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市政執行方針

令和8年度 市政執行方針

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はじめに
令和8年度の主な取組 むすびに

はじめに

 本日、令和8年第2回稚内市議会定例会が開催されるにあたり、令和8年度の市政執行方針を述べさせていただきます。
 令和8年度は、私が市民の皆さんから託された4期目の任期の最終年であり、これまでの市政運営を総括するとともに、「未来への道しるべ」を確かなものにする極めて重要な1年です。
 これまで私は、市民の皆さんとお約束した「5つのゼロ」と「10の約束」の具現化に全力を注いできました。
公約を一つひとつ着実に前進させることは、人口減少という厳しい現実に立ち向かい、持続可能なまちを創り上げるための揺るぎない礎であると考えています。
 昨年秋に供用を開始した新庁舎を拠点として、いよいよ私たちは次の世紀、未来へ向かう歩みを本格化させます。
 この庁舎は単なる行政の建物ではなく、市民の安心・安全の砦であり、新たなまちづくりの発信源でなければなりません。
 令和8年度の重点は、「将来を見据えた新たな挑戦」です。
 昨今の生成AIやデジタル技術の急速な進展、さらには脱炭素社会への移行という歴史的転換期を、本市の飛躍の好機と捉え、「グリーンデータセンター」や「自動運転技術を活用した新交通システム」を市政の新たな柱として据えていきます。
 これらを基盤として多様な企業がこの地に集結することで、このまちに新たな産業が根付くチャンスを確実に掴み取っていきたいと考えています。
 一方で、足元の課題にも真摯に向き合わなければなりません。
 コロナ禍という未曾有の事態により、本来進んでいるはずの歳入全般の見直しや、事務事業の精査を先送りしてきた側面があります。
 令和8年度は、財政の健全性を守り抜くための抜本的な見直しを行う「財政健全化の年」としても位置づけているところです。
 「人口減少」と「地域経済の縮小」という巨大な壁を乗り越えるため、私は先頭に立って、施策を力強く推進していきます。
 そのことを踏まえ、令和8年度の主な取組について、「総合計画」における5つの基本目標に沿って、順に述べさせていただきます。

基本目標1「子ども・若者の夢を育み、次代を担うひとづくり」

 このまちに生まれ育つ子どもたちが、確かな学力と豊かな心を培い、このまちの未来を自ら切り拓く「わっかない人」として成長していくことは、私たちの最大の願いです。
 令和8年度は、第1次南極地域観測隊の派遣から70年という大きな節目を迎えます。
 本市とゆかりの深い南極観測の歴史を伝えることは、子どもたちが未知の世界へ夢を広げ、科学や環境への探究心を高める「未来への道しるべ」になるものです。

小中学校に関わる取組

 教育全般の取組については、この後、教育長の教育行政執行方針の中で述べますが、教育環境の大きな変革として、令和9年4月の義務教育学校の開校に向けて、いよいよ最終段階の準備に入ります。
 昨年完成した稚内中学校新校舎を拠点とし、9年間の切れ目のない教育課程の中で、子どもたちの健やかな成長を支援します。
 このまちで育つ子どもたちが、環境に左右されず確かな学力を身に付けることができる教育体制を構築し、一人ひとりの習熟度に応じたきめ細やかな指導により、基礎学力の確実な定着を図り、誰もが自らの可能性を信じて未来へ挑戦できる教育環境を整えていきます。
 また、稚内市みどりスポーツパークを拠点とし、カーリングをはじめとしたスポーツ振興事業を展開し、子どもたちがトップアスリートと交流する機会なども創出していきます。

私学への支援

 独自の教育活動を展開する私学は、本市の人材育成において欠かせないパートナーです。
 育英館大学については、開学以来の強みである情報分野をさらに深化させ、DX社会で即戦力となる人材の輩出を期待しています。
 京都キャンパス校との連携も含め、多様な人材が稚内で学べる環境を支援していきます。
 稚内大谷高等学校では、企業の即戦力となる資格取得の取組により、地域の産業を支える若者の挑戦を後押ししています。
 生徒数の減少など厳しい経営環境を踏まえ、今後も地域に根差した教育を継続できるよう、市としてもその重要性を認識し、引き続き支援していきます。

