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平成28年 第4回定例会(9月)一般行政報告

一般行政報告

平成28年第4回定例会(9月)

《 目次 》
 平成28年 第4回稚内市議会定例会の開催にあたり、6項目につきまして一般行政報告をいたします。

1点目は、「大雨災害の対応について」です。
 今年の夏は、北海道に複数の台風が上陸、接近するなど、例年に無く、道内各地で大雨による災害が起きており、まさに異常気象と言わざるを得ません。
 本市でも、今月5日から降り始めた雨は、明け方から雨足を強め、6日一日だけで、9月の降水量平年値の、1.5倍の雨が降るなど、記録的な大雨となりました。
 そのため、市内各所で、河川の氾濫4箇所、道路冠水19件、土砂崩れなど17件、道路の陥没4件、床上床下浸水50件など、本市では、今までにない、多くの被害が発生しました。また、上水道では、土砂崩れに伴う水道管の流出や、土砂による取水口の閉塞など3件、下水道では、マンホール破損など15件の被害が発生しています。市内の交通状況についても、道路通行止めが7箇所、JR宗谷線や、市内線バスが運休するなど、市内の交通機能が、麻痺する事態となりました。
 市の対応としては、6日早朝から情報収集を行い、その状況から、速やかに災害対策本部を設置しました。その後、稚内地方気象台から、土砂災害警戒情報が発表されたことを受け、避難所を開設するとともに、市全域に避難準備情報を発令し、緊急告知防災ラジオ、防災メール、市ホームページなどを通じて、市民周知を図りました。時間の経過とともに悪化する気象状況の中、次々と寄せられる、市民からの通報に対応するとともに、河川の氾濫や土砂災害の恐れのある地域には、さらに避難勧告、避難指示を発令し、市民へ避難を呼びかけたところです。最大時で、98世帯208人に避難指示、3,264世帯6,210人に避難勧告を発令し、避難者は、約250人となりました。
 その後、順次避難所は閉鎖しましたが、全ての避難解除が終了したのは、14日で、最長で9日間の避難生活を強いられたという、かつて経験したことのない規模の災害でした。 現在、床上床下浸水の被害を受けた箇所について、ゴミの回収や消毒作業を行っており、一刻も早く安心した生活を取り戻せるよう、関係機関と連携して対応しています。幸いなことに、今回の災害では、人的被害は発生しませんでしたが、避難勧告・避難指示などの情報伝達、避難所運営など、検証しなければならない点も、数多くあったと認識しています。  今回の経験を踏まえて、更なる防災力の向上に努めていきます。

2点目は、「サハリン定期航路の運航状況についてです。
 昨年度で一度途絶えた、サハリン定期航路ですが、ホルムスクに本社を置く、「サハリン海洋汽船株式会社」(SASCO)による就航が決まり、先月1日から運航を再開していましたが、本日の最終便をもちまして、本年度の運航を終了するところです。年度当初には想定できないスピード感で、運航が再開できたことには、本市の「北海道サハリン航路株式会社」をはじめ、関係者の皆様のご尽力に、この場をお借りしてお礼申し上げます。当初、16往復32便を、本年度の運航計画としていましたが、台風による使用船舶の、回航の遅れによる初便の延期、その後も、台風の影響などによる欠航もあり、最終的には12往復24便の運航となりました。本年度の利用客数は、往復で日本人が154人、ロシア人をはじめ外国人が357人、合計511人でした。
 本航路の再開にあたって、サハリン州政府の積極的な対応もあり、本市としては、北海道にも支援をお願いし、「北海道サハリン航路株式会社」と連携しながら、航路存続に、取り組んできたところであり、現体制による運航への支援について、今議会に、予算を上程させていただいているところですが、次年度以降の対応については、今後、関係者間で、今年の実績も踏まえ、充分検討した上で、出来るだけ早い時期に、一定の期間を見通した方針を、示すことが出来ればと考えています。なお、私自身、今月6日から8日までの3日間、サハリンに渡り、サハリン州政府やネベリスク市、コルサコフ市、ユジノサハリンスク市の、友好都市3市を訪問し、この航路の諸課題について、幅広く意見交換を行う予定でしたが、先ほど申し上げました、大雨災害対応のため、中止としました。改めて、この件につきましては、サハリン訪問の機会を求めていきたいと考えています。

