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(天候:吹雪・最大瞬間風速:39.7m/s・気温(最高:-12.8℃ 最低:-19.0℃)
(日出7:36 日入17:09))
本日よりいよいよ9月。夏日課にもなり気分一新。気持ちを新たにして頑張ります。と思っていたところ朝7時にいきなり外出禁止発令のための人員確認が放送されました。昨日までの冬日課時間ですと、この点呼が終了してからでも朝食の時間までは余裕があったのですが、夏日課になったため7時から7時半での朝食、8時からの業務となっていますのでそのまま朝食にということになったのですが、この人員確認で強制的に起こされましたので中にはほっとした人もいたのではと思います。
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(人員点呼で起こされた?隊員がぞくぞく朝食に・・) |
さて昨日の夕食後に外出注意が発令されてから徐々に風が強まり、夜半過ぎに瞬間で39.7m/sを記録したブリザードも凄かったと言うか見事だったと言うか、このブリザードも南極の自然の驚異を感じるくらいのブリザードでした。35m/sの強風に降雪、地吹雪が入り乱れますので、凄さが数倍にも増して襲い掛かってくるのです。さすがに外出禁止ですので建物から出るわけにはいきませんが、この凄さ是非皆さんにお見せできるように室内からの映像ですが、頑張って撮影してみようと思っています。数回、撮影しては見ましたが管理棟が3階建てになっており、かなり高いところからの映像になっています。これだと臨場感が伝わりづらく多少の工夫が必要ですが、何とかして撮影してみたいと思っています。
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(3階から見たブリですが、目線だと全く見えません) |
このブリザード、ピークが深夜1時すぎにゆっくり弱まっていき、9時57分に外出注意に変わり17:54分に解除となっていったのでした。
中継拠点旅行隊情報です。660hPa以下のため測定不能、気温マイナス42.3℃、天候、薄曇。MD246(ARP2)地点まで到着(本日の走行距離36.4km)人員、車両等異常なし。
遂に標高3,000mを突破(日本だと3,200m相当)かなり空気が薄く感じられるのではないかと思いますが、そこは我らの精鋭部隊!しっかり働いています!
雪面も随分安定してきて10km/hのスピードで進むことが出来たそうです。残りはもう少しです。ファイト!!
(天候:曇時々晴・最大瞬間風速:14.5m/s・気温(最高:-17.6℃ 最低:-19.8℃)
(日出7:31 日入17:12))
やはり昨日のブリザード130kl水槽の周りがまたも凄いドリフトが出来上がってしまいましたので、13時30分より再び手空き総員での除雪、雪入れ作業が行われました。今日は野外行動が数箇所で行なわれていたために12~3名での作業となりました。約1時間ほどで水槽の中が雪であふれんばかりになりましたので終了しましたが、まだたくさんのドリフトが有りますので時間をみて再度行なうとのことです。今日もいい汗をかくことが出来ました
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さて、ブリザード明けで野外活動隊が作業に出て行きました。海氷上に設置しておいたGPSのバッテリー交換、海氷コアの採取、湧出量計の設置テスト、ラドン・トロン観測用カブースの回収、デポされていたそりの回収等様々な野外での作業が行われました。それぞれの作業をされた皆さん、お疲れ様でした。
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(ラドン・トロン観測用カブース) | (海氷に穴をあけ・・・) | (湧出量計の設置テストです) |
中継拠点旅行隊情報です。660hpa以下のため測定不能、気温マイナス49.5℃、天候、薄曇。MD286地点まで到着(本日の走行距離40km)人員、車両等異常なし。
かなり空気が薄く感じられ、外での作業では息苦しく感じるそうです。また雪面に大きなギャップが現れ4~5㎞/h程度のスピードで走行しているそうです。
残りは約78㎞です。順調に進むことができると2日後には目的地の中継拠点にいよいよ到着です。
(天候:雪・最大瞬間風速:4.0m/s・気温(最高:-22.1℃ 最低:-24.4℃)
(日出7:27 日入17:16))
午前7時に地学グループ他総勢5名がスカーレンまでのルート工作等を目的に出発しました。このスカーレンは昭和基地より約120㎞のところに位置しており、夏隊がヘリコプターを使い調査を行なっていたところですが、それ以来で途中までのスカルブスネスまではルートが出来上がっていますので、そこからのルート作りとなるのです。また、その他に海底湧出量の測定、GPSボルト点観測、沿岸地震計保守、沿岸MT探査、沿岸湖沼・浅海堆積物採取など多くの調査も同時に行なわれる予定です。期間は6日までの3泊4日の日程になっていますが、新規ルート作成は充分注意して行ってほしいものです。海氷が充分な厚さがあるといっても下は海です。慎重に頑張ってきてほしいと思っています。
午後からは8月29日に途中で断念した海水サンプルを採水するために、北の浦定点Bで多少手間取りながら3時間ほどかかりましたが、ようやく海水サンプルを一升瓶2本分、採取することに成功したのです。前回掘っていた穴がこの間のブリザードで埋もれていましたがアイスオーガで掘削をすると意外と簡単に復旧したのです。その後もスムーズに掘り込みようやく貫通しました。そこに一升瓶を下ろし海水を取ろうと思ったのですが途中で降りなくなってしまいました。これはみぞれ状の氷がその穴の中に進入してきて行く手を阻んでいましたのでアイスオーガの延長用のエクステンションで押し込みながら一升瓶を慎重に下ろしていったのですが途中で瓶が割れてしまうハプニングも・・・再度、チャレンジを重ねようやく2本分の海水を取ることが出来たのです。深さを測定してみるとなんと約8m。これだけでも大変な苦労をしたことですが、ドームふじ基地では3000mも掘るのですからこの計画の大変さが身にしみて判ったような気がします。
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(なかなか時間がかかりましたが、ようやく貫通しました) |
中継拠点旅行隊情報です。660hpa以下のため測定不能、気温マイナス52.5℃、天候、晴。MD336地点まで到着(本日の走行距離50km)人員、車両等異常なし。いよいよ中継拠点まで28㎞までとなりました。あと一息です。!!
(天候:薄曇一時雪後曇・最大瞬間風速:4.3m/s・気温(最高:-20.7℃ 最低:-24.7℃)
(日出7:23 日入17:20))
今日は休日日課。天候は快晴とはいきませんでしたが、風が無く穏やかな一日となりました。このような天候になると最近は野外研修(遠足ですけど)に出かける隊員が多く見受けられるようになって来ました。昨日も2組総勢7名が出発。一つは西オングル島テレメトリー小屋付近、もうひとつは昭和基地のちょうど裏側に位置する「ポルホルメン」と言う島に出かけたのでした。それぞれの隊員が充実した休日を過ごしていました。
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(行く途中にはこんなクラックや奇妙なオブジェも・・・) |
さてこのような穏やかな天候になると待ってましたかのように係留気球によるエアロゾル観測が行われました。地表面ではほとんど無風に近いので絶好のコンディションかと思いきや上空1000m付近までは真上に上昇していきましたが、それ以上の上空は10m/s以上の風が吹いており係留気球がその風に流され上に行くのではなく横に行き始めましたので、約1300mでやむなく終了となったそうです。残念!
