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教育行政執行方針

令和6年度教育行政執行方針

令和6年2月26日
稚内市教育委員会
 

 

 令和6年、第2回稚内市議会定例会の開会にあたりまして、令和6年度「教育行政執行方針」を申し上げます。

 はじめに、本年1月1日に発生した能登半島地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復興と、子どもたちが安心して学べる環境、子どもたちの笑顔が戻ることを願っております。
 さて、わが国は、人口減少や少子高齢化の進行に加え、情報技術やグローバル化の急速な進展、さらには、気候変動による自然災害の増加や不安定な国際情勢に伴う物価高騰など、多くの課題に直面し、本市においても、こうした課題への対応に苦慮しております。
 このように、社会が急速に変化し、将来の予測が困難な時代においては、持続可能な社会の創り手の育成を担う教育の役割は一層重要になります。
 教育委員会といたしましては、教育に対する社会の要請に応えるため、教育を学校だけではなく、地域社会や市民みんなで考え、支える新たな教育の姿を、子育て運動のまち稚内から発信できるよう、全力を尽くしてまいります。
 以下、4つの柱に沿って、本市の教育行政を推進してまいります。

○はじめに、1つ目の柱であります「地域の協働による家庭教育の推進」についてです。
 現在、国では「こどもまん中社会」の実現を目指し、こども政策を総合的に推進するため、「こども未来戦略」や「こども大綱」を策定し、関係予算の大幅拡充とともに、重点的な政策の検討を加速させているところです。
 本市においても、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行うため、令和4年4月に「子育て世代包括支援センター」を設置し、母子保健と子育て支援の連携強化により、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めてまいりました。
 令和6年度は、子ども・子育て支援法に基づく法定計画である「第2期子ども・子育て支援事業計画」の計画期間が満了となることから、令和5年度に実施したニーズ調査を基に、本市の子ども・子育て支援サービスの需要量の見込みや確保方策、事業の方向性を定める次期計画の策定に取り組んでまいります。
 令和5年度は、学校給食費の半額助成を実施し、小・中学生をもつ世帯を対象に負担軽減を図ってまいりました。
 令和6年度については、さらに、対象となる世帯を幼稚園・保育所等に通う3~5歳児をもつ世帯に拡大し、子ども達の健やかな成長を支えるとともに、子育て世帯の更なる負担軽減を図ります。

