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(天候:晴・最大風速:7.2m/s・気温(最高:-3.9℃ 最低:-6.6℃))
3月に突入。月が変わるということは、「月例報告」の作成が始まります。
この報告書は1ヶ月間の観測、活動を詳細にわたり文章にまとめ、極地研究所に報告するというものです。1ヶ月の成果といったところでしょうか。観測計画と照らし合わせて、達成出来たことや未達成の項目が一目瞭然になります。隊員は必死になってただいま、作成中です。
私はこの報告書を取りまとめなければなりません。「早く皆さん提出を」と催促をしています。
最近、庶務室(私の勤務先)では「知恵の輪」が多少のブームになっています。
きっかけは、食堂にある棚の整理をしていたら、知恵の輪がひとつでできまして、久ぶりにと自席に持ち帰り格闘していたところ、同部屋の隊員から日本から持ち込みましたと4つほどの知恵の輪が持ち込まれました。これが難易度6という最上級クラスで相当に難しいながら、一人でこそこそ?と取り組んでいたところ、噂になり数人の隊員も「はまり」始めました。息抜き、リラックス目的の知恵の輪が、今では「イライラの根源」となっています。
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(イライラの根源!?) |
(天候:晴後曇・最大風速:5.4m/s・気温(最高:-6.6℃ 最低:-12.2℃))
これがオーロラ?・・・昨日の深夜、オーロラが出てるという情報で外に寝巻きのまま飛び出しました。夜空には何やら白い雲状のものがカーテンのようにひらひらと動いています。これがオーロラ?私の目には色が付いているようには見えません。周りに居た隊員に「色付いてる?」と聞いたら「あまりついてないなぁ~。でも少し裾のほうは緑色っぽいかな?」肉眼で見ると色は見えづらく、また光が弱いと白くしか見えないときがあるそうです。これが私の人生での初オーロラとなりました。もう少し自分の中でのオーロラは「色が鮮明に赤、緑など色とりどりで夜空全体をカーテン状のものが覆って幻想的なもの」なんて勝手に思っていましたので、多少ガッカリ?でも、これがまさにオーロラです。しばらく寒さ(マイナス10度)を忘れ、見ていましたが、カメラは?ビデオは?私の両手は何も持ってないじゃありませんか?急いで取りに行き、さあー写すぞぉ~とモード等一切考えずにオートでシャッターをバシャバシャと・・・ビデオもとりあえず写してみましたが、部屋で撮影結果を恐る恐る確認。やっぱり真っ黒・・・予想通りの結果になりました。残念・・・
何人かは写真が撮れましたと報告があり、見せてもらいましたが、綺麗に写っているではありませんか。色は付いていないように見えたものが、緑色のカーテン状のまさにオーロラが写っています。自分のカメラに対する認識、不得意さが露呈・・・
次こそは、絶対綺麗なオーロラをと思ってカメラの取扱説明書を探しています・・・?
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(隊員A、B氏より頂いた写真) |
(天候:吹雪・最大風速:15.4m/s・気温(最高:-3.5℃ 最低:-8.6℃))
色鮮やかな着物を着た二人の女性が・・・一瞬の目の錯覚?それとも妄想?
なんて、今日は、ひな祭り。女性隊員が着物を着て夕食に現れたのでした。「おーっ!!」どよめきにも似た低い重低音の歓声?が食堂に響き渡ったのと同時に、カメラのフラッシュがあちらこちらで始まり、最後は隊長を挟んでの撮影会に変わりました。少しの間、華やかな時間となり、夕食が盛り上がりました。
ちなみに、この撮影会のために、女性隊員はかなり長い時間、食事が出来ませんでした。お疲れ様でした・・・
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本来は、この日の夕食の主人公になるであろう、数週間前に仕込みをしていたビール係手作りの第1号ビールが振舞われたのです。サーバーの調子がいまいちで、サーバーからでてくるのは、泡、泡、泡・・・肝心のビールがなかなか出てきません。やっとのおもいでジョッキーに注がれたビール。
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(泡・泡・泡・・・) |
味の方はというと、少し熟成期間が短かった(ひな祭りに出荷をあわせたため)のが影響したようで、ビール特有の苦味より甘さが出てしまいましたが、 それもよしとしましょう。記念の第1号出荷です。ビールのネーミングはビール係が知恵を振り絞って考え出したのが「ショワッチビール」。昭和にひっかけました。
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(ショワッチBEER) |
ラベルの模様も秘密裏に撮影され、出荷まで誰にも情報が漏れないように秘密にして、準備万端かと思いきや、泡・泡・泡・・・
この次の出荷は、同じ失敗を繰り返さないように工夫をしておいしいビールを出荷する予定です。
(天候:晴後一時曇・最大風速:11.4m/s・気温(最高:-7.1℃ 最低:-8.6℃))
マッスルクラブ会員大活躍!!