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(空高く舞い上がる、通称「金魚」) |
中継拠点旅行隊情報です。660hPa以下のため測定不能、気温マイナス54.7℃、天候、地吹雪。遂にMD364(中継拠点)に到着(本日の走行距離28km)
人員、車両等異常なし。
遂に到着です。昭和基地を出発してから18日目にして目標地点の中継拠点に到着しました。走行距離約650㎞。6名全員がほっとしたということです。
とにかく全員が無事で何よりです。到着おめでとうございます。明日一日ドラム缶の詰め替え、無人磁力計データーロガー回収、交換等を行いもう1泊してから帰途に向かうとのことです。帰りはほとんど下りになり、昇りより慎重に進まなければなりません。一度通過したルートとはいえ安心は出来ません。より慎重に前進あるのみです。帰りも頑張ってください。
さてもう一つのスカーレン旅行隊はといいますと目標のスカーレンの大池南カブースに到着したそうです。気圧997.2hPa、気温マイナス23.2℃、天気 晴。
こちらは順調にルート工作、GPS設置が行なわれていたようです。こちらも安全に作業を進めてほしいものです
(天候:雪・最大瞬間風速:5.9m/s・気温(最高:-19.8℃ 最低:-21.0℃)
(日出7:18 日入17:24))
本日の中継拠点旅行隊情報です。気温マイナス55.5℃、南東・7m/s、視程300m。人員、車両共に異常なし。
今日の作業は、無人磁力計のデーターロガー回収、交換。デポするドラム缶、橇の整理。帰路のための橇編成をマイナス55℃の中行なったそうです。今日1日宿泊して明日、昭和基地に向けて出発します。約650kmの道程ですが、下りということと一度通過しているルートですので、行きよりは時間がかからずに走行できるのではないかと思います。しかしそうはいっても慢心は禁物です。昭和基地に着くまでは慎重に走行してほしいものです。
またスカーレン旅行隊は昨日目的地に到着し、今日は地震計のメンテナンス、海底湧出量計の設置、VHF無線テストなどを行ないました。特にVHF無線テストで、アンテナを設置して行なわれた無線交信は見事にクリアーな声での交信が出来ていました。このことは過去においてスカーレンと昭和基地とのクリアーな無線交信のためにいろいろチャレンジしてきたのですが、なかなかうまくいかなかった場所でした。しかし今回はアンテナを設置しチャレンジしたところ、極めて明瞭な声が昭和基地通信室に飛び込んできたのです。これには通信隊員もビックリ。そして感動あったとか・・・いずれにしてもこのスカーレンは夏の沿岸オペレーションで長期にわたり行くところですので、重要な通信の確保に大きな役割を果たすだろう成果になったのでした。お疲れ様でした。
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(ルート工作、ハンドベアリングコンパスで磁方位を測定中) | (アンテナ設置作業中) |
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(湧出量計セット) |
(天候:曇後雪・最大瞬間風速:29.1m/s・気温(最高:-9.8℃ 最低:-24.9℃)
(日出7:14 日入17:27))
3日に出発していたスカーレン旅行隊が無事に帰ってきました。天気予報では今日の夕方からブリザードとの予報でしたし、この悪天候は今日から4日ほど続くそうなので、なんとしてでも今日帰ってこなければならないこともあり早めにスカーレンを出発し、18時30分ころにブリザードの来る前に到着したのです。帰路の途中に大きなタイドクラックがあり、横断するために渡し板を使用したそうですが何とか無事に渡りきり昭和基地到着となりました。今回のオペレーションは、計画されていた全ての作業をやり終えての帰着です。お疲れ様でした。
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(こんなクラックも・・・) | (何のこれしき) |
さて中継拠点旅行隊情報です。気温マイナス52.7℃、南東・11m/s、視程100m。
今日は、15時40分に中継拠点(MD364地点)を出発し、いよいよ帰途に着きました。帰りはルート上の全ポイントで目印となっている旗竿、ドラム缶の点検・整備をしながら帰ってきます。このルートはドーム旅行隊が再び10月下旬に通過する重要なルートになっていますので、これらの点検をしっかり行ってきます。雪上車搭載のGPSはありますが、目印が有るのとないのでは全く違いますので充分に整備をしなければなりません。この作業をしながらひたすら昭和基地に向かって走ります。ひたすら走ります。今日は出発が遅かったため12㎞しか走行できませんでしたが、明日は約40kmを目標にひたすら走るそうです。
(天候:曇後雪・最大瞬間風速:39.1m/s・気温(最高:-9.8℃ 最低:-18.0℃)
(日出7:09 日入17:31))
昨日の夜半あたりから天候が崩れ始め、午前7時に外出禁止令が出されました。瞬間で39m/sを記録。降雪を伴うブリザードでしたので、視程もほとんど無い状態のブリザード。最近になるとブリザード慣れが出てきているせいでしょうか、こんなものかぁ~なんて思うように・・・夕方にかけて徐々におさまりましたが、明日の夜に来るだろう低気圧が何と910hPaと予報されています。この分だと50m/s程度の風が吹きそうな感じがします。明日、出発予定のS17オペレーションは早々と延期となっていましたが、予報では10日まで悪天候が続くらしいのでこの天候が回復してからの出発となりますが、9月の野外活動の予定が早くも崩れていきます。再調整が必要となってきますが、これも天候次第ですからいたしかたないところでしょうか。
9月に入り帰る準備に関することが徐々に話題となってきています。残り4ヶ月余り。帰り支度を着々と進め始めた最近の昭和基地です。
中継拠点情報です。気温マイナス57.1℃、南東・8m/s、視程1km、低い地吹雪。人員、車両等異常なし。
今日はとにかく「走る」のみで約60kmを走破。いいペースで進んでいます。
このままだと予定より随分早めの帰着となりそうです。頑張って進めぇ~
(天候:雪後吹雪・最大瞬間風速:45.2m/s・気温(最高:-9.0℃ 最低:-18.1℃)
(日出7:05 日入17:35))
今日のブリザードも凄かったです。昼前より昨日より更に強い風が吹き始め13時30分に外出禁止が発令されました。視程は管理棟3階の高いところに位置する庶務室の窓から外を見ても全く何も見えない状況になっていました。風はどんどん強さを増して行き19時33分に最大瞬間風速45.2m/sを記録するまでになりました。
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(目の前に見えるはずの気象棟が見えません) |
そんな外出禁止が発令される直前に、宙空部門(オーロラ観測系)の隊員に情報処理棟に同行してほしいと依頼がきました。これは外出注意が発令されている時は複数での移動が基本となっているための同行依頼です。外出禁止になってしまうと完全に建物間の移動が出来ませんので、その前に観測のために移動しておかなければならなかったのですが、もう一人同行しなければ帰り道に私、一人になってしまいますので、帰りようにもう一人ということで合計3名でいざ突撃です。さすがに外出禁止になろうとしている直前のブリザード。ほとんどライフロープ(建物間を結んでいるロープ)づたいでなければ歩けないほどの状況です。目的の情報処理棟までは僅か150m程度なのですが、非常に緊張しての同行でした。稚内でも吹雪はありますがその上を行くブリザードをまさに体感したのでした。
中継拠点情報です。気温マイナス60.1℃、南東・12m/s、視程100m、高い地吹雪。人員、車両等異常なし。
午前6時の気温がマイナス62.8℃でしたので、1時間ごとに気温を測定したそうです。これはマイナス60℃を超えると低温停滞をしなければならないからです。低温になりすぎて雪上車のあらゆるところに支障をきたす恐れがあり、重要な雪上車を保護する上での措置となっています。
その低温停滞が11時まで続き、ようやく12時30分にマイナス57.2℃まで上昇しましたので、ようやくエンジン始動です。いつもより長めの慣らし運転を行いようやく13時40分にMD292地点を出発し、約20kmを走行。
MD272地点に到着。ここでキャンプということでした。
マイナス60℃の世界は予測がつきませんが、旅行隊が帰ってきてから聞いてみようと思います。GO!GO!旅行隊!!