○次に、2つ目の柱であります「次代を担う人材の育成と地域とともにある学校づくりの推進」についてです。
 GIGAスクール構想により1人1台端末や高速ネットワークなどのICT環境が整備され、3年が経過しました。令和6年度は、これらのICTツールを最大限に活用し、子どもたちを誰一人取り残さない、「個別最適な学び」と多様な個性を最大限に生かす「協働的な学び」の一体的な充実を図るため、新たにICTの特性・強みを生かした学習支援アプリやAIドリルを導入し、児童生徒の習熟の程度に応じた学習の充実を図ります。
 国は令和4年に「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を策定し、休日の部活動の段階的な地域移行を図る等、地域の実情に応じた部活動改革を進めています。
 本市においても国が示すガイドラインに基づき、部活動の段階的な地域移行に向けた協議を進めており、子どもたちが将来にわたって、希望するスポーツや文化的な活動に継続して親しむことができる機会を確保するため、学校や地域、関係団体と一体となって取り組んでまいります。
 全国的に学校現場での教員の長時間勤務や教員不足が深刻な課題となっており、働き方改革の推進が急務となっています。
働き方改革によって、教職員が子どもたちと向き合う時間や、自らの学びを深める時間を確保することは、「質の高い学び」や「持続可能な学校」の実現につながることから、これまで以上に取組を進めていく必要があると考えています。
 本市では現行の「学校における働き方改革アクション・プラン」の改定作業を行っているところであり、今後は新たなアクション・プランに基づき、より実効性の高い働き方改革を推進するとともに、校務支援システムの導入を9校に拡大し、業務の効率化を推進することで、教職員の負担軽減を図ってまいります。
 全国的に不登校の児童生徒数、いじめの認知件数が増加しており、本市においても同様の状況がみられています。
 新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、通常の学校生活に戻りつつある中、不安や悩みを相談できない児童生徒がいる可能性を考慮し、周囲の大人が子どもたちのSOSを受け止め、外部の関係機関等とも積極的に連携するなどの組織的な対応が求められています。
 本市としましては、学級担任を中心に教職員全体が、子どもの些細な変化の把握に努め、予兆がみられる際には、家庭はもとよりスクールカウンセラーや教育相談所など、関係機関と連携しながら児童生徒一人ひとりの状況に応じたきめ細かな支援に努めてまいります。
 通常学級に在籍しながら通級指導を受ける児童生徒及び特別支援学級に在籍する児童数は年々増加傾向にあります。特別支援教育の充実のため、一人ひとりの教育的ニーズに的確に応える指導が提供できるよう、必要な環境整備を行ってまいります。
 稚内中学校の改築工事は計画通り進められているところであり、現在、稚内中央小学校と稚内中学校において小中一貫教育の強化を図ることを目的とした「北地区学校間交流」を推進するなど、稚内初となる義務教育学校への移行を見据えた交流を行っているところです。
 今後は、両校の教員や関係者で構成する検討会を立ち上げ、新たな学校名や校歌のほか、年間の小中一貫した教育課程の編成などを検討していくとともに、保護者や地域の方々に対し、義務教育学校への理解を深めていただくための説明会等を行ってまいります。
 学校給食については、望ましい食習慣の形成や地産地消、地域の食文化や自然の恵み等に対する理解が深まるよう、施設の保守整備や衛生管理に留意しながら安全で安心な学校給食の提供に努めます。
 また、学校給食費の助成を継続し、子育て世帯の負担を軽減するとともに、昨今の食材費高騰に留意し、献立の工夫を凝らしながら、栄養バランスが整った給食を提供できるよう努めてまいります。
 本市では、令和5年度、各中学校区に、コミュニティ・スクールの基盤となる学校運営協議会が立ち上がり、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となった子育て運動とともに、特色ある学校づくりが進められているところです。
 今後はコミュニティ・スクールの本格的運用に向けて、未来を担う子どもたちの成長を地域全体で支える仕組みを強化し、地域とともにある学校づくり、学校を核とした地域づくりの実現を目指します。

○次に、3つ目の柱であります「市民の学びを支える地域づくり」についてです。
 令和6年度からはじまる「第10次稚内市社会教育中期計画」は、自らの好奇心から気づきを育み、学ぶ楽しさ・実践の楽しさを実感することを基本目標に掲げています。
社会教育により、経済的な豊かさのみならず、精神的な豊かさや健康までを含めた幸福を目指すウェルビーイング(Well-being)の実現を目指し、学習機会の充実や環境の整備に努めてまいります。
子育て平和都市宣言のもと、本市の地域ぐるみの子育て運動は、関係者のたゆまぬ努力によって長年にわたって継承されてきた貴重な財産です。
 大韓航空機事件から40年が経過しましたが、平和学習資料などを用いての学習活動や子育て平和の日記念式典などの行事を通じ、平和について考える取り組みを継続するとともに、子どもたちの健やかな成長を支えるため、学校・家庭・地域が一体となって、より効果的に運動を展開できるよう努めてまいります。
 未来を担う子どもたちが、普段の生活とは異なる他の地域の環境や文化に実際に触れることは重要な経験となります。令和5年度は、本市の中高生が友好都市である鹿児島県枕崎市を訪問し、交流する予定でしたが、台風の影響により中止を余儀なくされました。
 令和6年度には改めて本市の子どもたちを枕崎市に派遣し、交流を通じて、相互理解を深め、両市の友好の絆が育まれるよう取り組んでまいります。
 本市の生涯学習の拠点である「風~る わっかない」は、生涯学習推進アドバイザーを中心に、施設内に集約されている学校教育関係機関との連携を深め、子どもから高齢者までのあらゆる世代へ、学ぶ機会と学びの支援を継続しながら、生涯学習の充実を図ってまいります。
 稚内市青少年科学館は昭和49年に開館してから50周年を迎えます。これを記念して、国立極地研究所と連携した講演会の開催をはじめ、各種記念事業を執り行うほか、デジタル技術を活用した展示物の導入、サイエンス事業の実施を予定しています。
今後も科学を身近に見て触れて楽しく学べる環境づくりを推進しながら、市民や観光客に広く愛される場所となるよう努めてまいります。
ノシャップ寒流水族館では、魚類の生態系等を学ぶパネルの展示や、生物を身近に見て触れることができるタッチプールなどを通して、楽しく学べる展示品の整備や事業に取り組んでまいります。
 図書館では、知の情報拠点として、市民の知的好奇心を満たし、地域文化を高める資料の収集・提供に努めるとともに、郷土の歴史的資料や時節に応じた資料の展示、イベントなどを通して、子どもから高齢者まで、すべての市民が読書に親しみ、読書を楽しめるようサービスの向上に努めます。
また、未来を担う子どもたちの読書活動を推進するため、学校や幼稚園・保育所などへの本の団体貸出や配本サービスなどを通し、多くの本に触れる機会を増やす取組を進めてまいります。