今日は第3回目の島内一斉清掃が行われました。過去2回で基地周辺は見違えるように綺麗になったのですが、まだ取り切れていない場所がありましたのでそこを重点的に、総勢30名ほどの参加で、大型ゴミのドラム缶や木くず、その他びん、缶などトラック3台分を収集しました。
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(一斉に開始) | (後ろが私です) |
ドラム缶は空とはいえ、かなり重く、また足場が露岩でゴツゴツ、まして坂道で、ゴミを運ぶ距離は100mほどと、微妙な距離です。隊員は息をきらしながら運んでいます。私のほかに元気のいい、力自慢?の隊員数名は、ドラム缶を一人で持ち上げ、黙々とその坂道を歩き運んでいます。顔ぶれを見ると、全員が毎日トレーニングをしているマッスルクラブ会員ではありませんか。私自身、一気に休むことなく運びきることができていますので、少なからず成果は出ているのでしょう。他の隊員から「さすがマッスルクラブ」なんて褒められましたが、普段は役に立たない筋肉なんて言われていましたので、今日のところは十分に役に立っている筋肉として、存在感をアピールできたと自分自身、鼻高々(単純なもんですから・・・)の一日でした。
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(本日の収穫?) |
この清掃に関しては、46次隊としての行動実施計画で「昭和基地周辺の環境保護とクリーンアップヵ年計画」の初年次であり、重要な柱として位置づけられ、約200トンの廃棄物を持ち帰ることにもなっています。
今回で3回目となりましたが、私たちが昭和基地に来た3ヶ月前とは比べ物にならないくらい綺麗になりました。これから、降雪によりゴミ収集が出来なくなりますが、ゴミは出来るだけ出さないことを今後、心がけていかなければならないことを改めて肝に銘じたのでした。
(天候:曇・最大風速:12.4m/s・気温(最高:-4.4℃ 最低:-9.0℃))
本格出荷が間近!かいわれ、もやし量産体制整が整い、農協係が本格的に始動しました。「かいわれ」と「もやし」とを失敗を繰り返しながら試行錯誤で組合長とその部下1が栽培方法を極めました。その栽培方法を農協組合員20名を集めて伝授をしました。とにかくポイントは水の量です。どちらも水の量で成功するかどうかが決まります。「かいわれ」は栽培を開始して4日間は、光をあてないで8時間ごとに水を適量与え、その後3日間は光をあてて霧吹きでこれも8時間ごとに水分を与え、1週間で出荷となります。もやしは水の量を間違えると即、腐ってしまいますので慎重に取り扱わなくてはなりません。こちらも8時間ごとに水分を与えます。もやしのほうが光に敏感で、少しでも栽培途中で、必要以上にあたってしまうとすぐに芽を出してしまいますので、栽培場所はなんと「暗室」で行うのです。どちらも出荷するまでに相当手間をかけなければなりませんので組合員は二人一組になり責任を持って栽培します。その努力の結果は、1週間後の製品を見ると一目瞭然です。手を少しでも抜いたりすると結果に現れますので、農協組合員は手塩にかけて良い製品を出荷すること、そして出荷できることを祈ってます。ちなみに私の当番は来週ですので、皆さんのお手前を拝見しておきたいと思います
(天候:晴・最大風速:3.5m/s・気温(最高:-2.7℃ 最低:-8.8℃))
今日は、久しぶりの晴天、快晴、無風、気温もさほど冷えていない穏やかな天候となりました。
午後から「JAREパック」と称されています島内観光ツアーが開催され、私も参加をしました。約2時間程度の観光で、まだ一度も島内全般をゆっくり回ったことがありませんでしたのでゆっくり見て回ることができましたが、しかしこの「JRREパック」は過去数回企画され、実行されていますが主催している隊員が環境保全担当ということで、必ずといっていいほど参加者は帰り道に廃棄物を持ってくるということがセットになっている恐怖のツアーと恐れられています。しかしながら、今回は主催する隊員が「純然たる観光です。」と真面目な顔で募集をしていましたので安心して参加したのです。
その言葉を信用した約10名が出発しました。
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(元気に出発) | (すばらしい眺め) |
