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市長所信表明(令和元年6月17日)

所 信 表 明
 
令和元年 6月17日
稚内市長 工藤 広

【目次】

はじめに

1.子ども・若者の夢を育み、次代を担うひとづくり子ども・若者の夢を育み、次代を担うひとづくり

2.安らぎの空間に笑顔あふれる基盤づくり安らぎの空間に笑顔あふれる基盤づくり

3.地域の資源を活かした魅力ある仕事づくり地域の資源を活かした魅力ある仕事づくり

4.互いに支え、いきいきと生活できる暮らしづくり互いに支え、いきいきと生活できる暮らしづくり

5.まちを愛し、世界に誇れるふるさとづくり

むすび


 

はじめに
本日、令和元年第3回稚内市議会定例会が、開催されるに当たり、市政運営における私の所信を、申し述べさせていただきます。
私は、先の稚内市長選挙におきまして、多くの市民の皆様のご信任をいただき、三度(みたび)、市政の舵取り役を、担わせていただくことになりました。
「令和」という新しい時代の始まりに合わせて、この場でお話しできますことは、大変、光栄なことであり、改めて市政を預かる重責に、身の引き締まる思いであります。
私は、平成23年に市長に就任して以来、2期8年間、全ての市民の皆様が、笑顔で暮らせるまちづくりを目指し、ふれあいトークなどで、市民の皆様の声を直接お聞きしながら、まちの発展、課題解決に全力で取り組んできました。
特に、2期目の4年間においては、このまちが持つ魅力や可能性を、積極的に内外にアピールし、まちを一層発展するための土台作りに、率先して取り組んできましたし、1期目に引き続き掲げた「10の約束」の実現に向けては、議員の皆様を始め、市民の皆様のご協力のもと、一定の成果をあげることができたと考えています。
しかし、現実を見ると、少子化や人口減少が進行するなか、それらに起因する深刻な人手不足などが、経済活動に大きな影響を与えており、さらには、地域特有の新たな課題にも直面していることから、今後も、これらの解決に向けて、しっかりと取り組んでいく所存です。
本市では、今年度を初年度とする、新たなまちづくりの指針「第5次稚内市総合計画」が、スタートしており、今後は、当然のことながら、市民の皆さんとともに、その総合計画を強く意識しながら、山積する課題の解決に、取り組んでいかなければならないと考えています。
今回の所信表明にあたっても、総合計画の5つの基本目標を踏まえた上で、これから4年間の市政運営における、私の方針を述べさせていただきます。

まず、基本目標の一つ目、「子ども・若者の夢を育み、次代を担うひとづくり」の推進ですが、
このまちの子ども達が、将来に希望を持ち、これからの社会を力強く生きるため、「確かな学力、豊かな心、健やかな体」をバランス良く育むとともに、地域ぐるみでのひとづくりを進めます。
≪次代を担う人材の育成と地域とともにある学校づくり≫
少子化、人口減少という厳しい時代を乗り越え、今後も本市が発展し続けていくためには、ふるさとへの関心はもとより、地域への貢献を意識するなど、将来を託せる人材の育成が必要です。
そのためには、幼児から高等教育に至る、それぞれの教育環境に応じて、子ども達に適切な“道しるべ”を示し、市内全ての教育機関や、行政との連携により、次代の稚内を担う人材を育てていきます。
また、次代を担う子ども達が、生まれた環境に関わらず、自らの夢に向かって、学ぶことができるよう、将来負担とならない、給付型の新たな奨学金制度の創設にも、取り組んでいきます。
老朽化している稚内中学校については、義務教育の9年間を見通して、子ども達の確かな学力を身につけるために、稚内中央小学校と一体になった、小中一貫教育の新たな姿を実現させるとともに、北地区の再開発をも視野に入れ、建設に取り組みます。
≪市民の学びを支える地域づくり≫
東京オリンピック・パラリンピックの開催が、一年後に迫ってきましたが、現在建設中のカーリング場を中心とした、季節を問わない、屋内多目的スポーツ施設の整備はもとより、子ども達がスポーツを通じて、心と体を鍛え、これまで以上に、このまちから世界を目指して羽ばたいて欲しいと願っていますので、一層のスポーツ振興を図っていきます。
また、子どもからお年寄りまで、世代を超えて、スポーツに親しむことが出来る、「総合型地域スポーツクラブ」の立ち上げなど、生涯スポーツの推進にも努めていきます。
≪安心して子どもを産み育てられる環境づくり≫
若者が地域に定着するためには、安心して働き、子どもを産み育てられる環境を整えていくことが必要です。
そのため、本市では、子育てしやすいまちを目指し、これまで、「子育てウェブサイトの開設」のほか、「中学生までの医療費無料化」や、「給食費の負担半減」など、子ども達の健康を守るために、医療を受診しやすい環境や食育に努めてきました。今後も、高校生までの医療費無料化などを進め、一層の子育て環境の充実に努めます。
全国的に、様々な場面で活躍する女性が増えていますが、本市においても同様に、就業する女性、活躍する女性が増えています。
国による「幼児教育・保育の無償化」が、今年10月から始まりますが、本市としても、高まる子育て世代の保育ニーズに、適切に対応するため、市立の保育所の役割の見直しや人材確保などに重点的に取り組み、保育所の待機児童の解消を実現し、安心して子どもを産み育てられる環境の充実に努めます。