(天候:吹雪・最大瞬間風速:44.8m/s・気温(最高:-11.1℃ 最低:-15.9℃)
(日出7:01 日入17:38))
6日後半より続いているブリザードが今日一日中、猛威を振るいました。瞬間最大風速44.8m/sを21時04分に記録。ほぼまる一日、30~40m/sの強風(最大平均風速34.3m/s)が吹き荒れていました。しかしこの悪天候は明日の前半までだろうと予報が出ています。長いブリザードがようやく終焉を迎えそうです。気象棟をはじめ数人が管理棟に来られない状況が続いていますがこれでようやく帰ってこられると思います。もう少しの辛抱です。
このブリザードの置き土産のドリフトの処理も一苦労ですが、何とか全員で除雪をします。閉じ込められていましたので、久しぶりに外でいい汗をかけそうです。
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(風速を示すグラフで、物凄さがわかります。) |
(天候:吹雪・最大瞬間風速:44.0m/s・気温(最高:-9.1℃ 最低:-11.5℃)
(日出6:56 日入17:42))
昨日より続いていたブリザードが最大瞬間風速44.0m/sを記録した6時32分を境に徐々に終息に向かい、昼食時にはようやく外出禁止令から注意令に変更され最終的には22時20分に注意令も解除になりました。6日の深夜から続いていた悪天候もようやく回復。この間の風速は平均風速が32m/sを連続で超えていましたのでその凄さが現れています。
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(ようやく回復しましたが、ブリの跡がくっきり) | (気象棟からやっと脱出できました) |
これでようやく足止めをさせられていた野外活動も一斉に準備作業が始まります。明日一日、休日日課返上で出発の準備を行い12日に一斉に出発の予定です。一つは、S17地点での圧雪滑走路造成実験、これは前回H68地点で同じ実験をしましたが今回は場所を変更しての実験になり10日間の日程になっています。またラドン・トロン観測も同時に行われるとのことです。もう一つはスカーレン方面で前回設置した海底地下水湧出量計の回収、露岩GPSの回収、VHFアンテナ設置、電界強度調査などが主な作業内容になっており、こちらは4日間の日程です。参加人数も両方合わせますと最大で13名となっており、中継拠点旅行隊6名と合わせたら19名が昭和基地を離れることになります。このように人数が少なくなって寂しいなと感じるのは食事の時で、1テーブルほぼ8名で食事をしているのですが、2つのテーブルは完全に空席となってしまいますので、とてもこじんまりとした食事になってしまいます。隊員が一同に会するときは食事時間だけ、それ以外の時間はそれぞれの観測で各観測棟に行ったり、外作業等をしていますので食事時間が唯一の全員が揃う時間となっているので、このときに人数が揃わないと野外活動が行なわれているんだなぁ~と思うのと同時に寂しさも感じるのです。
さて中継拠点情報です。気圧:665hPa、気温マイナス46.7℃、南東・15m/s、視程30m、高い地吹雪。人員、車両等異常なし。
今日は昨日から引き続いての車両整備を午前中に行い、13時50分にMD246地点を出発。徐々に風が強くなり視程が悪化。そのため早めにMD228地点でキャンプインとなったそうです。本日の走行距離は18kmに留まりました。明日は天候が回復してくれるといいのですが・・・
(天候:吹雪・最大瞬間風速:24.8m/s・気温(最高:-7.8℃ 最低:-14.3℃)
(日出6:56 日入17:42))
本日は休日日課でしたが、天候が回復したため明日出発できるであろう旅行隊が忙しそうに準備を行なっており、またブリザードの後の除雪作業と、一日中忙しそうにしていた休日日課となっていました。
私はというと、130kl水槽の周りが当然のごとく、ものすごいドリフトに覆われていましたので、ドリフト崩しを行い、いい汗をかいたのです。
私の定番というか割り当てというか除雪する決まった場所があります。発電棟から130kl水槽の点検や見回りに使用されているコルゲート通路があり、その出入り口の確保をしなければなりませんが、いつもここを私が行なっているうちにこの場所の除雪が私の割り当てみたいになってしまったのです。特にここがドリフトのつきやすいところで、あっという間に2~3mのドリフトになってしまい、毎回ブリザード明けにはこの出入り口の確保が日課となっているのです。
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(ここが私の定番です。) |
そんな忙しい中、喫茶係による「ひだまり」の営業が行なわれていました。かなりの隊員が外作業を行っていましたので、いつもよりは利用された人数は少なかったのですが、今日も手作りの「スコーン」と「シガレット」というものであったそうですが、私も除雪作業で外にいましたので、営業時間中には食べることは出来ませんでしたが、そのような隊員のために取り置きをして夕食後に再度食べられるようにしてもらっています。毎回、準備のために前日の深夜までかかって作って、提供していただいているおいしいお菓子作りに感謝をしています。
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(ひだまり特製「スコーン」「シガレット」) |
さて、中継拠点情報です。気圧:667hPa、気温マイナス37.4℃、南東・19m/s、視程20m、高い地吹雪。人員、車両等異常なし。
午前7時くらいから急速に視程が悪くなり待機。午前中は様子を見ていましたが、結局回復せず12時10分に停滞を決定したそうです。前が見えなければ安全が確保できませんので、当然前進も出来ません。天候が悪ければどうしようもないところです。帰路ですから焦ってもしょうがないでので、今日は充分に休養して明日以降、また頑張って前進してください。明日は30~40km進む予定だということです。
(天候:曇・最大瞬間風速:25.8m/s・気温(最高:-9.7℃ 最低:-15.8℃)
(日出6:48 日入17:49))
今日は、ブリザードで足止めを余儀なくされていた野外活動隊、(圧雪滑走路造成実験隊及びラドン・トロン観測隊(S17地点)、海底地下水湧出量計、露岩GPS回収等(スカーレン方面)の合計11名が、待ってましたとばかりに出発していきました。これで中継拠点旅行隊と合わせると17名が野外で活動することになります。基地の中は20名となってしまいましたが、しっかり残った私たちで基地を守っていかなければならないことも夕食後のミーティングで確認したところです。
野外で厳しい条件の中で、観測や作業をしている他の隊員たちが頑張っていますので、私たちも気を引き締めて基地を守っていかなければなりません。
さて、中継拠点情報です。気圧:670hPa、気温マイナス37.3℃、南東・21m/s、視程10m、地吹雪。人員、車両等異常なし。
今日は一日中、強風、視程不良により停滞をせざるを得なかったそうです。ということで本日、前進は出来ませんでした。明日は前進できるまでに天候が回復してくれるといいのですが・・・
(天候:晴時々薄曇・最大瞬間風速:29.3m/s・気温(最高:-11.3℃ 最低:-15.2℃)
(日出6:43 日入17:54))
今日は、熊本県出身の医療隊員の出身高校である熊本県真和中学校、高校とを結んでのTV会議システムを使った「ライブ授業」が行なわれました。これは真和中学校創立50周年記念事業として同窓会などが企画し、中学、高校の生徒と卒業生、保護者など約500人が参加していました。中学生、高校生の代表数名が質問。中学生からはペンギンがなぜ寒さに強いのか?白熊はいる?どんな植物が生えているの?食事のメニューは?生野菜はどうしているの?また、高校生からの質問では、地球温暖化で南極の氷は解けているの?昭和基地はどこの領土なの?資源が発見されたら日本のものになるの?などの質問が出されていました。これに各関係隊員が決められた短い時間の中でわかりやすく説明をしていましたが、どうだったのでしょうか・・・
