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稚内国際文化交流協議会では、日程の一部にホームステイを採り入れながら、市内高校生をサハリンの友好都市に派遣し、同時にサハリンの友好都市の生徒達を稚内に迎える友好都市青少年交流事業に取組んでいます。
今年は7月末から8月半ばにネベリスク市の生徒達との交流を実施したところですが、稚内側参加高校生による報告会を、稚内市立図書館の多目的ホールを会場に催しました。
報告会では「想い出の画」を編集した、交流の様子を紹介する映像―過去の交流に参加した経過の在る、稚内北星学園大学に学ぶ学生が“インターンシップ”で市役所に来た際に編集した「卒業生から現役への贈り物」とでも呼ぶべきものです。―を観た後に、各々が発表を行いました。
それぞれが想い出の写真や、伝えたいキーワードをスライドで映写しながらの発表でした。
食卓の調味料や、利用した宿泊施設の御手洗の造作が見慣れたものと違うというような「手近な気付いたこと」から、見学した施設の内容やデザインを好いと思ったというような話題、更に交流事業へ参加する前と後の気持ちの変化というようなことについて、4人の皆さんは各々が「自身の言葉」で確り伝えてくれました。
「初めての外国!」と張り切ってサハリンへ向かい、ネベリスクに着いて各々のホームステイ先に向かう段では、「何をどうしたら善いものなのか?」という不安が込み上げ、「言葉が通じるでもないステイ先の皆さんとどうやって過ごすのか?」と心細い気持ちが先に立っていたようです。しかし「自分の家の様に」―実はこれは、ロシアでは来客を自宅に迎える場合の決まり文句の一つでもあります。―と、初対面でも気さくに握手やハグのようなスキンシップも交えて迎えてくれて、直ぐに不安は消えたようです。そして持参した土産や共通の興味を通じて、互いに判り合えたと感じたようです。
ネベリスク側の皆さんを稚内に迎える段になってみると、実は物凄くゲームが得意であったり、自宅に参加しているスポーツチームでの活躍を伺わせるメダル等が沢山飾ってある他方で日本のアニメや漫画の大ファンであり、関係の本やグッズを稚内で見掛けて「凄いぞ!」と大喜びしているというような「一寸意外な一面」にまで触れ、益々互いを理解出来たと感じたようです。そして、市内見学や「浴衣を着て北門神社を訪ねてみる」というような文化プログラムについては、ネベリスク側の皆さんも稚内側の皆さんも思い出深いものとなっていたようでした。
結局、「言葉が通じない」という状況でも意思疎通を試みる術は全く無い訳でもなく、互いを判り合えるということが、双方の参加生徒に通じる経験となっていたようです。他方、「ドーブラエ・ウートラ!」(おはよう!)とか「スパシーバ!」(ありがとう!)という、一寸覚えてみたロシア語を、躊躇なく使ってみることも出来るようになって、少し嬉しかったという話題も在りました。
ネベリスク側の皆さんは、稚内の同世代の生徒達との交流が素晴らしい経験であったということに加えて、稚内訪問時に「市内高校を見学したこと」が非常に興味深かったようです。稚内の生徒達も英語を学んでいることから「自身の言葉を“生”で伝えたい」という意図か、英語でコメントを寄せてくれた生徒や、多数の写真を見せるようにプレゼンテーションを纏めた生徒、稚内で訪ねた場所を一つ一つ挙げて丁寧に沢山綴ってくれた生徒、「知らない言葉を話す外国人との交流は難しいかもしれないが、だからと言って、それが互いに仲良くなることの妨げにはならない」として稚内の友人達を懐かしんでいる旨を綴ってくれた生徒と、各々に心揺さぶるメッセージを寄せてくれました。
この発表会には生徒の御家族の皆さんや、稚内とサハリンとの交流に関心を寄せている地域の皆さんが集まって下さいましたが、今回は「過去の<サハリン友好都市青少年交流事業>に参加した経過の在る皆さん」が何人か集まって下さいました。
質疑・意見交換ということで、過去の交流に参加した皆さんに御話しも伺いました。「大変楽しそうにやっているお話しを、愉しく聞いた」としながら、自身が好い経験をした交流が継続していることを一様に喜び、「是非、長く後輩達に受け継がれて欲しい」とエールを贈ってくれた方も在りました。
この<サハリン友好都市青少年交流事業>は、報告会の会場に御運び頂いた皆さん、または御都合で来られなかった皆さんも含めて、地域の多くの方達の御理解と御協力の下に継続しているものです。今後も多くの皆様の御理解と御協力を引続き御願いしながら、可能な範囲で継続したいものです。
双方の生徒達の経験は「言葉は通じ合えなくても笑い合える」というものであったようです。隣国、隣人であるサハリンの人達と笑顔で向き合える関係を深めて行くことが、交流に参加した生徒達のような若い世代が担って行く未来には、より一層必要なのかもしれません。
企画総務部交流推進課
稚内市中央3丁目13番15号
交流推進グループ 0162-23-6486(直通)
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