すばらしい天候のため景色も、太陽の日差しを浴びてさらに綺麗に目に写ります。しばらくすると、ペンギンの足跡がありましたが。別に足跡は珍しくはないのですが、雪すべりをしたような跡がありペンギンもこんな遊びをするのかと参加者全員が驚嘆しながら写真を撮っていました。
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(腹すべり?) | (遊び上手なペンギン) |
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(歴史と厳しい自然環境を感じる) |
ツアーもいよいよ後半というよりゴールが見えてきました。今日は純然たる島内観光は嘘では無かったんだとほっとしていましたら、何かドラム缶が整然と並んでいるのが目に飛び込んできました。まさか・・・と思いながら近づくとなんとドラム缶数本の他、大型の木のゴミが並んでいます。それもこちらで重いものを運ぶときに使う「しょいこ」がすべてに取り付けられているではありませんか・・・
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(やっぱり・・・) |
参加者は愕然と言うかやっぱりというか後は笑うしかありません。最後の最後に落ちがついていました。企画した隊員に話を聞くと、朝の5時にすでにこの場所で用意をして手ぐすねを引いて待っていたんだと・・・
やられました!でも、ゴミ収集は私たちの業務にひとつになっています。それと遊びを旨く融和させながらゴミ収集をするという技法?観点に敬服をいたしました。さすが環境保全担当と感心をさせられた、有意義な観光ツアーとなりました。ここは南極です。何でも工夫が大切です。
(天候:晴・最大風速:11.7m/s・気温(最高:-3.8℃ 最低:-8.0℃))
今日も、晴天、快晴、すばらしい南極日和になっています。と庶務室の窓から眺めていました。というのも月例報告の取りまとめやら、事務的なこまごまとしたことがありましたので、外には行けず、窓から眺めるだけの一日となりました。この南極は管理棟の中にいて業務をしていたら、なんら日本での生活とほとんど違いがないくらい環境が整っています。だからこそ、外に出て南極を肌で感じなければなりません。目に映った全てのもの、耳で聞こえてくる数少ない音、鼻で感じる匂い、肌で感じる感覚、手で触った感触など、五感全てで感じ取っていかなければなりません。二度と来ることが無いであろうこの南極の全てをたくさんの人に伝えていくためにも・・・
昨日もオーロラが出ていました。私のデジカメではいまだに真っ黒なものしか写りませんので、何人かの隊員が撮影したすばらしいオーロラを写真で、その神秘的な美しさを伝えて生きたいと思います。しかし、私のカメラオンチは困りました。たぶん、それなりの撮影は出来るとは思うのですが、いかんせん操作方法が難解で、困っています。何とか対応策を考えたいと思っています。
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(すばらしい・・・の一言) |
(天候:晴・最大風速:4.0m/s・気温(最高:-2.2℃ 最低:-10.1℃))
日本を出発して早、3ヶ月が過ぎました。私を取り巻く環境は、東京勤務(単身で生活をするのが始めて)から激変しました。まず食生活がなんといっても変わりました。仕事が忙しくなり、夕食をとる時間がついつい遅くなり、面倒になってコンビニの弁当、カップラーメン、たまに食堂でラーメン・・・挙句の果ては、夕食抜きなんてこともあり、3~4キロは痩せました。しらせに乗ってからは、身体をあまり動かさないのにどんぶりでの食事で、しかも海上自衛隊の高カロリーの食事ですから、東京で痩せた分は確実に戻りました。
また、昭和基地に来てからは、かなりボリュームのある「夏オペレーション」をこなしましたから、また痩せてしまいました。
2月1日の越冬交代をして管理棟での生活になり、ようやく落ち着きを取り戻して生活をするようになりましたが、やはり37名で食事をするわけで、ついつい食べ過ぎてしまいます。