若い世代への支援

 私が公約に掲げた「5つのゼロ」のうち、「待機児童ゼロ」、「医療費ゼロ」、「子育ての負担ゼロ」の取組は、若い世代がこのまちで子どもを産み、育てやすい環境を整える施策であり、負担軽減という側面における少子化対策の一つとして、人口減少が進む本市にとって最も重要と位置付けている施策でもあります。
 医療費については、昨年実施した高校生までの完全無料化を継続します。
所得制限や初診時の一部負担金を撤廃したこの制度により、安心して子どもを産み育てられる環境を維持していきます。
 給食費については、これまでコロナ禍や物価高騰から市民生活を守るため、本市が食材高騰分を負担し、長らく価格を据え置いてきました。
 令和8年度から国による小学校給食費の負担軽減が開始されるこの機を捉え、適正な価格への見直しを行いますが、小学校については国の支援に合わせ、市独自で「完全無償化」を実現するとともに、中学校や保育所等についても、現下の物価高を考慮し、新たな負担を強いることのないよう負担軽減策を講じます。
 これらの取組は、新たに設置する「こども家庭センター」による相談窓口の一本化と合わせ、子育てについての切れ目のない支援体制として機能させていきたいと考えています。
 また、結婚を機に、このまちに生活の拠点を置いて定着する若者を祝福し、応援する観点から、結婚披露宴等の開催に対する支援を継続していきます。

基本目標2「安らぎの空間に笑顔あふれる基盤づくり」

 「北の玄関口」としての機能を最大限に発揮し、大規模災害から市民の生命・財産を守るための基盤整備は、まちの存立基盤そのものです。

交通ネットワークの強化

 稚内空港については、空港所在自治体として、空港運営会社の中期事業計画を支援し、就航路線の強化・拡充に向けたポートセールスを加速させます。
 併せて、国際線受入体制整備に向けた人材確保などの課題解決に努めるほか、「運用時間の弾力化」や、冬期の就航率向上に不可欠な「横風対策滑走路の新設」も含めて国へ要望していきます。
 鉄道については、宗谷本線が今の形となって全線開通してから100周年という大きな節目を迎えます。
 この節目を捉え、JR北海道や沿線自治体と連携し、利用促進キャンペーンを展開するとともに、市民のマイレール意識の醸成に努めるほか、市独自の助成事業も継続していきます。
 また、宗谷本線を含む北海道内の8黄線区においては、令和8年度末までに、JR北海道が地域と一体となって、抜本的な改善方策を取りまとめる、まさに路線の未来を決める、極めて重要な局面となることから、沿線自治体と足並みを揃え、路線の維持・存続に向けた様々な協議を進めます。
 道路整備に関しては、来月に予定されている音威子府・中川間の「音中道路」の開通により、旭川方面への移動時間が短縮され、冬期間の安全性も飛躍的に向上するものと期待しているところです。
 令和8年度は、中川・天塩間の早期の事業着工や、豊富北・稚内間など残る未整備区間の解消を目指し、沿線自治体と連携した要望活動を行うなど、北海道縦貫自動車道の全線開通という目標に向け、継続して取り組んでいきます。
 また、副港通の整備など、市内の安全な交通確保に向けた道路改修も計画的に進めます。

