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教育行政執行方針

令和7年度教育行政執行方針

令和7年(2025年)2月25日
稚内市教育委員会
 
 令和7年、第2回稚内市議会定例会の開会にあたりまして、令和7年度「教育行政執行方針」を申し上げます。
 
 生成AIの普及など情報技術の加速度的発展やグローバル化の進展など、社会情勢が大きく変化する中、国内外において、インターネットやSNSを通じて、アルゴリズムで選別された自分の好む情報のみを取得することになる現象、いわゆるフィルターバブルが、社会的な分断や対立の一因となっている可能性があると指摘されています。フェイクニュースを含め、様々な情報が氾濫する時代において、正しい判断をするためには、多様な考え方に触れ、情報の真偽を確認するなど、批判的な思考を大切にして、情報の偏りをなくし、異なる価値観を持った他者とも相互理解を模索する力が求められています。
 学校は、多様な他者に出会い、共感や軋轢の中でお互いを知り、他者とどのように共存するかなど、社会生活に不可欠な人間同士のリアルな関係づくりを学ぶ貴重な場です。分断や対立ではなく、平和と希望に満ちた明るいふるさと稚内を実現するためには、本市の宝である子どもたちが、自らの夢や希望に向かって、他者を尊重し、互いに協力しながら、持続可能な社会の創り手として成長することが重要であり、その実現のために、教育委員会としては、学校、家庭、地域の連携を一層強化しながら、本市教育の更なる充実に努めてまいります。
 
 以下、「第3次稚内市教育大綱」に基づき、4つの柱に沿って、重点的施策を申し上げます。
 
〇はじめに、1つ目の柱であります「こどもまんなか社会の実現に向けての家庭教育、子育て支援の推進」についてです。
 昨年6月に異次元の少子化対策として政府が打ち出した「こども未来戦略」で制度の創設が示されている「こども誰でも通園制度」につきましては、保護者の就労の有無や理由を問わず、0歳6か月から満3歳未満の未就園児が保育施設を時間単位で利用できる制度で、令和8年度から全国一斉に実施されます。
 この、「こども誰でも通園制度」のスムーズな導入に向けて、利用時間の設定や運営方法など、子育て世帯が利用しやすい制度となるよう検討を行い、本市が既に実施している他の子育て支援事業と併せ、子育て世帯のさらなる育児負担の軽減に取り組んでまいります。
 本市では、令和2年度に策定した「第2期稚内市子ども・子育て支援事業計画」により、子育て支援を総合的に進めてまいりましたが、令和6年度でその計画期間を終えることから、第3期計画の策定に向けて取り組んでいるところです。令和7年度からはこの計画に基づき、全ての子どもたちが健やかに成長できるよう、子育て環境の一層の充実に取り組んでまいります。