次に基本目標の2つ目、「安らぎの空間に笑顔あふれる基盤づくり」の推進です。
首都圏から遠隔に位置する本市では、住民の利便性や、インバウンドをはじめ、観光客の誘致などを進めるために、陸・海・空、それぞれの交通基盤の整備、あるいは、災害に強い安全・安心な都市基盤の整備が、強く求められています。
≪時代に適応した公共交通・都市間交通の整備≫
JR宗谷線につきましては、JR北海道が「単独では維持困難な線区」として、発表して以降、宗谷本線活性化推進協議会を中心に、維持・存続に向け、様々な検討を重ねてきました。
本市としても、JR北海道の「アクションプラン」に基づいて、自らが鉄道を守ろうという市民のマイレール意識の醸成や、特急列車内での特産品販売など、利用促進に向けた取組を強力に進めます。
また、市民の皆様には、宗谷線の利用促進のために、必要な一定程度の地域負担について、ご理解をいただくとともに、国に対しては、JR北海道へのさらなる支援や、地域負担の軽減策などの要望活動を、北海道、市長会、町村会などと一体となって進めていきます。
稚内空港は、近年では、国内チャーター便の就航先の拡大等により、全国各地からの利用が増加しています。
また、来年1月からは、稚内空港を含む北海道内7空港の一括民間委託により、まずはターミナル運営、その後順次、滑走路の運営が開始され、北海道内の航空ネットワークの強化や、稚内空港はもとより、北海道全体の乗降客数の増加が期待されています。
本市としてはこれを契機に、本年7月に選定される予定の運営権者や関係者と連携体制を構築し、定期便である羽田便・新千歳便の就航便数の拡大や、道内外における新規路線の開拓、さらには国際チャーター便の誘致など、稚内空港の集客力・利便性の向上に繋げていきたいと考えています。
また、稚内空港の課題である、冬季就航率の向上策については、これまで除雪体制の強化、気象レーダーの整備が講じられてきましたが、今後、さらなる安定運航に向け、大きな課題の一つでもある横風対策などに取り組んでいきます。
稚内港は、末広埠頭東岸壁の整備が完了し、大型クルーズ船の入港が、可能となったところであり、今後は、景観や食などの地域資源を活かして、日本船のみならず、外国船籍のクルーズ船の誘致を、官民連携により一層進めます。
また、物流面では、送電網整備事業や、風力発電事業の本格化に伴い、資機材輸送の受入港として、稚内港のさらなる利用が期待されており、今年、新たに、200トン型のクローラクレーンを導入したところです。
稚内港が利用されると、港湾荷役や建設地への輸送など、道北地域への物流が、大幅に増加し、大きな経済効果が見込まれることから、引き続き、積極的なポートセールスを行っていきます。
本市の地理的優位性を活かした、サハリン定期航路については、現状の船舶では課題が多く、現在、様々な検討を重ねています。この件については、別途ご説明したいと考えています。
ただこれまでも取り組んできた、サハリンとの物流に関しては、今年度も貨物船チャーターへの支援を行い、さらなる物流の拡大に向け、新たな輸出事業者の開拓や、極東ロシアへの販路拡大に取り組んでいきます。
≪安全・安心な都市基盤の整備≫
市民の利便性を高めるため、特に交通量が多い「緑・富岡環状通街路」の拡幅・改良工事は、今年度で「第1工区」が完了の予定ですが、引き続き、国道40号から富岡5丁目交差点までの、「第2工区」の事業を、5か年計画で進めます。
≪緊急時に備えた地域防災力の強化≫
昨年発生した「北海道胆振東部地震」と、それによる北海道のほぼ全域のブラックアウトは、本市にも大きな影響をもたらしました。
その経験をもとに、本市では、大規模災害発生時に、市民生活への影響を最小限に食い止めるため、行政としての機能停止を回避し、適切に業務を執行するための、業務継続計画(BCP)を作成しましたし、これまでも市内全戸への津波ハザードマップの配布や、緊急告知防災ラジオの貸与、防災情報メールの配信など、様々な防災対策を講じてきました。
今後は、自主防災組織の一層拡充や、地域ごとの避難計画の策定支援を行うとともに、市民や事業者の防災への理解と関心をより深めていただき、市全体の地域防災力の向上を図っていきます。
地域防災の拠点となる市役所庁舎は、昭和42年に建築されたものであり、老朽化もさることながら、新たな耐震基準を満たしていない状況です。
また、東日本大震災や熊本地震などを経て、殆どの道内自治体では、庁舎の耐震化が進められており、今後の方向性が決まっていない自治体は、2割程度というのが現状です。
こうした状況も踏まえて、専門的知見を有する学識経験者の視点から、庁舎整備のあり方について、調査・検討してきました。
今後、これまで取り組みを進めてきた、中心市街地活性化との連動した効果や、庁舎に求められる様々な機能、市民の生命と財産を守る、防災拠点としての役割も果たせるよう、市民の皆様のご意見をいただきながら、さらに検討を進めていきます。