港湾と都市基盤

 稚内港には、昨年に続き、豪華客船「飛鳥Ⅱ」が寄港するほか、昨年新たに就航した「飛鳥Ⅲ」の寄港が予定されており、歓迎事業を通じて地域経済の活性化を図っていきたいと考えています。
 また、竣工90周年を迎える「稚内港北防波堤ドーム」では、かつて港と駅を結んでいた歴史的背景を踏まえ、鉄道100周年と連動したイベントを開催し、まちの賑わいを創出します。
 稚内港については、引き続き老朽化施設の計画的な補修を進めるとともに、陸上・洋上風力発電に関する情報収集やポートセールスを行うほか、国に対し港湾整備の要望を実施していきます。
 宗谷港については、「宗谷港輸出促進協議会」において屋根付き岸壁整備を含むハード事業や、輸出促進に向けたソフト事業の検討を行い、宗谷港輸出促進計画の策定を進め、事業化に向けた要望活動を行っていきます。
 中央地区については、新庁舎を核とした「都市軸」の形成に向け、民間企業等の動向も踏まえながら、民間投資の促進につながる施設整備支援の在り方について、国の補助事業の活用も視野に入れて、地域の関係者との協議を重ね、あるべき姿の具体化を図っていきます。
 また、稚内中央商店街振興組合が、空き店舗や補助制度などの発信を通じて、新規創業の促進や人流創出に取り組むなか、本市としても関係団体と連携し、商店街と周辺エリアが一体となった賑わいの創出と、中央地区の魅力向上に向けた取組を後押ししていきます。
 南地区については、昨年に実施したサウンディング型市場調査により把握した民間需要を踏まえ、民間事業者が参入しやすい条件や支援策を検討した上で、旧稚内海員会館敷地の利活用に向けた民間投資の誘導を進めていきたいと考えています。

防災・ライフライン

 近年の激甚化する災害を教訓とし、本年3月に改訂する「稚内市強靱化計画」に基づき、ハード・ソフト両面からの防災対策を強化します。
 被害想定の見直しに合わせた備蓄計画の再構築、防災ハザードマップの更新、そして市民主体の避難計画策定支援を通じ、市全体の防災力を高めていきます。
 上下水道については、萩が丘浄水場や終末処理場の耐震化を継続するとともに、昨年策定した「稚内市上下水道耐震化計画」に基づき、避難所等の重要施設に至る管路の耐震化を計画的に進めます。

基本目標3「地域の資源を活かした魅力ある仕事づくり」

 本市の最大の課題である人手不足を解消し、基幹産業が将来にわたって稼ぎ続けることができる経済環境を構築します。

基幹産業の振興

 水産業については、海水温の上昇など、自然環境の変化により、魚種や漁獲量が変わっている中、沿岸漁業、沖合底引漁業がそれぞれ資源管理しながら、現在生産活動を行っていますが、漁業者が行うホタテの稚貝確保への取組、ウニ・ナマコの育成・放流など、つくり育てる漁業への支援、輸出に係る諸問題や、水産資源に係る関係機関への要望活動を行っていきます。
 また、高齢化等により減少する沿岸漁業の担い手確保・育成に向けた、研修や資格取得にかかる経費の支援も継続していきます。
  酪農については、生産資材価格の高騰や、後継者不足により厳しい経営環境にあります。
 円安を要因とする生産資材価格の高騰については、市単独では解決が困難な課題であり、引き続き、国や北海道に対し、支援を働きかけていく一方、担い手不足への対応として、新規就農者への補助や農業系学校でのPR、実習生の受入れに継続して取り組んでいきます。
 また、預託頭数の拡大を目指し進めてきた大規模草地の整備については、令和8年度から哺育舎などの建設が始まります。
 引き続き、北海道等と連携を図り、草地や営農用水などの基盤整備を推進し、将来にわたり安定した酪農経営の確立を後押しします。
 林業については、森林環境譲与税を活用し、所有者が行う下刈、木材運搬に対する助成や、植林への支援などを継続し、積極的な施業を促進します。
 観光分野については、観光事業者のみならず様々な事業者が一丸となって「稼ぐ」観光地づくりを確立するため、きた・北海道DMOを核とし、通年での観光振興を意識した国内外からの観光客誘致のほか、受入環境の整備に努めます。
 宗谷岬は、全国的にも高い集客力を持つ特別な地であり、その魅力をさらに高めるため、市街地からの距離や、運営の持続性といった課題を踏まえつつ、事業者などとの意見交換を重ね、取組を進めていきます。
 また、副港市場の「石蔵」については、近年のインバウンドの増加や、通年観光の確立という観点から、天候に左右されない室内体験型拠点としての活用を視野に入れ、利活用方針を策定していきます。
 本市が導入する「宿泊税」については、来年3月からの円滑な徴収に向け、準備を進めていきます。