私はいつものように、外の様子を撮るカメラマンとして参加しましたが、気温はマイナス13℃程度。天候は晴でしたが、風が17~8m/sと強く、カメラを抑えていなければ倒れてしまうくらいの強風でしたが、南極大陸からの「カタバ風」が吹き込んできている様子が晴れていたせいもあって、うまく撮影することができ、その雰囲気を伝えることが少しでも出来たのではないかと思っています。最後に医療隊員から「この授業が励みになって、皆さんの夢が実現するように南極から応援しています。」と後輩たちにエールを送っていたのが印象的でした。
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(たくさんの生徒がいます) | (冬の服装の説明をしています) |
さて、中継拠点情報です。気圧:675hPa、気温マイナス41.1℃、南東・12m/s、視程20m、高い地吹雪。人員、車両等異常なし。
今日も昨日からの強風によって視程が悪く、進むことが出来ず停滞を余儀なくされたということです。しばらくの辛抱です。明日はきっと進めるでしょう。
また、S17地点での圧雪滑走路造成実験隊、スカーレン方面隊は天候に恵まれ順調に本日の作業を終了したそうです。こちらの旅行隊も頑張れ~
(天候:晴時々薄曇・最大瞬間風速:28.5m/s・気温(最高:-11.2℃ 最低:-14.7℃)
(日出6:43 日入17:54))
昨日から2日間にわたり、12月中旬にやって来る47次隊で購入し、しらせに積み込んでもらう食料等について、何をどれだけ購入するかという調整を行ないました。事前に各隊員に何が食べたいのかアンケートをとっていましたので、その結果を踏まえながら食材を選んだのですが、アンケート結果では、新鮮な生野菜(トマト、セロリ、レタス、キャベツ)や果物(スイカ、りんご、梨、メロン等)がやっぱり食べたいとのことですので、それらを取り入れながらの案作り。ようやく個々の希望を取り入れた案が出来上がったのです。昭和基地に来てから既に9ヶ月余り、早く新鮮な冷た~いトマトなんかをガブリと食べたいと思っているのは私だけではないはずです。日本では食べたいと思えば、近くのコンビニに行って何でも直ぐに食べることが出来ていた頃が羨ましく思えてきている今日この頃です。
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(早く、こんな新鮮な野菜を食べたいです。) |
さて、中継拠点情報です。気圧:690hPa、気温マイナス38.6℃、南東・10m/s、視程200m、高い地吹雪。人員、車両等異常なし。
3日間の悪天候による停滞を強いられてきたのですが、ようやく前進することが出来ました。3日間、マイナス40℃前後のところに置いてあった雪上車がようやく息を吹き返したのですが、やはり1台はバッテリー容量低下のため直ぐにはエンジンがかかりませんでしたが、何とか始動に成功。暖機運転をいつもより長く行い充分に暖めてからの出発です。その前にブリザードで相当埋もれてしまったソリを掘り起こす作業をしてからようやく、11時15分にMD228地点を出発。結局、本日の走行距離は46km。MD182地点でキャンプとなりました。明日も30~40kmの走行を目指しているそうです。昭和基地はもう少しです。
S17地点での圧雪滑走路造成実験隊は、本日も順調に作業がすすんでいるとの事でした。また、スカーレン方面旅行隊も予定通りの作業を本日全て終了し、明日早朝に出発の予定です。
(天候:曇一時吹雪・最大瞬間風速:28.5m/s・気温(最高:-9.4℃ 最低:-13.0℃)
(日出6:34 日入18:01))
12日に出発し、本日夕方無事に帰着したスカーレン方面での作業結果をお知らせします。
今回の目的は、海底地下水湧出量計の回収、露岩に設置したGPS観測装置の回収、UHF、VHF電波状況の確認等が主な作業となっていました。いずれの作業も計画通り行われたということです。(以下の写真です)
また、天候が良く、磁場が荒れていたという条件が揃って昭和基地で見えるのとはまた異なった素晴らしいオーロラも見ることができたそうです。この綺麗なオーロラが見えるのも、今月いっぱいくらいともいわれています。私も20日よりスカルブスネス方面に旅行することになりましたので、晴らしいオーロラを見てこようと思っていますが、果たして・・・?
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(湧出量計設置) | (アンテナ設置) |
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(GPS観測装置気) | (地震計) |
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(居住用カブースの中で食事、そして寝ます) |
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(一味違うオーロラです) |
さて、中継拠点情報です。気圧:705hPa、気温マイナス42.0℃、南東・10m/s、視程1km、高い地吹雪。人員、車両等異常なし。
ようやく天候も回復し、今日はただひたすら昭和基地に向けて走るのみでした。今日の走行距離60km。MD122地点まで進んだそうです。
また、S17地点の圧雪滑走路造成実験隊は午前中に多少、作業は行ったそうですが、しだいに強風、悪天となり停滞となりました。明日は回復見込みだそうです。
こちらも特に異常なしということでした。
(天候:晴時々薄曇・最大瞬間風速:19.5m/s・気温(最高:-11.7℃ 最低:-18.7℃)
(日出6:43 日入17:54))
今日は、穏やかな天候であったため、外作業が多く行なわれていました。その一つとして、西の浦で地学グループの海氷GPSバッテリー交換、海氷コア採取が行なわれていました。バッテリー交換も25kgの重さなのですが、最近は手馴れた手つきでスムーズに短時間で行なわれています。海氷コア採取も1m程度の海氷にハンドオーガという道具を使って穴を開けながらコアを採取するのですが、これもあっという間に完了。このような作業が行われているのです。
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(25kgのバッテリーです) | (ハンドオーガでコアを採取) | (取れたての海氷コア) |
さて、中継拠点情報です。気圧:715hPa、気温マイナス43.0℃、南東・9m/s、視程1km、快晴。人員、車両等異常なし。
今日も快晴でドライブ日和?でひたすら前進したそうです。今日1日の走行距離はなんと62km。頑張って前進しましたね。MD122地点を8時30分に出発し17時50分、MD60地点に到着。天気予報は今週から来週まで好天が続くとのことですから、一気に昭和基地に近づくことになるでしょう。あともう一息です。頑張れ~!
また、S17地点の圧雪滑走路造成実験隊はというと、昨日の夕方からブルドーザーの調子がいまひとつとなり、修理要請が来たため急遽、支援として2名が朝7時過ぎにS17へと向かいました。このブルドーザーは圧雪滑走路造成実験になくてはならない重要な機械ですので、動かなくなってしまってはこの実験の継続が危ぶまれてしまうほどのものです。S17地点に到着してすぐさま修理を始めましたが、それほどの重傷ではなかったようで短時間で修理が完了。午後から何事も無かったかのように作業を開始できたのでした。さすが機械隊員。ということでブルドーザーの調子が戻りましたので、本日の作業(ブルドーザーを使ってのA工区の圧雪、B工区の除雪等、ほぼ順調に終了したそうです。こちらの旅行隊もあと少しです。ファイト~!