次に基本目標の3つ目、「地域の資源を活かした魅力ある仕事づくり」の推進です。
本市は、三方を海に囲まれ、かつては北洋漁業基地として、また現在は沿岸に軸足を移しながらも、沖合、沿岸とも、恵まれた資源に支えられた水産業、一方で冷涼で広大な土地資源を生かした酪農を始めとした農業と、これらの産業が長い間、地域の経済の発展を支えてきました。
今後も本市の基盤を支える、基幹産業の持続性を保ち、力強く稼げる産業を目指すとともに、地域経済の担い手が活躍できる、魅力ある仕事づくりを進めます。
≪魅力ある第1次産業の持続的発展≫
今も申し上げましたが、豊かな漁場を活かした水産業は、まちの基幹産業として、地域経済を支えてきましたが、一方で、水産資源の減少や漁業者の担い手不足、またトド、アザラシなどによる漁業被害など、多岐に渡る課題を抱えています。
本市では、水産業の持続的な発展に向けて、これらの課題の克服はもとより、これまでも水産資源の増養殖や、漁業における担い手の育成、水産加工施設の整備などに対して、支援を行ってきたところであり、今後は、水産都市として、地元の水産物や加工品の価値を高めていくとともに、本市の水産振興の方向性を示す「(仮称)稚内市水産振興基本条例」の制定にも、取り組んでいきます。
一方、酪農を中心とした農業については、恵まれた自然と土地資源を活かして、生産性の高い、大規模で、専業的な経営が展開されており、安全・安心な酪農畜産品を、安定供給する食糧供給基地として、重要な役割を果たしています。
しかし、近年では、従事者の高齢化や担い手不足に加え、様々な自由貿易協定の締結があり、さらには今後の二国間協定などの動向が、不透明であることから、生産者は多くの不安を抱えています。
これらの解消に向けて、関係者・団体等と連携しながら、経営安定化対策や、農業生産基盤の整備を、国などに求めていきます。
また、稚内ブランド推進協議会と連携し、本市の豊富な水産物や、農畜産物の原材料や加工品など、「稚内ブランド」を、国内外に広く情報発信しながら、さらに知名度を高め、国内はもとより、海外も視野に販路拡大を進めます。
≪産業の育成と労働環境の充実≫
本市では、「稚内市中小企業振興基本条例」に基づき、頑張る中小企業を応援するため、これまでも会社の立ち上げや、商品開発・パッケージ改良、販路拡大に向けた、商談会への出展などを支援してきました。
今後も、これらの取組を継続していくとともに、インターネットの様々な分野での活用を研究する、国から指定を受けた「地方版IoT推進ラボ」による、実証実験を進め、IoTやAI(人工知能)などの、先端技術の導入といった側面からも、中小企業を支援していきます。
また、労働力不足などの地域の課題を踏まえ、将来の労働力となる中学生を対象とした、地元の産業をPRする企画などにも、引き続き取り組んでいきます。
≪資源から魅力への交換と世界からの交流人口の拡大≫
我が国では、「東京オリンピック・パラリンピック」が開催される2020年に向けて、訪日外国人旅行者数4千万人の目標を掲げて、その実現に取り組んでいるところです。
本市を含めた道北地域では、その目標達成の一翼を担うため、広域観光周遊ルート「日本のてっぺん。きた北海道ルート。」の取組として、モデルコースや小規模周遊プランの構築、稚内ならではの素材を活用した、外国人向けの食のメニュー開発などを行ってきました。
その効果もあり、平成29年度の本市の観光客入込客数は、52万人で、特に、外国人観光客は、対前年38パーセント増の、大きな伸び率となりましたが、昨年度は、道外における相次ぐ自然災害や、北海道胆振東部地震などの影響により、年間では、50万3千人に落ち込んだものの、国はもとより関係者のご尽力により、地震発生後の10月から、今年3月までの期間だけで比較しますと、対前年度比、  1.8パーセント増となっています。
今後は、稚内観光協会や近隣町村と連携し、北宗谷地域への観光客を呼び込むために、滞在型メニューの磨き上げや、サイクルツーリズム等の、受入体制の充実などを進めるとともに、他の産業も巻き込みながら、これからの観光地域づくりの舵取り役を担う法人である「地域連携DMO」の設立に向けた準備も進めていきます。
また、着実に実績を重ねている、スポーツ合宿誘致における、実施団体の継続や新規開拓、さらに、昨年初めて開催した「日本最北端わっかない平和マラソン」の充実を図るなど、交流人口の拡大を進めていきます。
≪地域特性を最大限に活かした産業の育成と企業誘致≫
本地域における風力発電に関しては、これまで課題であった、脆弱な送電網の強化に向けた、国の送電網整備実証事業が、特定目的会社である「北海道北部風力送電株式会社」によって、昨年度から本格的に着工しました。
道北地域では、送電網整備事業に連動する形で、蓄電池容量240MWの世界最大級の蓄電池システムや、最大  1,000MWの風力発電設備の整備も進められており、これら送電網施設の工事や、資材輸送など、関連事業の実施を、道北地域への大きな経済効果に繋げていきます。
また、この地域の自然から生まれたエネルギーを、地元への電力として還元する、「エネルギーの地産地消」に積極的に取り組み、さらなる産業振興を図るとともに、持続可能な地域社会の構築を目指します。
一方で、本市は、「バイオマス産業都市」として、農業関係団体や民間事業者が中心となり、第一次産業を中心に発生する、バイオマス資源のさらなる利活用に向けた取組を進めます。
今後は、大規模発電基地として、また一方では地産地消の、分散型エネルギー基地としても、その推進に取り組んでいきます。
さらに、洋上風力発電の導入の可能性についても、漁業関係者をはじめ、関係する皆様のご意見を、十分踏まえながら、検討を進めていきます。