新たな産業

 本市の特性である「風」を活かした再生可能エネルギーは、冷涼な気候をはじめ、広大な土地や自然災害リスクの低さなどの優位性が評価され、これまでの発電・送電インフラの整備を経て、いよいよデータセンターの拠点形成へと発展します。
 ユーラスエナジーホールディングス、豊田通商、NTTドコモビジネスとの連携により、新たに整備されるデータセンターに、再生可能エネルギーからの電力を直接供給する、国内初の取組が展開されます。
 遅延を極限まで抑えた次世代の通信基盤「IOWN(アイオン)」の導入は、これまでデータセンター誘致にとって課題であった、データ遅延という本市の地理的ハンディを解消します。
 これを好機と捉え、本市においては、新たなGX産業を集積させ、地元の雇用創出につながるよう、企業立地の受け皿となる環境整備に向けた取組を進め、関連企業の誘致を推進します。

人材確保と省力化

 市内企業が直面する深刻な人手不足に対応するため、令和7年度に創設した、奨学金返還支援や転入就職者助成等について、関係団体と連携を図りながら、市内企業への周知を徹底し、活用につなげることで、企業の採用活動を後押ししていきます。
 同時に、人手に頼るだけではなく、AIやロボティクス、IoT等の先端技術の導入を促進し、本市の助成制度のみならず、国や北海道の補助制度の活用を支援するなど、業務効率化と労働生産性の向上を推進し、人口減少下でも持続可能な地域経済の基盤の確立に努めていきます。

基本目標4「互いに支え、いきいきと生活できる暮らしづくり」

 多様な主体が連携し、誰もが役割を持って安全・安心に暮らせるよう、市民が主体的に助け合う仕組みを構築し、共に支え合う社会を実現します。

地域医療

 市立病院を取り巻く経営環境は、医師・看護師等の確保に伴う人件費の増加や物価高騰に加え、患者数の減少による収益の伸び悩みにより、極めて深刻な状況にあることから、外部の専門的知見を活用し、病床機能転換等による人員配置の最適化や診療収入の適正化など、抜本的な経営改善に取り組んでいきます。
  これにより、市民の命を守る高度急性期はもちろん、急性期から回復期、在宅に至るまで、切れ目のない医療の安定供給を目指します。
 併せて、看護師確保に重要な役割を担う、稚内高等学校衛生看護科の存続と入学生確保に向けた支援を検討し、将来にわたる医療環境を維持していきます。

地域共生社会

 地域共生社会を実現するには、行政から手を差し伸べる福祉から、市民自らが共に助け合う「共生社会」へと転換していくことが重要です。
 令和8年度は、新たな活動を推進する町内会をモデル地区に選定し、まずは地域自らの発案による地域食堂や防災学習、助け合いマップの作成などの取組を、関係団体と連携して進めていきます。

 鳥獣被害防止

 市内全域において、エゾシカをはじめとした鳥獣の出没が相次いでいるほか、市街地周辺では、ヒグマが目撃されていることから、農業被害対策や市民の安全確保が喫緊の課題となっています。
 令和8年度は、ドローン等ICTを活用した鳥獣の生息調査や、捕獲従事者の射撃技能向上に係る支援等を継続することで、効果的な鳥獣の捕獲に取り組みます。
 また、ヒグマ対策については、人とヒグマとの軋轢の低減を図ることを目的とした、ゾーニング管理に取り組むとともに、市街地への出没に備えた体制強化のため、関係機関と連携した訓練を実施し、市民の安全を確保します。
 トドやアザラシについては、漁網の破損をはじめ、多くの漁業被害を及ぼしていることから、漁業者を中心に行っている追い払いや捕獲に対する支援を継続するとともに、国や北海道、水産試験場などの研究機関と連携し、被害の実態把握に努めながら、引き続き対策を検討していきます。