(天候:晴・最大瞬間風速:5.6m/s・気温(最高:-17.1℃ 最低:-21.9℃)
(日出6:30 日入18:04))
今日は、日本山岳会広島支部100周年記念行事を記念してということで、中国電力の会場を利用したTV会議中継が行なわれました。日本側のアドバイザーとして、私達、越冬隊の大先輩で1次隊から3次隊まで参加された平山先生(南極観測のパイオニアです)や藤原先生(5、9次で越冬され9次では南極点への大陸往復横断調査を成功)や鈴木先生(18次岩石学)、吉川先生(10次医療担当)が参加されていました。私たちにとっては雲の上のような大先輩ですので、回答をする隊員はかなり緊張をしていたようでした。
そんな中で、スムーズに中継が始まったかと思いきや、日本側の音声は聞えるのですがこちらからの声が聞えないというハプニングが発生。昭和側の司会者も動揺を隠せずかなり焦っていましたが、身振り手振りで何とか伝えていました。そうこうしている間に、ようやく音声が届くように回復。約10分程度で済んだのですが、これが生中継の怖さですね。前日のテストでは、トラブルは無かったのですけれど・・・素晴らしい天候で綺麗な映像が届けられると思いながら、外でいつものようにカメラをセットして待っていました。ほんの1~2分しか見せることしかできませんでしたが、これもしょうがないですね。でも、そんな短い映像でも会場の高校生は大変喜んでいる様子がわかりましたし、平山先生をはじめとする大先輩の皆さんも、懐かしそうに映像を見ていたそうです。その当時では、このようにリアルタイムで昭和基地周辺の映像を日本で見ることなどは到底考えられなかったでしょう。その技術的進歩にも驚いていたのではないでしょうか。
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(声が届かず、手振り身振りで伝えています) | (ようやく声が届きました) |
さて、中継拠点情報です。気圧:721hPa、気温マイナス34.9℃、南東・5m/s、視程2km、晴、地吹雪。人員、車両等異常なし。
今日もひたすら前進・前進・前進。MD60地点を出発しMD0地点に到着。走行距離60km。順調に進んでいます。
また、S17地点の圧雪滑走路造成実験隊も順調に作業が進み、明日から撤収準備に取り掛かるそうです。こちらは20日に昭和基地に帰着予定です。
(天候:晴一時薄曇・最大瞬間風速:6.5m/s・気温(最高:-17.4℃ 最低:-28.1℃)
(日出6:21 日入18:12))
昭和基地にも立派な満月が・・・。今日は中秋の名月です。といえば月見団子。それがいつの間にかあるではありませんか!通信隊員が中心となって団子オペレーションが秘密裏に行なわれていたらしいのです。夕食時に綺麗に積み上げられた南極での月見団子。日本では当たり前のように見ていた団子が、見た目は何も変わらないのですが、何かもったいなくて食べる気にはなれませんでした。でもいつの間にか綺麗サッパリに30個の団子が完食されていました。食い気には勝てなかったのでしょうか・・・昭和基地からみる月は本当に綺麗でしたし、日本で見るよりはずーっと近くに感じたのですが気のせいでしょうか?
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(昭和基地特製「月見ダンゴ」です) |
今日も昨日に引き続き好天に恵まれ、穏やかな休日日課となりました。そんな中、S17地点に向けて元気に4名の隊員が出発して行きました。今回の目的はラドン・トロン濃度観測装置の回収や10月中旬に出発予定のドームふじ基地旅行用の燃料ゾリ6台のS16地点への移動が主な作業になっています。この作業もなかなか大変ですので、充分に気をつけて頑張ってほしいものです。
さて、中継拠点情報です。気圧:729hPa、気温マイナス29.5℃、東・12m/s、視程2km、薄曇、地吹雪。人員、車両等異常なし。
MD0地点を出発し、今日の目的地であるみずほ基地に到着。ここでは、往路で置いて行った自走用の燃料ドラム缶を積んだソリを回収。また雪上車の足回りを点検、グリスアップ等を行い、16時過ぎにみずほ基地を再び出発。ひたすら昭和基地に向けて前進あるのみ。最終的にはZ96地点でキャンプとなりました。
また、圧雪滑走路造成実験旅行隊の方も好天の中、順調に作業が進んだそうです。
(天候:快晴・最大瞬間風速:4.6m/s・気温(最高:-23.7℃ 最低:-29.6℃)
(日出6:15 日入18:17))
明日から私は、スカルブスネスにある親子池に湧出量計設置等の目的で2泊3日の旅行に出かけてきます。設営系の隊員で唯一、私だけが宿泊を伴う野外旅行を経験していませんでしたが、ようやく行くことができるのです。今までに数回は旅行のメンバーにとの打診は受けていたのですが、日程と仕事の関係でどうも合わなく今まで延び延びになっていたのです。でも、万をじしての出発ですので、何やらワクワク気分です。他の隊員からスカルブスネス方面の話や写真を見たり聞いたりで、大体の見当はついてはいるものの、やはり自分の目で確かめて感動を得てみたいと思っています。オーロラも昭和基地周辺とはまた変わった見え方がするらしいので、これも期待しています。天候も崩れる予報ではありませんでしたので、期待できそうなので、楽しみに行ってきます。とはいっても、作業をすることが当然ながら第一ですので、その合間での話しなんですけどね・・・
同じく明日、地学隊員の「みずほルート電磁探査(MT)」が10月9日までの3週間の旅行に出発します。この電磁探査をすることにより、氷床から地殻に至る深さ数十kmまでの電気伝導度構造を決定し、地震探査による結果と合わせて、エンダービーランドーの形成の歴史を推定するということらしいのですが・・・難しくてよくわかりませんが、長い旅行ですので気をつけて行ってきてください。
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(たくさんの荷物が並べられています) |
さて、中継拠点情報です。気圧:757hPa、気温マイナス31.0℃、東・11m/s、
視程1.5km、薄曇、低い地吹雪。人員、車両等異常なし。
本日も前進あるのみでした。Z96地点を8時35分に出発し、18時10分、本日の目標地点であるZ17地点に到着。なんと走行距離は63kmを走破したのでした。明日も昭和基地に向けてまっしぐらです。
また、S17地点での圧雪滑走路造成実験隊も撤収に向けての準備を済ませたそうです。
(天候:快晴・最大瞬間風速:5.2m/s・気温(最高:-16.0℃ 最低:-26.9℃)
(日出6:12 日入18:19))
午前5時、いつもなら熟睡の時間なのですが、今日は初めての野外旅行の出発のため、寝坊してはいけないという気持ちで眼が覚めてしまいました。
実際の出発準備は6時30分に最終的な荷物の積み込みをすることになっていましたので、相当早い起床でしたが寝ていられなくなり起きてしまったのです。
朝食もいつもならトースト1枚若しくはサンドイッチ2切れ程度しか食べないのですが、旅行ということもあり、炊きたての温かいご飯に納豆でしっかり朝食を摂ったのです。もしかすると越冬交代後、初めて朝食にご飯を食べたのでは・・・。
さて、最終積み込みも終了し、7時20分、雪上車2台に2名ずつ分乗しスカルブスネスに向けていよいよ出発です。天候はこれ以上無いくらいの快晴、無風。最高の天候で幸先のいいスタートです。スカルブスネスまで約60km。
雪上車の平均スピードが10~12km/hですから、途中昼食休憩を入れて到着まで約7時間の旅が始まったのです。
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(いざ、出発です) | (後続車と氷山) |
私の乗った雪上車はSM413号車。比較的新しく、暖房もよく効き快適ですが、振動とエンジン音が大きく隣同士の会話が相当な大きな声でなければ聞き取れないのですが、それを除けば問題ありません。基地を出発しスカルブスネスまでのルートをGPSとポイントの旗ザオを目印に順調に進んで行きました。途中、氷山、南極大陸、蜃気楼など綺麗で見事な映像も撮ることが出来ましたし、最高の天候でしたので素晴らしさが数倍にもなり、肉眼で見たのと同じくらいの影像が撮影出来た?と思っています。
しかし、氷山の大きさと美しさは実際に肉眼で見なければ伝わらないのですが、このようなものがいたるところに点在し、人間が米粒程度にしかならないくらいの物凄く大きいものもたくさん見受けられましたし、自然界における人間のちっぽけさもちょっぴり味わいました。
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(昼食休憩中です) | (乱氷帯と奥には氷河が見えます) |