3点目は、「砕氷艦しらせの寄港についてです。
 南極観測船として知られる、海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」が、今月9日から12日までの4日間、稚内港に寄港しました。現在の「しらせ」の寄港は、平成22年以来6年ぶり2回目、初代「しらせ」を含めると6回目となりますが、今年は、タロ・ジロをはじめとする樺太犬が、本市での訓練を終え、我が国初となる南極観測隊とともに、南極へ出発して、60年となる節目の年であることから、長年、南極と様々な関わりを持つ本市の、「南極観測60周年記念事業」の一環として、実現したものであり、道内では本市が唯一の寄港地となりました。
 寄港中は、艦内が一般公開され、南極から運ばれた氷などの展示物や、普段見ることができない、操舵室あるいは船室などの見学に、公開初日の悪天候にもかかわらず、市内外から4,500人の方が訪れ、賑わいを見せました。また、「しらせ」寄港に併せ、海上自衛隊 中西大湊地方総監にも、本市までお出でいただき、10日には文化センターにおいて、海上自衛隊大湊音楽隊による記念演奏会や、トークショーを開催し、多くの皆さんに楽しんでいただくことができました。
 出港前夜となる11日には、本市主催の歓迎レセプションを開催し、関係団体の方々とともに、本年11月に、第58次南極観測隊支援のため、南極に向け出航する「しらせ」隊員の皆さんを激励したところです。今回の「しらせ」寄港は、子どもたちに科学への興味や夢を与えるとともに、多くの方々に、改めて南極観測の意義や、更には、地球環境への理解を、一層深めていただく機会になったものと考えています。

4点目は、「北極海航路の活用に向けた視察について」です。
 かつては、年間を通じて厚い氷に覆われていた北極海が、近年の地球温暖化の影響により、氷が少なくなる夏に限り、船舶の航行が可能になったことから、現在、「北極海航路」が、新たな海上輸送ルートとして、着目されています。北極海を通り、ヨーロッパと東アジアを結ぶこの航路は、従来のスエズ運河を経由する「南回り航路」に比べ、航行距離が6割と、経済的に大きなメリットがあると言われています。また、この航路は、北海道周辺海域を通過することから、宗谷海峡に面する本市においても、これまで、航路の活用について、関心を持って、情報の収集に努めてききたところです。
 このような中、今回、北海道が、荒川副知事を団長に、北極海航路による、道内港湾の利用の可能性を探る欧州視察を実施することとなり、視察団の一員として、石狩、苫小牧の港湾管理者とともに、本市からは青山副市長を参加させました。視察団は、先月10日から17日までの8日間の日程で、ロシアの港湾都市ムルマンスクや、フィンランドの首都ヘルシンキなどを訪問し、北極海航路の欧州側拠点を目指す、ロシア北西部のバレンツ地域の関係者のほか、州政府や、北極海航路関係機関との、情報交換など行ってきました。訪問先では、北海道や稚内港の知名度の高さや、北海道の港がハブ港となる有力な場所であると、認識されていることが理解できた一方で、この航路の商業化に向け、運航コストなど解決すべき課題があるなどの、報告を受けたところです。この視察結果を参考にしながら、今後も、北極海航路における、稚内港の地理的優位性を活かした活用について、調査・検討を進めていきます。

5点目は、「地域医療対策に係る視察について」です。
 昨年10月、本市をはじめ、関係団体からなる「地域医療を考える市民会議」が発足し、現在、地域で医療を支えるための、様々な取組が進められているところです。その一環として、地域医療に関する先進的な取組を調査・研究するため、去る7月19日から22日の日程で、本市職員、町内会連絡協議会、社会福祉協議会、青年会議所など、この市民会議の構成団体から10人が参加し、福岡県大牟田市、宮崎県延岡市を視察しました。視察先では、「認知症になっても安心して徘徊できるまち」を目指し、地域全体で高齢者を見守るネットワークづくり、あるいは、捜索のための模擬訓練について説明を受け、また、安易な時間外受診の抑制、医師をはじめとする医療従事者を、支え励ます活動、更には、市民の健康長寿を推進する仕組みづくりなどを学び、参加者からは、「改めて、地域ぐるみで取り組む重要性を、確認することができた。」との報告を受けています。 本市としては、地域の医療を守るという、共通の目標を掲げ、今後も、「市民会議」と連携して、しっかり取り組んでいきたいと考えています。

6点目は、「大規模排出油事故対策訓練について」です。
 
かつてから、宗谷海峡では、サハリンⅡプロジェクトの進展に伴い、多くの大型タンカーが航行しており、船舶の衝突や、乗揚げなどに起因する、大規模な油排出事故が懸念されているところです。流出した油が、稚 内沿岸に漂着した場合、漁業などに甚大な被害が発生することから、被害を最小限に食い止めるため、かねてから、第一管区海上保安本部が中心となり、本市をはじめ関係機関が参加し、油防除訓練を実施してきたところです。

 本年度は、先月25日、稚内港において、大規模排出油事故で想定される事態を、現地災害対策本部の立ち上げから、全て組み込んだ実働訓練が行われました。本市も地元自治体として、青山副市長が、現地災害対策本部長の任にあたり、対策方針決定などの指揮を執るとともに、海面に浮いた油や、沿岸に漂着した油の防除訓練では、関係機関と連携し、各種油防除資機材の設置・使用による、円滑な油処理や、回収作業を行ったところです。
 
今後も、万が一の事故発生に備え、関係機関との連携強化を図りながら、地域防災対応能力を高め、油防除体制の強化に努めます。

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以上、6項目についてご報告申し上げ、私の一般行政報告とさせていただきます。ありがとうございました。

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