交通安全・防犯・犯罪被害者支援

 交通安全については、本年4月から自転車の信号無視や、「ながらスマホ」等の危険行為に対し、反則金を科す「青切符制度」が導入されます。
 努力義務であるヘルメット着用と併せ周知するとともに、稚内警察署等と連携した啓発を強化し、悲惨な事故の未然防止と安全確保に努めます。
 防犯についても、引き続き、警察署や関係団体と連携し、啓発活動や青色(あおいろ)防犯パトロールの取組を実施するとともに、令和8年度からは、犯罪被害者等に対し、見舞金の支給や各種制度への円滑な誘導を図るなど、不慮の事態に直面した市民に寄り添う支援を実施していきます。

消防・救急

 消防救急体制については、消防事務組合を通じ消防団等と連携した予防啓発を継続するほか、指導救命士の養成や広域合同訓練により隊員の災害対応力を高めていきます。

ゼロカーボンと環境

 ゼロカーボンシティの実現を市民生活の場から着実に進めることを目的とした「省エネ製品買替促進補助制度」については、令和8年度を最終年度として、引き続き省エネ製品への買い替えを促進するとともに、小中学校や稚内港などのLED化を計画的に進めるほか、「稚内市環境基本計画」の改定に着手し、次代への指針を確立していきます。
 循環型社会の実現に向けては、本市のごみ排出量は減少傾向にあるものの、分別の徹底による最終処分量のさらなる削減が喫緊の課題となっています。
 現在の一般廃棄物最終処分場の埋立容量を拡大し、延命化を図るとともに、新たな「一般廃棄物処理基本計画」に基づき、市民や事業者との協働による生ごみ・資源物の適正排出を重点的に推進していきます。
また、次期最終処分場の整備に向け、地質調査や生活環境影響調査なども進めていきます。
 産業廃棄物処理については、事業者に対し、現在の適正な処理ルートや、利用可能な処分先などについて周知徹底を図るなど、現状を踏まえた対応を検討していきます。

DXの推進

 自治体DXについては、複数の手続きが一つの窓口で完結するワンストップ化に向けた取組や、生成AI等のデジタルツールの積極的な活用を進め、市民の利便性向上と業務効率化を目指します。

地域公共交通の変革

 持続可能な地域公共交通の構築に向け、国の交付金を活用し、「自動運転の社会実装」という新たな挑戦を開始したいと考えています。
 深刻な運転手不足への対応とともに、地域公共交通の結節点であるキタカラを中心とした中心市街地の活性化や、利尻礼文フェリーターミナルへの利便性を高め、市民と観光客の満足度向上を図るため、電動バスによる自動運転実証運行を実施します。 
 これは最新技術を駆使したDXの象徴であると同時に、ゼロカーボンシティの実現にも大きく寄与するものであり、この未来への先行投資を通じて、次世代型交通ネットワークの確立につなげていきます。

基本目標5「まちを愛し、世界に誇れるふるさとづくり」

 稚内の知名度と地域資源を最大限に活かし、国内外から多くの人々に愛され、応援していただけるまちを創ります。

周年事業

 先に触れましたが、令和8年度は、宗谷本線が今の姿になってから100周年、また旧樺太航路のシンボルでもある「稚内港北防波堤ドーム」が竣工して90周年、さらには、稚内公園で訓練を受けた南極樺太犬が今でも語り継がれる南極観測開始から70周年の年となります。
 本市にとっては、我が国の戦前戦後の様々な象徴的な出来事があってから、それぞれの周年を迎える年であり、これらの歴史の足跡を市民の皆さんと共に見つめ直し、ふるさと稚内への誇りと愛着を再認識する貴重な機会とすることで、次なる飛躍への確かな活力へとつなげていきます。