○次に、2つ目の柱であります「次代を担う人材の育成と地域とともにある学校づくりの推進」についてです。
 GIGA スクール構想により1人1台端末や高速ネットワークなどの ICT環境が整備されて4年が経過し、授業や家庭学習でのタブレット端末活用が日常となりつつあります。
 令和6年度には、新たにタブレットを活用したAIドリルを小中学校の全学年に導入し、活用してきましたが、令和7年度は、学習支援アプリなどと併せ、さらに効果的な活用を進め、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図るとともに、基礎学力の定着につなげてまいります。また、更新時期を迎えたタブレット端末を一斉更新し、より効果的な学習環境の整備を進めてまいります。
 部活動の地域移行について、本市では、令和6年6月に「稚内市立中学校部活動地域移行に係る検討会」を立ち上げ、部活動の段階的な地域移行を進めるための協議を進めています。
 子どもたちが将来にわたって、希望するスポーツや文化的な活動に継続して親しむことができる環境づくりを進めるため、地域の文化・スポーツ団体や総合型地域スポーツクラブなど、受け皿となる団体との協議とともに、生徒や保護者、部活動顧問の意向把握に努めながら令和8年度末までに休日の地域移行完了を目指して取り組みを進めます。
 教職員の働き方改革については、令和6年度に策定した「学校における働き方改革アクション・プラン」に基づき、教職員の意識改革や業務の効率化等、働き方改革に向けた取り組みを学校と共に進め、教職員の負担軽減を図ると共にやりがいを持って働くことができる職場となるよう取り組みを進め、教職員という職の魅力の向上に努めていきます。
 不登校児童生徒への対応については、多様な背景や困難をもつ児童生徒や保護者の不安に応じたきめ細やかな支援を行う必要があることから、各学校が関係機関との連携を一層強化しながら、組織的に対応できるよう努めてまいります。
 また、ヤングケアラーについては、今後の実態把握につなげるため、学校、家庭、地域と情報を共有し、早期発見、早期対応に向けて、関係機関及び教職員や児童生徒への理解促進の取り組みを進めてまいります。
 特別支援教育では、特別な支援を必要とする児童生徒への支援を強化し、学校管理職や特別支援教育コーディネーターが中心となり、教員の専門性の更なる向上に努めるとともに、一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援体制や適切な就学先決定に向けた教育相談等により、特別支援教育の一層の充実に努めてまいります。
 稚内中学校の新校舎及び体育館の改築については、令和7年度3学期からの供用開始に向け、工事を継続していきます。改築する稚内中学校の近隣にある稚内市体育館、通称「市民体育館」は、本年9月末で廃止を予定していますが、稚内中学校の新体育館が、夜間や午後の一部の時間帯に、各種大会をはじめ、一般に開放され、市民体育館の代替施設としての役割を担うことで、市民体育館を利用されてきた方々などに不安のないよう、対応してまいります。
 稚内初となる義務教育学校の開校に向けては、令和6年6月に組織した「義務教育学校開校準備委員会」が中心となり、新たな学校名や校歌等について検討しているところですが、今後は、稚内中学校と稚内中央小学校両校の教員等が中心となって、北地区の特色を生かした小中9年間の切れ目のない教育課程の編成や学校行事などについて協議を進め、令和9年4月の開校を目指します。
 学校再編につきましては、子どもたちにとって、より望ましい教育環境の構築に向け、検討を進めてまいります。
 児童生徒が学校給食の中で、望ましい食習慣の形成や地産地消、地域の食文化や自然の恵み等に対する理解が深まるよう、学校給食を「生きた教材」として活用すると共に施設の保守整備や衛生管理に留意しながら安全で安心な学校給食の提供に努めてまいります。
 また、学校給食費の助成を継続し、子育て世帯の負担軽減を図るとともに、食材費高騰に留意しつつ、献立に工夫を凝らし、栄養バランスが整った給食を提供できるよう努めてまいります。
 本市では、すべての中学校区において、コミュニティ・スクールの基盤となる学校運営協議会が立ち上がり、学校運営に保護者や地域住民が参画し、地域と一体となった子育て運動とともに、特色ある学校づくりが進められているところです。今後も、地域とともにある学校づくりを進め、未来を担う子どもたちの成長を地域全体で支えていくため、地域における子ども像を共有し、次代を担う「わっかない人」育成を目指すキャリア教育と一体的に進めることで、コミュニティ・スクールのさらなる推進を図ってまいります。
 