次に基本目標の4つ目、「互いに支え、いきいきと生活できる暮らしづくり」の推進です。
2025年には、いわゆる団塊の世代が、全て後期高齢者となり、5人に一人が75歳以上となります。
その後も当分の間、高齢化が進み、これまでの価値観では対応できない社会が待っています。
先般策定しました「第2次稚内市地域福祉計画」においても、“一人ひとりが参加して、一人ひとりが支えあう、笑顔と感謝あふれるまち”を基本理念とした、「地域共生社会」の実現を目指していますが、これからは、日常の生活に支援を必要とする方には、これまでの行政からの一方的なサービス給付という形だけではなく、高齢者も障がいのある方も、子どもも参加して、支えあう福祉のまちづくりを進めなければなりません。
同様に医療や介護の提供においても、地域社会を単位とする「まちづくり」として、捉えることの重要性が指摘されています。
また、健康寿命を延ばすために、一人ひとりが健康に関心をもち、生きがいを持って活躍するという意味からも、全ての市民が、それぞれが力を出し合える場をつくり、一人ひとりの暮らしと生きがいや、地域を一緒につくり上げる「地域共生社会」の実現に、全力で取り組んでいきます。
≪地域医療の充実と健康づくりの推進≫
宗谷地域の拠点病院である「市立稚内病院」の充実は、宗谷地域全体の医療環境を守るという観点からも、非常に重要であり、これまでも、医師確保における関係機関への要請活動や、研修医の受入体制の充実など、様々な対策を講じてきました。
また開業医誘致はすでに5件の実績があり、今後も市民要望などを考慮しながら、引き続き取り組んでいきますが、まちづくりの観点で進めてきた「地域医療を考える稚内市民会議」や、「医療と健康のまちづくり応援団」では、町内会等での出前講座や、未来の医療従事者の育成など、地域医療を守り・育てるための取組を進めていただいています。
今後も、市民と一丸となって、安心できる医療の確保に向け、地域医療の充実を図っていきます。
また、市民の健康保持・増進と、健康寿命を延ばすため、介護予防や健康づくり、高齢者のいきがいづくりに繋がる事業を充実するとともに、妊産婦や幼児、高齢者に対して、健診の大切さを呼びかけるなど、生涯にわたる健康づくりに対する関心を高めるための取組を強化していきます。
≪地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進≫
高齢者が安心して暮らし続けられるよう、また支える家族が、介護を理由とした離職に繋がらないように、介護サービスの充実を図る必要があります。
本市における、特別養護老人ホームの待機者の中には、在宅での生活の継続を希望しながらも、一人暮らしの不安などから、施設入所を申し込む方もおり、24時間体制の在宅サービスである、「小規模多機能型居宅介護」の需要が、伸びているところです。
このような状況から、特別養護老人ホームの待機者の解消に向け、切れ目のない在宅医療と介護の提供など、市民ニーズにあった、環境整備を進めていきます。
住み慣れた自宅で、自分らしい生活を最後まで続けられるよう、市立稚内病院での急性期と、市内開業医の一次医療、さらには市内医療機関での在宅医療などの連携が求められており、医師の少ない地域ではありますが、地域で一体となり見届ける体制づくりに積極的に取り組んでいきます。
≪人と地球にやさしいまちづくり≫
本市では、温室効果ガスの排出を削減する低炭素社会の実現に向け、“風”という地域特性を活かした、風力発電をはじめとする、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んできましたが、豊かな自然を次世代に引き継ぐため、市民一人ひとりが考え、行動し、環境問題に取り組む意識を高めていくことが必要です。
低炭素社会の実現に向けては、再生可能エネルギーの導入拡大に加え、省エネルギー行動への意識啓発と普及に努めるとともに、二酸化炭素排出量の抑制や、環境負荷をかけない取組みを一層進めていきます。
本市の一人一日当たりのごみ排出量は、依然として多いため、今年度、改定する予定の「稚内市一般廃棄物処理基本計画」では、ごみの発生・排出抑制や、リサイクルなどの基本的な事項を定め、改めて、ごみの排出量が多い原因を分析し、ごみの減量化に向けた取組を強化していきます。
また、次期・一般廃棄物最終処分場については、今後も計画通りに整備を進め、運用に向けた準備を進めていきます。
産業廃棄物処分場については、埋立満了となったこと、また、市内に産業廃棄物の処理ができる民間施設があることから、本施設を閉鎖することとしましたが、閉鎖にあたっては、これまで利用していただいた、事業者への影響を緩和するための方策について、今後、早急に示したいと考えています。