交流と関係人口の創出

 国内外の友好都市などとの交流は、互いの特色を尊重し刺激し合うことで、双方の発展に寄与する重要な取組であると考えています。
 特に、地理的特性から本市の重要な取組の一つでもある、サハリンとの交流については、国際情勢により休止を余儀なくされており、引き続き、国や北海道と連携して情報収集に努めながら、状況を見極めていきたいと考えています。
 また、友好都市である石垣市や枕崎市、間宮林蔵に関する縁で結ばれたつくばみらい市とは、民間団体等による物産販売や、様々な分野での交流を通じて、関係を深めていきます。
 さらに、研修や就労のために訪れている外国人が、私たちのまちで安心して共に暮らせるよう、国際交流員(CIR)を2人体制に強化し、生活相談などきめ細やかなサポートを行い、多様な人材の定住促進につなげていきます。
 次に「関係人口の拡大」についてですが、
ふるさと納税を巡る環境が、返礼品だけではなく自治体そのものの魅力競争という本来の姿に戻りつつあります。
 令和8年度は、地域の魅力に直接関わる、現地体験型の取組を拡充するとともに、首都圏での交流イベントに参加し本市の魅力をPRするなど、本市のまちづくりへの共感に基づく「稚内の応援者」を増やし、将来にわたる強固な関係づくりを推進していきます。
 また、企業版ふるさと納税については、本市の重点施策を積極的にPRし賛同企業を募ることで、地域課題を共に解決するパートナーシップの構築が進むよう、より効果的に活用していきます。
加えて、民間企業や大学との包括連携を進め、特定の分野に留まらない幅広い行政課題の解決を目指します。
 特に、大学との連携では、学生の実習や地域探究活動等への支援を通じ、このまちを単に学びの地とするだけでなく、若者の視点を生かし本市の課題解決に共に取り組む関係性を構築し、具体的な成果を生み出す段階へと取組を深化させていきます。
 日本最北端の平和マラソンをはじめとする各種スポーツ大会や、イベント等を通じた関係人口の創出にも努め、国内外の多くの人々から愛され、応援されるまちづくりを推進していきます。

むすびに

 以上、令和8年度の市政を執行するにあたり、私の考えを申し上げました。
 冒頭でも申し上げましたが、令和8年度は、私が市民の皆さんから託された4期目の任期の最終年であり、掲げてきた「5つのゼロ」と「10の約束」の総仕上げの年です。
 本市の第5次総合計画は、「海と大地と風の恵み人が輝き挑戦し続けるまち」を目指しています。
その総合計画は、今から2年後の令和10年には目標年次を迎え、同時に市制施行80年、また、この地に戸長役場ができた年から150年という大きな歴史の節目がやってきます。
 先人が築き上げた豊かな海と大地の恵みを守り抜くことはもちろん、私たちが磨き上げてきた「風」の恵みは、再生可能エネルギーの取組から、DX社会の基盤となるデータセンターの拠点形成という、本市の未来を拓く「地域資源」へと大きく変貌しています。
 令和8年度は、人が輝き挑戦し続けるまちとして、「食・観光・ゼロカーボン」の発展を目指す第9次北海道総合開発計画の柱をこの私たちのふるさとで具現化していくことはもとより、自動運転実証など、将来を見据えた変革に向けた挑戦の年と捉えています。
 人口減少という厳しい現実から目を逸らすことなく、デジタルの力を活用した「利便性」と、地域の絆を深める「共生」を両立させ、子どもから高齢者までの全世代が「このまちに住み続けたい」と心から思える持続可能なまちを、私は市民の皆さんと共に、不退転の決意で創り上げていきます。
 令和8年度も、私自身がその先頭に立ち、職員と共に邁進していくことをお約束するとともに、市民の皆さん、そして議員各位の、特段のご支援とご協力を心からお願い申し上げ、令和8年度の市政執行方針といたします。
 


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