○次に、3つ目の柱であります「市民の学びを支える地域づくり」についてです。
 めまぐるしく社会構造が変化し価値観も多様化する中、年齢に関係なく、市民が生涯にわたって学び合い、その学習成果を地域社会へ還元しながら充実した生活を送るためには、学習意欲を持ち続けることが大切です。
 第10次稚内市社会教育中期計画に基づき、継続して学習活動に取り組めるよう、学習機会の提供、学習を始めるきっかけづくりとなる情報提供のほか、持続可能な学習環境の構築を目指し、人材育成に努めてまいります。
 子育て平和都市宣言のまち稚内が進めてきた、市民ぐるみの子育て運動は、関係者のたゆまぬ努力により長年にわたって継承されてきた本市の貴重な財産です。大韓航空機事件から40年以上が経過しましたが、平和学習資料を用いての学習や子育て平和の日記念式典、また、今年20回目を迎える子育て平和祈念の灯などの事業を通じ、歴史を学び、平和について考える取り組みを継続するとともに、未来を担う子どもたちの幸せを念願し、学校・家庭・地域が一体となって、より効果的な運動を展開できるよう努めてまいります。
 また、事件当時の関係者の高齢化が進み、記憶の風化や貴重な資料の散逸が懸念されることから、本市としては、慰霊の取り組みに加え、遺族会によるアーカイブ化の取り組みに最大限協力することで歴史の後世への継承に努めてまいります。
 令和7年度は、3年に一度の南中ソーラン全国交流祭の開催年にあたります。全国交流祭は、市内の児童生徒はもちろん、全国で南中ソーランに取り組む団体の皆さんが南中ソーラン発祥の地である本市に集い、演舞を通じて互いに学び合い、仲間との絆を深める大切な機会です。本市が誇る南中ソーランという郷土芸能を通じて稚内の魅力を全国に発信し、本市の活性化と郷土芸能の普及につなげてまいります。
 「いつでも・誰でも・気軽に」学べる施設「風~るわっかない」は、今後も生涯学習の拠点施設としての利便性を高めるとともに、市民一人ひとりの学ぶ心や活動を支援するため、様々な学習機会の充実を図ってまいります。
 稚内市青少年科学館は、デジタル映像番組等を活用した、科学の魅力を体感できる展示や事業に取り組み、子どもから大人までが気軽に科学に触れることができ、科学の原理を楽しく理解できる機会の充実に努めてまいります。
 ノシャップ寒流水族館では、水棲生物の生態や行動などに興味を持って学べる展示や生物を身近に見て触れるなどの体験を通じて、来館者が楽しく学べる機会の提供に努めます。
 図書館では、知の情報拠点を目指し、幅広い分野の資料の収集・提供に努めるとともに、時節に応じた資料の展示、図書館まつり等のイベントを通して、多くの市民が読書に親しめるよう、サービスの向上に努めます。
また、令和2年度に策定した「第三次稚内市子どもの読書活動推進計画」が、令和7年度で5か年計画の最終年度を迎えることから、第四次計画の策定に向けた取組を進めてまいります。

○最後に、4つ目の柱であります「地域と共創した持続可能な文化・スポーツ活動の推進」についてです。
 優れた文化・芸術活動への参加や鑑賞、創作活動の機会の充実は、まちの文化水準の向上や市民の心の豊かさにつながります。
 市民が楽しく生きがいをもって生活できる環境づくりを推進していくため、舞台芸術の鑑賞機会の充実のほか、優秀な指導者の招聘など、知識や技能が受け継がれていくよう、文化・芸術活動への支援や人材育成に努めてまいります。
 スポーツ活動の推進については、令和6年度に策定した「スポーツ推進中期計画」に基づき、スポーツを「する」だけではなく、「みる」「ささえる」といった様々な形でのスポーツ参画人口の拡大に向け、関係団体と協力し、各種大会の誘致や大会運営ボランティアの養成など、誰もが多様なニーズに応じたスポーツ活動に参画できる環境づくりを進めていきます。
 また、合宿誘致やマラソン大会の参加者増加に向け、誘致活動やSNS等を活用し稚内の魅力を広くアピールすることにより、本市への関係人口の拡大を図るとともに、市民がトップアスリートと交流できる機会をつくることでスポーツを通じた地域の活性化につなげてまいります。
 複合的スポーツ施設「みどりスポーツパーク」を拠点とする「総合型地域スポーツクラブ」が進めている各種クラブ・サークル活動の拡大や各スポーツ・文化活動団体等との連携により、多種多様な活動の場の確保や世代間交流の場の創出など、スポーツやレクリエーション事業を通して、市民の競技力の向上や体力の向上、心身の健康増進に寄与できるよう取り組んでまいります。
 また、本年9月、2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックへの出場をかけた、カーリングの代表決定戦が本市において開催される方向で最終調整に入ったと伺っています。本市のカーリング場がこの熱い戦いの舞台となることは、地元の選手や愛好者をはじめ、多くの市民や子どもたちが間近でその迫力を体感できる絶好の機会となります。また、選手、コーチ、関係者や観客、報道陣などの滞在による経済効果に加え、本市のシティセールスにも大きく寄与するものと期待しています。
 
 以上、令和7年度の教育行政執行にあたっての基本的な考え方と主要な施策の概要について申し上げましたが、教育委員会では、これら4つの柱による重点的施策を計画的かつ効果的に推進することで、本市教育の充実・発展に全力を尽くしてまいります。
 市民ならびに議員の皆様の一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、令和7年度の教育行政執行方針とさせていただきます。

お問い合わせ

教育委員会教育部学校教育課
〒097-8686
稚内市中央3丁目2番1号
電話:学校教育グループ 0162-23-6519、0162-23-6528(直通)
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