「ユジノサハリンスク道北物産展2016」(2016年10月28日~31日)
10月28日(金)から31日(月)の日程で、「ユジノサハリンスク道北物産展2016」を開催しました。
旭川市、稚内市をはじめとする道北9市の取組による本物産展も、今年で4回目となります。
昨年までは、貨客船「アインス宗谷」運航期間中の9月上旬に商品を輸出し、合わせて代表団やスタッフも渡航していましたが、同船舶が昨年限りで運航を終了したことに伴い、今年は、輸送・渡航方法、開催時期ともに、やや模索しながらの事業展開となりました。
貨客船による定期航路が今年は存在しないことから、新千歳空港を利用して渡航することとし、開催の時期についても、農産物の集荷しやすい10月下旬に設定しました。
各市で集荷した商品は約60品目、これらを常温で保存可能なものと日持ちのしない生鮮品に分けて、新たにチャーターした貨物船により、10月中旬と下旬の2回、稚内港から輸出を行いました。
例年と異なる時期の開催、そしてフェリーを利用せず航空便による移動ということで、多少、勝手が違う中で、4回目の物産展は執り行われました。
10月28日(金)午前10時、会場の大型施設「シティーモール」にて、ユジノサハリンスク市のナドサーディン市長、旭川市の表副市長、そして稚内市の青山副市長らが揃う中、物産展初日のオープニングとなりました。
既に今年で4回目という事もあり、特別な催事というよりは、秋の恒例行事としてユジノサハリンスク市民にも浸透しているようで、「北海道のおいしい果物や野菜」をこの時期に手に入れるべく、あらかじめ「お目当ての品」の目途をつけた上で来場している方々が多いように見受けられました。
今回は金曜日から月曜日までの4日間の開催という事で、土日の来場者数をピークとして見込み、商品の在庫数を調整しながらの販売となりました。
過去3回は「各市独立の販売ブース」であったものが、今回は、試みとして「商品の種類に応じた販売ブース」としており、生鮮野菜や果物、飲料、加工品、御菓子類といった商品の種類ごとに、道北6市(旭川市、稚内市、士別市、芦別市、深川市、富良野市)の商品を混在させて販売する方法を取りました。
今回は、旭川市の友好都市である南さつま市、そして稚内市の友好都市である枕崎市からも出展したため、北海道のみならず鹿児島の物産も販売ブースに並ぶ事となり、「日本の南北地域のつながり」をサハリンでPRする機会ともなりました。
先程も述べたとおり、既に4回目の開催という事で、初年度にあったような「身動きが取れないほどの混雑」というような状況は、今回の4日間では見られませんでした。
しかし、より日常に根付いた催事として、店内の他の場所や他店で販売されている商品と比較の上、冷静な購買行動をとるロシア人の方が多かった印象が強く、トータルの来場者数では、昨年を上回ることとなりました。
これはある意味、お互いにとって、より現実的なレベルでの商取引が進行しつつある事の証左でないかと思います。
道北地域とサハリンとの人・物の交流拡大、地域間交流の推進、道北地域の物産の海外への販路拡大という事業目的のもと、道北地域が一丸となって取り組んできた本物産展。今年の取組は、「一時的な催事」としての段階から、「ロシア人が本当に好む商品を適時に適量」という流れへ、徐々にですが移行し、北海道とサハリンの間で、今後、本当に相互的な取引が行われていくための契機の一つとなるのかもしれません。
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