建設資材や調度備品は韓国から調達した。建設工事は、オーナー企業であるサハリンの建設会社が施工した。
ラマダパシフィックホテル
- 地元の水産企業“ピレンガ”を中心とする“パシフィック”社が建設した。
- 国際的な水準で“四つ星半”のホテルを目指している。
- ホテルとオフィスビルの複合型施設で、ホテル部分は2006年9月、オフィスビル部分は2007年2月完成を予定している。ホテルの料金は未定である。
- 施設は地下1階地上8階建で180室の“ホテル棟”と、地下2階地上10階建の“オフィス棟”とが渡り廊下で結ばれる構造となる。
- ホテル付帯施設:レストランバーラウンジサウナスポーツジム等
- 施設運営は、世界的に有名な“マリオットグループ”が手掛ける。
- 総工費は約30億円。中国・ロシアの合弁会社が建設を手掛ける。
この他、モスクワ資本の企業が、ビジネスセンターやレジャー施設を併設した10階建ホテルの建設を計画していると伝えられています。既に詳細な設計段階に入っているとのことです。
ホテルの他、住宅に関する動きもあります。
プリゴロドノエの、<サハリン2>プロジェクトによる石油・ガスプラントでの業務に従事する皆さんに向け、現場に近いプリゴロドノエに200世帯、ユジノサハリンスク地区に200世帯のアパート建設が予定されています。これらは雪融けを待って着工されるとのことです。
また、最近は厳重にセキュリティで固めた住宅地が用意されており、そこには1棟3,000万円以上と見受けられる住宅が建てられているのが見受けられます。いわゆる“ニューリッチ”層のロシア人が入居しているようです。
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