このように、東京での5ヶ月、昭和基地に来てからの3ヶ月、合計8ヶ月の中で、相当、ストレスが蓄積してきているはずです。そこで来週、第1回目の健康診断が実施されます。検査項目は、血液検査、検尿、血圧測定、胸部レントゲン撮影となっています。これから約1年間の越冬生活を無事に健康で過ごし、この昭和基地を47次隊に引き渡すことが重要な任務になっていますので、身体の変化、コンディションをこの健康診断でチェックをします。
何事も無ければいいのですが・・・ちょっと不安・・・
(天候:晴・最大風速:4.9m/s・気温(最高:-2.3℃ 最低:-12.6℃))
今日も朝から快晴ですばらしい天気になりました。気象隊員によると明日10日より天候がかなり崩れるとのことですが、全くその気配すら感じさせない好い天気です。久しぶりに外作業を手伝おうと思い、朝から環境保全担当の業務を手伝いました。
廃棄物保管庫とその周辺の整理というか、来年、持ち帰る廃棄物を詰め込んでいるスチールコンテナの整理、移動を行いました。このスチールコンテナに詰まっている鉄くずは、前次までの隊が持ち帰り用に迷子沢に集積した自動車、雪上車などの大型廃棄物を小さく解体したものを綺麗に詰め込んでいます。ひとつの大きさは、2.5m四方くらいですが、重さは平均2トンくらいあり、それをクローラーフォークで一つ一つ運び保管庫の中に積み上げていきます。また、ダンボール、プラスチック等の不燃物の入っているタイコン(大きな袋)の移動、複合物等を詰めているドラム缶なども併せて整理しました。
このように、ゴミ、廃棄物の整理をするたびに排出される量の多さにはビックリというよりは感心させられます。こんな小さな限られた人数しかいないこの昭和基地でこれだけの廃棄物が出るんですから、日本でゴミ問題が深刻というのがつくづく実感させられます。
できるだけゴミを出さないようにと考えながら今後、生活をしていかなければなりません。この思いを日本に帰っても忘れないようにしたいと今は思っているのですが・・・・
(天候:曇後雪・最大風速:15.2m/s・気温(最高:-0.8℃ 最低:-7.7℃))
やはり、天気予報が当たりました。今日は朝から風が、軽く20m/sを超え、平均して吹き荒れました。雪が伴っていなかったため吹雪にはなりませんでしたが、一日中、地吹雪模様でした。これで雪が降り視程が悪くなると外出注意となりますが、そこまではいきませんでした。最近はこのような荒天が多くなりました。季節は間違いなく冬に向かっています。
さて、オーロラが3日間ほど続いて出現しています。昨日は渦巻状のものが出現し、肉眼ではよくわかりませんが、赤い色が付いていました。(写真を見て確認)この素晴らしいオーロラ、ノルウェ-では「悪魔の仕業」として忌み嫌われているそうです。オーロラが出ると戸外で遊んでいる子供たちは急いで家の中に入ってしまうそうです。その国の言い伝え、習慣は随分違うんですね~
私たちはここぞとばかりフル装備で一斉に外に飛び出します。
このオーロラの解明は長い間、研究者によって行われていますが、完全な解明には至っていません。だからこそ神秘的な美しさを持ち続けている「オーロラ」なのです。全てが解明されてしまってはオーロラでは無くなってしまいそうです。(研究者には悪いんですけど・・・)
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(色とりどりの妖艶なオーロラたち) | |
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(特殊レンズで撮影したようです) |
(天候:雪・最大風速:18.8m/s・気温(最高:-0.5℃ 最低:-1.5℃))
今朝起きたら、背中に激痛が・・・
昭和基地に来てからほとんど毎日(何回かは休みました)ダンベルを使ったトレーニングをしています。徐々に重さを加えて行き、今は相当の?重量のダンベルでトレーニングしています。その他には腹筋、腕立て伏せ、エアロバイク等、時間にして約1時間弱、汗をかいています。そのトレーニングの疲労の蓄積が背中の筋肉を襲ったのだと思います。昨日は少し回数を増やし行ったことと、寝る前にも腕立て伏せ2セットをしてから就寝したのが運のつき・・・案の定、起きたら左肩甲骨の周りの筋肉が悲鳴を上げています。少しオーバーワーク気味のトレーニングの結果です。筋肉も少し?年齢をとったのでしょうか・・・悲しいです。しばらくは軽いトレーニングにしていきます。