正午頃に昼食休憩をし、いよいよ乱氷域へのルートへと突入です。あらゆるところに氷山のかけらが点在しておりその隙間をぬって進んでいきます。その乱氷域を抜けると海氷が平らな場所に出ることができ、目標であるスカルブスネス、きざはし小屋が目の前に現れ、出発してから7時間、ようやく到着です。一見見ると何の変哲も無いプレハブ小屋。45次隊が苦労して設置したそうで、名前も「Sea Side Terrace きざはし」という素敵な看板がついています。
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(目的地のきざはし浜小屋です) | (おしゃれな名前です) |
野外観測というと、基本的には雪上車、Pテントでの寝泊り、若しくは居住用カブースなどですが、ここは立派なプレハブ小屋なのでまさに天国。発電機もついており暖房器具も装備されていますし、寝床は2段ベッドですが布団で寝られます。これは夏期間も生物、地学部門で利用がありますので生活する上でのいろいろなものが揃えられています。野外を感じさせないくらいの整った小屋に感心したのでした。設置した45次隊のみなさん、ご苦労様でした。
さて、荷物を降ろして早速観測の開始です。今回の目的である湧出量計設置を小屋の南側約200mに位置する「親子池」に向かい、氷厚、水深の基本調査に向かいました。そこは当然のように全面凍結しておりこれもいつものようにエンジンドリルで穴を開けていきますが、寒さ(マイナス20℃程度)でエンジンがなかなかかかってくれませんでしたが、何とか苦労しながらようやく貫通。
結局、氷厚1.4m、水深6.8m。今日の作業はここまでです。明日はいよいよ湧出量計を湖底に沈め設置する作業を行います。1m四方の穴を開け設置するのですがうまく穴が開きますように・・・
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(湖面の氷に穴を開けていきます) |
私たちの他に電磁探査の為に地学隊員をはじめとする3名が昭和基地を出発。そのせいで基地の夕食数は16名だったらしく、食堂がやけに寂しかったそ
うです。
さて中継拠点情報です。気圧:784hPa、気温マイナス33.5℃、東・6m/s、
視程3km、快晴、低い地吹雪。人員、車両等異常なし。
今日もとにかく前進あるのみ。Z17地点を出発し、64㎞を走破しH212地点まで来ました。明日、基地側から出迎えて隊が出発します。今のところ帰着予定が24日となっていますので後一息ですが、安全に気をつけて帰ってきてください。
(天候:晴・最大瞬間風速:8.4m/s・気温(最高:-20.0℃ 最低:-27.4℃)
(日出6:10 日入18:10))
スカルブスネス2日目です。今日は湧出量計設置で親子池の氷に穴を開け設置する作業を行いました。先ずエンジン付ドリルで穴を次々に開けていきますが貫通する直前で止めながら次の穴を置けていきます。これは穴と穴との間の氷を特大氷ミノと氷用のこぎりを使い撤去していくのに水が浸入してくるとやりづらい為なのですが、できるだけ隙間を置けないようにして穴を開けていくのがこれまた一苦労。そんなこんなで約3時間を費やしてようやく貫通。この時の気温はマイナス25℃はあったかと思います。湧出量計を設置し、一旦昼食のためその場を撤収し約1時間後、に再び現場に行ってみると、もう既に氷が張っているではありませんか。厚さこそは数センチ程度でしたがこの凍結するスピードにビックリさせられました。最終的に設置が完了したのが夕方。無事に設置できたには良かったのですが、その分いい観測結果が測定されていてほしいですね。
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(あっという間に結晶が・・・凍っていきます) | |
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(湧出量計設置中) | (設置完了) |
さて中継拠点情報です。気圧:821hPa、気温マイナス32.2℃、東・8m/s、
視程10km、快晴、低い地吹雪。人員、車両等異常なし。
H212地点を出発し、H158地点でようやく出迎隊と劇的な再会が出来たそうです。出発して以来35日ぶりに旅行隊以外の隊員との再会。感無量だったに違いありません。言葉にならない奇声を上げながら抱き合ったりで最高のボルテージに・・・旅行隊のリーダーが「仲間に再会でき、そして昭和基地が目の前に来てとても嬉しいが、もう一度引き返したい気持ちも・・・」なんとなくわかるような気がします。とりあえず中継旅行隊の皆さん、お疲れ様でした。良くやったと労いの言葉を送りたいと思います。
(天候:晴・最大瞬間風速:6.2m/s・気温(最高:-18.5℃ 最低:-22.9℃)
(日出6:10 日入18:10))
今日でスカルブスネスの一連の作業は終了です。朝から「きざはし小屋」の片付け整理などを行い、いざ昭和基地への帰路につきます。この3日間の天候は快晴、ほとんど無風で最高の観測日和となったのです。湧出量計の設置の際の氷に穴を開ける作業は天候に恵まれていたからスムーズに進んだのですが、
強風等悪天候だったことを想像すると・・・いずれにしても素晴らしい天候に恵まれたことに感謝します。
帰りルートは一度通過していますし、乱氷域も来た時のトレースがくっきりありましたので、そのとおり進むことができ、GPSなども天候による視界不良が全くありませんので遠くを見通しながら進みます。
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(トレースのとおり進みます) | (海氷上にGPSをセット) |
帰りルート上に気象計のセットを海氷上にして今回の作業は全て終了となったのです。後は昭和基地に向けて帰るのみとなりました。この位置から約3時間16時15分に無事に昭和基地へと戻ってきたのです。3日間の旅行でしたが、印象に強く残るものとなりました。今度は別な場所にも行ってみたいのですが、果たして行くことができるのでしょうか・・・
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(見事な蜃気楼です) |
さて中継拠点情報です。気圧:910hPa、気温マイナス28.6℃、東・8m/s、
視程3km、快晴。人員、車両等異常なし。
昨日、感動的な再会をした中継拠点旅行隊の6名と出迎え隊4名は今日S16地点にてキャンプをし、明日とっつき岬に移動し、そりの編成作業やドーム旅行に向けた物資整理などを行い、いよいよこの約40日間の長くそして過酷なオペレーションのフィナーレを迎えることになります。昭和基地到着予定が24日13時に元気でそして一回り大きくなった仲間たちが笑顔で帰ってきます。私たちもそれに負けないくらいの笑顔で出迎えたいと思っています。
(天候:晴時々曇・最大瞬間風速:10.1m/s・気温(最高:-16.9℃ 最低:-22.4℃)
(日出5:59 日入18:30))
今日は、隊員とその家族が待ちに待った家族会が開催されました。極地研究所の講堂には各地から19家族が参加されており、久しぶりに見る家族の顔に隊員それぞれが嬉しそうな表情をしていたのが印象的でした。
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(家族を前にして嬉しそうな隊員の皆さん) |
渡邉越冬隊長が食堂の様子や外の様子を説明。その後、隊員が一人ひとりカメラの前で自己紹介。少し緊張気味というよりは照れくさそうな感じも・・・。
全体的な話の後、隊員と家族の交信を庶務室に移動して行ないました。これは全体の前で家族と話をしても、話しづらかったり、家族でも敬語が出てきたりということが昨年の家族会を見ていて有りましたので、今年は個室を使って行なうことを早い時期から計画していました。交信の時間が一人5分程度と短い時間ではありましたが久々の家族水入らずの会話が出来たのではと思います。
また、中継拠点旅行を始めとする野外旅行隊にとっては交信が出来ず残念だったかと思いますが、来年の3月28日に再会したときの思いは格別かと思います。
今日の午後から恒例の各部会が開催されました。観測部会は昨日、開催されていますので、今日は設営部会、生活部会で今月の活動報告、来月の活動予定を中心に会議が開催されていました。持帰りの準備、47次隊受入れや合同オペレーション等、話題が様変わりしてくる時期になったのです。
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(設営部会です) | (生活部会です) |
さて中継拠点情報です。気圧:980hPa、気温マイナス20.2℃、風・静穏、視程20km、晴。人員、車両等異常なし。
いよいよS16地点を出発しとっつき岬に到着です。ここで給油、そり編成、荷物の整理を行い、今日はここでこの旅行最後のキャンプです。明日、正午に40ぶりに昭和基地へと帰ってきます。本当に御苦労様でした。あと1日です。