最後に基本目標の五つ目、「まちを愛し、世界に誇れるふるさとづくり」の推進です。
全ての市民に、ふるさと稚内に愛着と誇りをもっていただいてこそ、外からの皆様から応援していただけるまちになれると思っています。
本市は、これまで進めてきた東京や札幌、旭川など、各地に存在する「稚内ふるさと会」などのさらなる交流、あるいは、国内外の友好都市や交流都市との、これまで以上の絆を深めるため、今後とも様々な交流事業に、積極的に取り組んでいきます。
また本市に魅力を感じて、移住を希望する方に対し、生活体験をしていただく、「ちょっと暮らし」事業が、スタートしてから、今年で5年目を迎えますが、引き続き、移住・定住対策を進めていきます。
ふるさと納税制度を活用して、毎年、全国各地の多くの皆様に、寄附という形で応援をいただいており、その貴重な財源については、できるだけ寄附者の意向に沿うよう、活用したいと考えていますし、従来の取組に加えて、本市が推進する特定のプロジェクトに対して、寄附を募る仕組みづくりも含め、さらなる充実に努めます。
今後も、これら様々な繋がりを大切にし、いつまでも、このまちに住み続けたい、このまちを離れても応援したい、いつかは戻ってきたいという、まちへの愛着と誇りを持てる、ふるさとづくりに取り組んでいきます。