さて、本日は恒例の「金曜ロードショーわ」が開催されました。毎週金曜日にAV係が日本で厳選して購入してきたDVDを上映しています。毎回12~3名が鑑賞に来ています。同時にソフトクリーム係(私が所属してます)が自慢のソフトクリームを提供します。本日のテーマは「大人の渋い恋」と題し、ストロベリーをベースにバニラ味をブレンドしラム酒を多少加えて出来上がり。味はというとなかなかの出来栄え?映画を鑑賞しながらソフトクリームを食べるという金曜日の夜の一幕なのでした。
(天候:雪一時曇後時々みぞれ・最大風速:11.0m/s・気温(最高:-0.2℃ 最低:-1.8℃))
今日より「もやし」栽培当番。昨日の夜に仕込み(もやしの豆を水にひたして準備万端。)も終え、今日から一日3回(8時間毎)水の交換を18日まで行い夜に出荷となっています。是非すばらしい「もやし」を出荷して新鮮で愛情の詰まったもやしを食べてもらうように頑張って栽培をしていきたいと思っていますが、成果はどうでしょうか・・・
さて、今日は休日日課。毎月第2土曜日の休日日課にスポーツ大会が開催されます。先月は我がチームがドッチボールを制しましたが、今回の種目は「サイコロ駅伝」。サイコロを振って行き先(各観測棟が中心)が決まりそこまで全力疾走で行き、そこに置いてある封筒(ケンダマ大皿2回乗せる、サッカーボール3回リフティング、ねじ回し、バットぐるぐる回り、はずれ等などが書かれている)をスターと地点に持ってきてそのゲームをしながらタスキをリレーしていくまさに「駅伝」です。
4チームが一斉にスタート。第1走者がそれぞれの場所に散っていきます。
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いきなり「はずれ」(もう一度同じところに行ってくる)をいきなり引いてしまったチーム、すぐ目の前の工作棟(約50M)に連続で行くチームなど様々。
結局、我がチームは最下位となりましたが、仮装を中心としたコンセプトで臨み見事に盛り上がりをゲットしましたので一応満足しています。次は何を狙っていこうかとすでに計画を練っています。
(天候:晴・最大風速:5.8m/s・気温(最高:-1.3℃ 最低:-9.8℃))
今日は午前9時半すぎから、長野県信濃町とテレビ会議を行いました。これは信濃町の子ども教室「南極を見に行こう」という企画の中で行われました。
これで4回目のTV会議ですから、出演する隊員は多少慣れてきましたのでいかに解りやすく写真、ビデオを使って答えるかを重点的に考えて構成をしています。解りやすく説明しようとすると、話を詳細にしなければなりませんが、そうすると専門的になり小学生では少々難解になってきます。そこで、写真、ビデオを使うのですが、これもできるだけインパクトのあるものを大量のストックから選び出さなければなりませんし、もし適当なものがなければ、撮影に行かなければなりません。伝える側の難しさを味わっています。
ちなみに総合司会は私でしたが、出来は「イマイチ」といったところでしょうか。この会議の最後に子供たちに「思い続ければ夢は叶う」というメッセージを学校の教員の職で参加している隊員より4つの大切な心掛けが伝えられました。
(1)アンテナを張っておくこと(情報を吸収するため)(2)心と身体を健康に保つこと(3)巡ってきたチャンスを逃さないこと(4)人との出会いを大切にすること。この4つのメッセージを子供たちにわかりやすくそして熱い気持ちなんですがソフトに伝えていました。この思いは子供たちだけではなく私自身も持ち続けなければならないと改めて思い知らされました。「終わりよければ全てよし」この中継に華を添えたものとなるすばらしいメッセージでした。感動しました。
また、このように全国のいろいろな地域と交流するたびに、ホームページを探します。こういう機会がなければ見ることがありませんので、その地域の規模や特徴を調べます。これもいい勉強になります。これからも沢山のいろいろな地域との更新が計画されていますので、広く浅く検索していきたいと思ってます。
ちなみに信濃町は、長野県の北部に位置し、野尻湖を中心としたすばらしい自然環境にかこまれ、人口1万人余り、ナウマンゾウや俳人の小林一茶の生誕の地として有名です。(詳しくはHPを参照)