ここまで事故も怪我もなくきましたので、あと1日気を緩めないで昭和基地に帰ってきてほしいです。ふとした安心からの気の緩みが、事故を引き起こしますので基地に着くまで気を緩めないようにと思っています。
また、みずほMT探査旅行隊は順調に観測をしているそうです。こちらも頑張って観測を続けて下さい。
(天候:晴・最大瞬間風速:4.1m/s・気温(最高:-17.5℃ 最低:-22.7℃)
(日出5:54 日入18:34))
遂に帰ってきました。40日間、長くそして過酷なオペレーションを終えた仲間たち6名が、ほぼ全員、頬が軽い凍傷になってはいましたが、素晴らしい笑顔で雪上車を降りてきました。
第一声は「ただいま」、私たちは「お疲れ様」この二つの言葉をかわした後は握手と熱い抱擁(抱き付き合い?)があらゆるところで行なわれていました。
6名の旅行隊のメンバーにそれぞれに感想を聞いてみると、「いい経験をした」「楽しかった」、「大きな事故、怪我が無くてよかった」、「昭和基地が新鮮に見えた」等いろいろな感想でしたが、相対的には「ほっとしたぁ~」だそうです。
今日の夕食は久しぶりに33名(みずほ旅行4名除く)で楽しくにぎやかに食事をすることが出来ました。とにかく本当に、本当にお疲れ様でした。ナイスオペレーション!!我らの仲間たちよ・・・。そして次はドーム旅行が待っているのです。過酷で素晴らしい経験、体験をし、乗り越えてきたメンバーを少し羨ましいと思っている隊員は私だけではないと思います。
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(ドーム隊のメンバーです) | (全員で帰りを待ってました) |
中継拠点旅行隊の出迎えが終了してから、漁協主催の釣りが行なわれていました。総勢6名が参加し、ショウワギス他37匹を釣り上げたそうですが、ヒトデもおまけで5匹釣れたそうです。近々、夕食に出るそうですが、ヒトデはいくらなんでも食べられませんけど・・・
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(本日の収穫です) |
また、アマチュア無線係の担当隊員により世界各国の愛好家と久しぶりに交信が行われていました。ここ最近は太陽活動(フレア)が活発で電波状況が悪かったのですが、ようやく収まり交信が出来たということです。
交信は全てモールスによるものでした。交信された国は、日本を始めとして、リトアニア、ロシア、フランス、スウェ-デン、イタリア他17カ国の人と交信できたそうです。現在はインターネットが当たり前になっておりそれに伴いメールで世界各国と簡単に交信できてしまう状況下でまだまだ、短波通信の愛好家がいるのに多少ビックリしています。
また、みずほMT探査旅行隊は今日も順調に観測をしているそうです。この観測は10月10日までとなります。あと2週間余りですが頑張って観測を続けて下さい。
(天候:曇一時晴・最大瞬間風速:5.7m/s・気温(最高:-17.3℃ 最低:-23.5℃)
(日出5:50 日入18:38))
今日は休日日課。穏やかな天候の中、多くの野外研修が行なわれていました。一つは向岩方面。徒歩での片道約1時間半。かなりの距離ですが、参加した隊員いわく、「歩いて南極大陸に上陸することが目的です。」ですからそれくらいの距離などは問題ないそうです。もう一つはポルホルメン~北テオイヤ~東テオイヤ~西テオイヤの往復ですが、午前8時に出発し基地に到着したのが15時過ぎ。なんと7時間(休憩を除くと5時間以上は歩いていたそうです)。の島めぐりでした。もう一つは岩島~初島~ネスオイヤ。これも島めぐりで12時に出発し、16時に基地に到着。これも4時間ほとんど歩きっぱなしだったそうです。この3組の皆さん、夕食時には顔に疲労が・・・でも疲労以上に素晴らしい景色を堪能し、記録と記憶に刻み込んでいたようでした。それにしてもお疲れ様でした。
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(テオイヤです) | (向岩です) |
昨日、40日ぶりに帰ってきた中継拠点旅行隊の皆さんは、旅行用品の後片付けや溜まっていた洗濯など忙しそうにしていました。昨日は久しぶりに寝袋ではなくベッドでゆっくり休んだことでしょう。でも40日間の疲れはそう簡単には取れないでしょうけどね・・・(後日、中継拠点旅行特集を掲載しますが1枚だけ掲載します。)
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(中間拠点の看板前で) |
(天候:曇一時晴・最大瞬間風速:5.2m/s・気温(最高:-18.2℃ 最低:-23.7℃)
(日出5:50 日入18:38))
今日は、1週間前に私たちが設置した湧出量計の回収、通信機器の整備、きざはし小屋の改修等の目的で、地学隊員を始めとする4名がスカルブスネスに1泊2日の日程で出発しました。穴を開けたところが1週間でどれだけ凍結しているんでしょうか?30cm?50cm?それとも・・・いったいどういうふうな状態になっているのでしょうか?また、データーもうまく取れているのでしょうか?苦労して設置したものですから、何やら自分が研究者になったような心配というか変な気分になっています。
今日、久しぶりにノートパソコンがクラッシュしたという話が出ました。パソコン内部のハードディスクが壊れたらしいのです。データーの取り出しを懸命に行なったそうですが、ダメだったらしいです。でも、バックアップはある程度とってあったそうで、全部のデーターがダメになったわけではなさそうですが、写真の一部が修復できなかったそうです。原因はよく分からないのですが、外部からの衝撃ではないとのことですので、静電気のせいなんでしょうか・・・
せっかく撮り溜めた写真がこのクラッシュで、一瞬にして水の泡となってしまうのです。その一瞬の影像と同じものは二度と撮ることは出来ませんが、あと4ヶ月はここにいるわけですから、それ以上の映像を撮影するといいのです。(かなり、未練がましいですかね・・・)私も1月にパソコンが壊れたのですが、幸いにもデーターはほとんど修復することが出来ましたので大丈夫でしたが、まめにデーターのバックアップを取らなければと思っています。
さて、みずほMT探査旅行隊情報ですが、今日も順調に観測をしているそうですが、お腹の調子をこわした隊員は回復をしたそうで、元気に観測を続けているそうです。
(天候:雪一時晴後吹雪・最大瞬間風速:35.9m/s・気温(最高:-10.9℃ 最低:-19.5℃)(日出5:45 日入18:45))
今日の昼過ぎから天候が徐々に崩れ、19時33分に約2週間ぶりに外出注意が発令され、さらに天候が悪化し21時04分に遂に外出禁止が発令されました。外出注意は2週間ぶり、外出禁止に至っては最後に出されたのは9日の11時19分ですから18日振りとなります。
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(これで何度目でしょうか?おなじみのものです) |
季節的には真冬の時期はとうに過ぎているわけですが、まだまだ南極らしい天候が継続しています。ここは四季の季節の節目が当然ないわけで、極端に言いますと「夏と冬」「暖かい季節と極寒の季節」しか存在しないところなのです。ここはやっぱり南極だったのですね・・・
それでも、季節が多少なりとも「夏?」暖かい季節に向って動いています。その一つに日の出・日の入りの時間。もう一つは、オーロラの観測時間がどんどん短くなっていることです。白夜の時期に比べたら今は約4時間程度になっています。
そうこうしているうちに、私たちの帰る時間が刻一刻と近づいていますが、早く帰りたい気持ちともう少し残っていたい気持ちが入り乱れ始めているところです。実際に昭和基地を離れる来年の2月1日にどんな気持ちになっているのでしょうか・・・
26日にスカルブスネスに出発した旅行隊は天候の崩れを計算して、早い時間にスカルブスネスを出発し、多少、視程が悪くなってきたものの夕方に無事、帰着することが出来ました。帰ってきた隊員に湧出量計のことを聞いてみると、30cm程度凍っていたらしく、無事回収できたそうです。
さて、明日は火災訓練が行われるということを小耳に挟んだのですが。この訓練も1月に一回のペースで行われています。今月で8回目となりますが、訓練終了後には各班で反省点を見つけ、ステップアップを図っています。いつ何時火事が起きてもすばやい消火体制が取れるように日々訓練しているのです。
さて、みずほMT探査旅行隊ですが、こちらも悪天候の影響が出始めており今日の観測はなんとか無事に終了したものの、視程が悪くなってきおり、これ以上悪化すると停滞する可能性ありということでした。無理をせず頑張って下さい!!