むすびに
地方創生が謳われてから、今年で5年目を迎えますが、この間、最も重要な指標である人口は、依然として減少を続けています。
都市としての機能やインフラの整備を考えると、人口が多いことに越したことはありませんし、そのための努力が全ての課題に優先して、取り組まれなければならないことは当然ですが、だからこそ今一番大事なのは、そのことに向かって、立場は違っても、全ての皆さんが心を一つにする時だと思っています。
これまでも何かの折に触れてきましたが、19世紀のイギリスの教育学者、ウィリアム・アーサー・ワードの言葉に、「凡庸な教師はただしゃべる。少しマシな教師は理解させようと説明する。優れた教師は自らやってみせる。何よりも、本当に優れた教師は生徒の心に火をつける。」という言葉があります。
これは何も学校の先生だけについて述べた言葉ではありません。情熱を持って、物事に挑む姿勢をつくる環境を、どう構築できるか。リーダーたる私に課せられた、課題でもあります。
職員一人ひとりに、私の思いや願いをしっかりと伝えながら、常に市民の目線に立ち、共に行動する、そんな職員をこれからも一人でも多く育てます。
わがまちの魅力や、強みを存分に活かし、さらに磨き上げ、次の世代に引き継いでいくために、私は、これからの4年間、皆さんの先頭に立たせていただき、全力を尽くして邁進していくことを、お約束させていただきます。
改めて、市民の皆様並びに議員の皆様の、特段のご支援、ご協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

お問い合わせ先

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稚内市中央3丁目13番15号
広報・広聴グループ 0162-23-6387、秘書グループ 0162-23-6384

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