また、今日の午後から、最後のJAREパック島内観光ツアーが開催されました。一応これで最後のツアーとなるらしく、今回は最後に残されたゴミを持ち帰ることを募集時点で公言していましたので、不意打ちの廃棄物運搬ではありませんが、なんと15~6名の参加者が集まりました。前回同様、快晴、無風という絶好のコンディションでスタート。前回よりコースは長めに設定してあり、また違ったオングル島を見つけることが出来ました。
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(すばらしい氷山) | (最高の天候) | (ペンギンも歓迎?) |
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(ご指名です) | (最後の苦しい上り坂) |
いよいよ終盤にさしかかり、思った通りに廃棄物が用意されていましたが、今度は名前付です。渡邉越冬隊長と私の分が明確に区分けされていました。最後ということもあり重量はサービスで重くなっていましたので、途中で交代しながら運びきることが出来ました。総重量約350キロの廃棄物となり、最後のツアーにふさわしい収穫?とさわやかな汗が気持ちよかったツアーとなりました。
(天候:晴後一時曇・最大風速:10.9m/s・気温(最高:-3.9℃ 最低:-6.6℃))
今日は越冬交代後3度目の発電機の切り替えが行われました。昭和基地には2つのディーゼル発電機(400V、300kVA)があり、通常は1基が作動しており500時間毎に点検を行うために切り替えを行います。この発電機は昭和基地の心臓といっても過言ではありません。基地の生活、業務全てに電気が必要で、なくてはならないものになっています。これは日本での生活でも同じですが、現在の昭和基地で電気がストップしてしまえば、業務どころか私たちの生命に関わります。
基地の暖房は温水暖房、電気暖房で賄われていますが(油焚き暖房もあります(主に観測棟の一部))電気が完全に止まるとこの暖房が全て作動しません。となると、建物の中とはいえ外気温がマイナス30~40度の厳しい環境を乗り越えられるかどうか・・・
日本に居る時には、ちょっとした停電でも右往左往してしまったり、電力会社に苦情の電話を入れ、「後、どれくらいで直るの?」なんて人任せのようにしていましたが、この昭和基地では電力会社が供給していませんので、発電機担当隊員の手に37名の命が掛かっています。(おおげさではありません)
いずれにしても、この2台の発電機が故障しないように、機械担当の隊員が日々整備をし、監視をしています。発電機担当隊員、よろしくお願いしますと同時に私たちも発電機に余計な負荷かけないように日々節電を心がけています。
(天候:曇一時晴・最大風速:16.5m/s・気温(最高:-3.0℃ 最低:-14.4℃))
最近は出来るだけ業務を片付けてから、屋外作業の手伝いをするようにしていますが、午後から機械隊員のプロパンガスの取替え作業、厨房器具の取替え、未整理だったスチールコンテナの整理などを手伝いました。私のマッスルクラブで鍛え上げられた肉体から発生する「パワー」(某隊員から無駄な筋肉と呼ばれています)を十分に活用できたと自負しています。
さて、私達「南極観測隊」の本務である様々な観測は毎日粛々と行われています。GPS受信機を海氷上に設置し海氷潮汐観測、大気中の二酸化炭素、メタン、一酸化炭素、エアロゾル等の観測、地磁気観測、そしてオーロラ観測等まだまだ多くの観測が行われていますが、「地磁気」について少し記載します。
地球は「磁石」である。N極、S極は学校で学習はしましたが、この磁石は長い年月をかけて徐々に変化しています。磁極の位置もじわじわ動き、N極とS極が入れ替わったり、磁場が極端に弱かった時期もあるそうです。そのため今はオーロラが昭和基地で見ることが出来ますけど、昔は中国でも見られたり(古文書に記録が残っている)、海底では地球磁石のNS極の入替わりによって出来たであろう北と南に交互の縞模様が観測されたりしています。これにより大陸移動説の決定的な証拠にもなったそうです。また磁場が弱まった時に氷河期が訪れ、恐竜も絶滅しまったなんていう説もあるそうです。
最大の重要なことは、地磁気が太陽からの「太陽風」(電子や陽子のことで荷電粒子ともいう)から守ってくれているということです。もし、この太陽風が直接地表上に到達すると全ての生命は生きることが出来ません。私たちが生きていられるのは、この磁気が地球を取り巻いて太陽風の侵入を防いでくれているおかげです。