○最後に、4つ目の柱であります「まちの魅力を活かした文化・スポーツ活動の推進」についてです。
 コロナ禍においては、市民の精神的支柱である文化・芸術活動の多くが実施できない状況が続きましたが、令和5年度においては、様々な文化的活動がコロナ禍以前へと回復傾向にあります。
各文化団体間の交流の活性化や技術力向上を目的とした指導者の招聘など、伝統ある文化や芸術がしっかりと次の世代に継承されるよう、文化・芸術活動への支援に努めてまいります。
 本市では、昭和56年に「スポーツ都市宣言」を行い、スポーツを通じて、心と体を鍛え、仲間との連帯の輪を広げるなど、人間性あふれるまちづくりを進めてきました。
 令和6年度からはじまる「第9次稚内市スポーツ推進中期計画」に基づき、生涯にわたり誰もが、体力や年齢、性別等に応じて、スポーツに親しむことができるよう、 それぞれのライフステージに応じた機会を創出し、誰もが気軽に取り組みやすい環境づくりを進めてまいります。
 複合的スポーツ施設である「みどりスポーツパーク」を拠点に、令和4年に「総合型地域スポーツクラブ」が設立されたことで、現在は、年代を問わず、多種多様なスポーツに気軽に楽しむことができる環境が整いました。
今後は、世代間交流や地域交流など、スポーツやレクリエーション事業に参加する機会を増やすことで、市民の健康増進にも寄与できるよう、取り組んでまいります。
 「日本最北端わっかない平和マラソン」は、7回目を迎えます。全国各地から、また、海外からも多くのランナーに参加いただき、稚内の風情を肌で感じていただきたいと思っています。
 また、大会運営には多くのボランティアスタッフが必要不可欠であることから、ボランティアの募集の周知に努めるとともに沿道からの多くの声援で大会を盛り上げていきたいと考えています。

 以上、令和6年度の教育行政の重点的な取り組みにつきまして、申し上げました。
 来るべき令和6年度は、コロナ禍を乗り越え、新たな一歩を踏み出す飛躍の年です。
 教育委員会といたしましては、市民一人ひとりが、豊かで幸せな人生を送ることができるように、また、本市の未来を担う持続可能な社会の創り手を育むため、ふるさと稚内に誇りと愛着を持って、地域の課題解決に果敢に挑戦する「わっかない人」の育成に一層、力を注いでまいります。
 市民ならびに議員の皆様の一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、令和6年度の教育行政執行方針とさせていただきます。

お問い合わせ先

教育委員会教育部総務スポーツ課
稚内市中央3丁目13番15号
総務・スポーツグループ 0162-23-6518、0162-23-6521(直通)

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