(天候:雪一時晴後吹雪・最大瞬間風速:36.1m/s・気温(最高:-10.5℃ 最低:-18.0℃)(日出5:45 日入18:45))
今日は、毎月恒例の誕生会が開催されました。が、もう一つのイベントとして中継拠点旅隊安着祝いも同時に行われたのでした。
まず、今月10月生まれの隊員が3名。偶然にも女性隊員2名と最年長で越冬経験が今回で3回目のスーパー親父と呼ばれている隊員(北海道出身)が該当者です。その中の一人(女性隊員)が本日、まさに誕生日となっていました。そのせいかどうかはわかりませんが、いつも撮影している誕生会該当者のみの記念撮影には、いつもの3倍近くのフラッシュがあちらこちらで・・・。
今回はテーマソング(好きな曲)を本人達に選んでもらい、その音楽をバックに入場です。クラッシックからヘビメタ、そして日本人の心の「ど演歌」で入場です。いつものようにハッピーバースディの合唱かと思いきや、これもおしゃれなハッピィバースディソングのBGMで、手作りのケーキに立てられたろうそくを吹き消します。会場の雰囲気?ではなくフラッシュが最高潮に達したのでした。
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(誕生会の主役です) |
その後、もう一つの主役である中継拠点旅行隊の入場です。これも旅行中雪上車の中でよくかかっていた演歌をBGMとしての入場です。入場の際には、「激」の旗を持っての入場です。この旗は、出発前に全員が心を込めて記入した旗です。旅行隊のリーダーが必ず雪上車の外に掲げて前進すると明言し、実行された旗は、旅行中の壮絶さを物語るように3分の1が破れてしまっており、改めてこの旅行の厳しさを垣間見ることが出来ました。その気持ちがこもっている旗を持ったリーダーを先頭に、入場テーマソングと同時にさっそうと入場してきたのです。
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(ちぎれてしまった「激」の旗) | (リーダーの感動的な話でした) |
その後一人ずつ旅行を終えての感想を一言ずつ話してもらいました。ほとんど全員が辛く苦しかったけれど、いい旅行を経験したと言っていたのが印象的でした。
最後にリーダーが感想を話しました。「昭和基地に着いたときに最初にみた通信担当隊員と言葉がないまま、顔を見つめあった後に抱き合ったことがとても感動的だった」と・・・実際には言葉が必要なかったらしいです。特に通信隊員とは40日間、毎日定時交信を行って毎日異常が無いか等交信をしていましたので、なおのこと感動が込み上げてきたのではないでしょうか。そのせいでしょう、言葉は必要なく眼がお互いの気持ちを表現していたに違いありません。
この中継拠点旅行を通じてこのメンバー6名が一回りも二回りも大きく見えたのでした。(私も同行したかったなぁ~)
さて、みずほMT探査旅行隊ですが、昨日からの悪天候により10時30分頃まで停滞をしていたそうですが、その後回復し昼過ぎには移動を開始、次の観測ポイント向けて出発。15時過ぎにそのポイントに到着し観測を開始したそうです。
あともう少し頑張れ~!!
(天候:曇一時吹雪後時々晴・最大瞬間風速:17.1m/s・気温(最高:-15.9℃ 最低:-27.9℃)(日出5:33 日入18:53))
今日の13時30分より、毎月の締めとしての恒例の全体会議が開催されました。この全体会議も2月に越冬交代をして以来、早いもので8回を数えるところまできました。みずほ旅行隊の4名は別として、33名が一同にかいするということは今回が最後となります。来月の中旬には、ドーム隊6名が出発する予定になっており、また野外オペレーションが10月に入ると目白押しに計画されています。
全体会議はいつものように、部門毎の当月の報告、来月の予定、さらには内規、規則に関すること、野外行動計画の調整とここまでは例月どおりでしたが、いよいよ越冬庶務終了までの流れや47次隊とのオペレーションや依頼項目など47次隊を視野に入れた議題が多くなってきています。こんなところにも私たちの残りの越冬生活の秒読みが開始された一端が出てきているのです。
昭和基地での全体会議はあと、4回を残すのみとなりました。
さて、みずほMT探査旅行隊ですが、快晴特有の低温でマイナス41.7℃で風が8m/sという厳しい条件の中での観測だったそうですが、順調に進んだそうです。この観測はポイント毎にMT観測装置を設置し、観測、データ収集、撤収、次のポイントへと移動、これの繰り返しを行なっているのです。ちなみに今日のポイント間の移動距離は62kmだったそうで・・・頑張りました!
観測も順調に進み、この分だと帰着予定は10月9日と予定通りになりそうだということですが、このままの好天が続いてくれるといいのですが、南極の天候はあっという間に変化をしますので、何とかこのままでと祈っています。
(天候:晴・最大瞬間風速:17.1m/s・気温(最高:-15.9℃ 最低:-27.9℃)
(日出5:45 日入18:45))
昨日は恒例のBAR開店で、21時になると「営業してます」という放送が流れるのですが、いつもと放送内容が変わっていたのです。「今日はいつものBARではなく旧BARで営業します」。この旧BARとは正式には「旧食堂棟」という名称で、1次隊に建設され8次隊まで主屋棟として使用され、9次隊から管理棟が新たに完成した34次隊まで娯楽棟(BAR)として使用された建物です。
現在は管理棟の横にひっそりと置かれている建物。いつかこの場所でBARを営業しようという話はあったのですが、来月中旬にドーム旅行隊が出発しますし、10月に入ると多くの野外活動が計画されていますので、この時を逃す訳にはいかないとばかりに、1日だけの営業が行われたのです。防火区画Bの玄関を開けると、通路沿いに何やら怪しげな赤いライトが点々とついており、入口まで案内してくれています。その怪しげなライトに引き込まれるかのようにBARの入口を開けると、羽毛服を着込んだ隊員が大勢居るでは有りませんか。寒さも何のその、このBARの雰囲気、そして数々の歴史の空間に入り込んだかのような雰囲気で楽しく過ごしたのでした。過去の諸先輩の皆さんはどんなことを思いながらグラスを傾けていたのでしょうか・・・何かロマンを感じます。
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(雰囲気は最高ですね。左下が旧BARです) | (中はこんな風でした) |
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(寒いけど楽しそうです) |
それにしても風呂上りに行ったのですが、最初のうち、寒さはそれほどではなかったのですが、徐々に体の芯から寒気が・・・ずいぶん頑張ってみたものの、寒さに耐えられず1時間余りで引き上げたのでした。
準備をしてくれた皆さん、お疲れ様でした。
さて、みずほMT探査旅行隊ですが、天候は晴、気温マイナス37.2℃、風5m/s。次の観測ポイントH293地点をめざし9時45分に出発し、12時36分到着。早速MT観測装置を設置し観測を開始。平行して雪上車の整備も行なったそうです。
第46次日本南極地域観測隊 越冬庶務 近江
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