このように「磁力」はこの地球にとって非常に重要なものであり世界的に多くのポイントで正確に観測し、詳細な分布・変動を測定しているのです。
このような地球規模での重要な観測を担っている「南極観測隊」なのです。
(天候:曇一時雪・最大風速:17.3m/s・気温(最高:-0.5℃ 最低:-7.0℃))
46次夏隊がこの昭和基地をはなれて約1月余り、そろそろシドニーへの入港が間近となっています。しらせに乗り込んで1ヶ月以上も海の上で生活をしていましたから早く上陸したいだろうと思います。「行きはよいよい帰りは怖い」ではありませんが、昭和に来るときは精々22度程度の揺れだったのですが、帰りはなんと40度を越える揺れがあったそうです。何方かは、椅子に座ったまま宙を舞ったなんて言う話を小耳に挟みましたが、やはりそう甘くは無かったんだと思っているに違いありません。でもそれもあと僅か、シドニーに上陸して1週間後の3月28日には成田空港に到着をします。
45次越冬隊の皆さんは、果たして今、どんな気持ちでいるんだろうと思います。日本を離れて約1年5ヶ月ぶりに帰国です。様々な思いを一杯詰め込んでしっかり日本の地を踏みしめるんだろうと・・・私自身も来年の今頃、どんな気持ちで、どんな思い出をもって帰るんだろうと考えますが、その場になってみないと正直、よくわかりません。でも、私の人生にとって何事にも変えがたい経験になるであろうこの昭和基地での生活の一日一日を、しっかり胸に刻み込んで行きたいと改めて思っています。
さて、ビール係として、ビールはもちろんですが、ワイン、どぶろくも仕込みを行います。ワインは既に仕込みを終え寝かしている状態で後は出荷を待つだけになっています。どぶろくはこれから仕込みをするわけですが、そのワインとどぶろくの名前を決める打ち合わせが行われ、結局、どぶろくの方は、「雪波」
ワインは「ホワイトコンチネント」に決定しました。この「雪波」は「さすつるぎ」と読み、南極特有の風が雪面を削って作り出すもので、雪面上にちょうど波が立っているように見えるためこのような当て字になったと推測されますが、ちなみに私が提案したものなんですが、丁度、いろんな本を読んでいたらこの言葉を見つけまして、その瞬間これしかないとピーンときて、提案してみました。果たしてどんなどぶろくが出来ますかお楽しみといったところです。
今、熟成中のワインを少し味見してみましたが。それなりの味になっていました。ビール、ワイン、どぶろくは全てセットで販売されています。説明書のとおり作れば誰でも作れますが、作成しているときの環境(温度、湿度等)によって変化するらしいですから、出来て見てのお楽しみといったところでしょうか。
(天候:晴・最大風速:5.6m/s・気温(最高:-6.5℃ 最低:-13.8℃))
いよいよ明日は計画停電が行われますので、各部門では、電源周りの確認を始めとする最終チェックを行っていました。各部門の観測はほとんどがPCでデーター管理されていますので、停電、復電でどんな現象がPC上に出るかビクビクしています。通常では考えられないことが起こりうる可能性がありますので、このあたりもチェックをしなければなりません。一応45次隊よりある程度は引継ぎを受けてはいますが、所詮ペーパー上のマニュアルに過ぎず、実際にこのように電気を完全に切って練習をするわけにいかないものですから、さてどんなトラブルがおきますことか、ドキドキしている隊員もいます。出来うることなら何も無く無事に終了してくれることを祈ります。
午後からは、厨房のコンロ2台の交換作業(力仕事は必ずお呼びが掛かります)を行いました。現在使用しているコンロは壊れているところが45次隊で見つかり、調達意見を事前にもらっていましたので、今回の交換となったわけです。
いざ、取り替えるために新品のコンロ、ひとつが梱包のままだと140~150キロの重量があります。古いものをまず取り外し、新品と交換ですから4つを3階の厨房に人力で(2階まではユニックで吊り上げました)運び込むわけですから結構しんどいです。まして階段が思ったより狭く(コンロも業務用でかなり大きいのですが・・)気合を入れないと動きません。どうにかこうにか入れ替えを完了し真新しいコンロに変身!!
ガスの出具合が絶好調ですから、特に中華料理の時などは大助かりだと調理担当が話していましたが、その分プロパンガスが消費するので、気をつけないととも話していました。そうです。使い切ったら補充が出来ないのが昭和基地なんです。
(天候:吹雪・最大風速:16.8m/s・気温(最高:-2.1℃ 最低:-6.8℃))
「只今から、発電機の停止操作を実施します。」午前9時に予定どおり、計画停電が実施されました。
午前8時に各観測棟にスタンバイのために関係隊員が散っていき、準備を始め、8時30分にそれぞれの各観測棟より「主要電源を切りました」と次々に連絡が本部に入り始めました。
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(本部マニュアル) | (配電盤) |
本部は全ての電源遮断状況を確認し、いよいよ発電機の停止操作に。
マニュアルに沿って担当隊員が慎重に進めていきます。何せ基地の心臓部となる発電機を止めるわけですから自ずと慎重になります。この停電には電力量計2個の交換のために行ったものです。
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(遮断中) | (電力計の交換) |
9時に発電機を止めて交換作業し、午前10時、発電機を再起動。ここが一番慎重になるところで、一気に負荷が掛かりますのでここも慎重に行われました。
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(発電機チェック) |
無事、起動操作終了後、各棟に送電開始。各棟の隊員もここが一番緊張するところで、電源が入った瞬間にPCが異常を起こすことが多いそうですから、ここも慎重に行われました。
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(復電中) |
約2時間近く掛かりました計画停電。とりあえず無事?終了しましたがこれも、いざという時のための訓練にもなります。実際に起こらないことを願います。
(天候:吹雪・最大風速:21.0m/s・気温(最高:1.6℃ 最低:-4.4℃))
今日のイベントは、居酒屋とすし屋の開店です。二人の調理担当隊員がそれぞれ居酒屋(食堂使用)、すし屋(バー使用)に分かれ数名の隊員が手伝いに入り盛大に盛り上がりました(お腹も盛り上がりましたけど・・・)
居酒屋の料理は、調理隊員が作るものの他に、隊員の郷土料理の披露もありました。これは出国する前から郷土料理を作って楽しむという企画があり、それぞれの隊員がそれなりに用意はしていましたので、そのお披露目も兼ねていました。秋田の「きりたんぽ味噌田楽」、「秋刀魚の蒲焼」、「広島風お好み焼き」などなど。皆、一生懸命早い時間から仕込みをしていたようです。
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(書:近江) | (大盛況の居酒屋) |
私は、すし屋の手伝いのほうで、カウンターの中で板前見習い?で皿洗い、盛り付け、配膳、そして、寿司を握らせてももらいました。
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(書:近江) | (粋な3人の職人もどき・・・) |
衣装も職人用のものを貸してもらい帽子をかぶるとそれなりに見えます。また前掛けを締めると下っ腹がしまるのと同時に気持ちも締ります。
越冬後、本格的なにぎり寿司を食べるのは初めてで、他の隊員も待ちきれず開店前からカウンターは満席!!
本日の「ねた」は、しめさば、たこ、いか、うなぎ、中トロ、赤身、さば、いくら、甘エビ、きんき他数種類で盛りだくさん。下駄に乗せられた10個余りの寿司が5分程度であっという間に綺麗さっぱり無くなりました。追加の握りも次から次へと無くなります。「旨い、最高!」と大絶賛です。これだけ満足してくれて喜んでもらうと提供したほうもとっても嬉しくなるものですね。15時の準備から最後の後片付けが終わったのが21時頃。その間ずーっと立ちっぱなしでいましたが「おいしかったです。ご馳走様でした。」この言葉で、そんな疲れなど吹き飛んでしまいました。
このようなひとつの言葉ですけど、提供するほう、されるほうにとって、非常に大切なコミュニケーションであります。当たり前のことを当たり前のように言葉にして表現し伝えることの大切さを再認識しました。
この昭和基地で沢山のことを発見、再認識させられています。
でも、私の握ぎる寿司は「マッスル握り」と前評判?だったのですが大丈夫だったみたいです。あしからず・・・
(天候:吹雪後曇時々雪・最大風速:17.2m/s・気温(最高:-3.0℃ 最低:-4.5℃))
本日は休日日課。久しぶりに何も無い一日となり、昨日の疲れが残っていたため、少し寝坊をしました。11時からの昼食は、昨日の寿司や居酒屋で食べたものがまだ消化しきれずお腹が空かないまま昼食に突入。塩ラーメンとチャーハン!普段なら大盛りであっという間に平らげてしまうのですがさすがに・・・
お腹いっぱい!動くことが出来ません。しばらく休憩していましたら「本日、喫茶店の開店です。お彼岸につき、ぼたもちは強制です。」なんていう放送が・・。
14時過ぎに喫茶に美味しい紅茶だけのつもりで顔を出したのですが、案の定ぼたもちが・・・しかし一口サイズのかわいらしいものでしたが、おまけで手作りプリン、ゴマもち、アイスクリーム・・・お腹がはちきれんばかりとなり、とっても満足というよりは苦しい一日となりました。
このはちきれんばかりになったお腹を引き締めるために、トレーニングをいつもよりハードにしなくては・・・
また、今日の夕食後に健康診断の結果が個人に渡されました。「基準値が張り出されていますので確認してください。」とドクターから話されました。
自分も基準値と照らし合わせましたがどの数値も基準値内でほっとしました。
ドクターからは「大体の隊員については、基準値内で特に以上ありません」とのコメントも付け加えられました。基本的に健康でなければ、観測隊員としてこの昭和基地に来ることが出来ませんので、正常で当たり前なんですけどね。
第46次日本南極地域観測隊 越冬庶務 近江
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