サハリン課で実施された「稚内北星学園大学インターンシップ」(2016年8月22~26日)
稚内北星学園大学では、学生の参加する「インターンシップ」を実施しています。
「インターンシップ」とは、「企業実習」「就業体験」とも呼ばれるもので、文部科学省は1997年の「教育改革プログラム」の中で、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と定義しています。
今回は、高校在学中に<サハリン友好都市青少年交流事業>に参加し、稚内北星学園大学へ進んだという学生を迎えました。大学ではサハリンへの短期留学にも参加したということで、「サハリンとの交流に関すること」に強い関心を抱いてサハリン課にやって来ました。
迎えた側としては、何やら色々とやっていて、「余りお構いも出来ずに」というような感もしていたのですが、御本人は意欲的に活動をしてくれたようです。
↓今回の体験を本人に綴っていただきましたので、紹介します。
今回のインターンシップで、稚内市役所のサハリン課の皆様には大変お世話になった。その中で学びや成長がたくさんあったと私は感じている。
まず、働くことの大変さだ。私は今大学2年生で、周りの友人はみんな働き始めている。話を聞くと、やはり全員辛い経験や日々の疲労、愚痴などがこぼれる。それを聞いた私はほんとうにそうなのか、実は慣れてくると楽しいものなのではないのだろうか、と疑問を抱いていた。バイトとは違うよと毎回言われるが、働くという点で違いが見つからなかったのだ。だが、実際に市役所でインターンシップを行い仕事というものをしてみると、バイトや私が考えていたものとは世界が違うことがわかった。まず職場の空気が違う。市役所の従業員はそれぞれの仕事に誇りを持ち、きっちり仕事をこなしている。たかだか5日間でとても疲労を感じた。これを何年も続けている友人や、何十年も続けている親を心から尊敬した。
次に、サハリン課というものについてだ。私がインターンシップ中に付き添いをしてくれていた中川さんと三谷さんに、初日のオリエンテーションで市役所について、サハリン課について説明をしていただいた。それまで私は、ロシアに関する仕事をしている、サハリンと稚内を結んでいる課という漠然としたイメージしか持っていなかった。だが、サハリン課は人材育成を行っており、また「まちづくり」を目的としているという話や、輸出や輸入に関することを行っているという話を聞いて色々な仕事をしてすごい課だと実感した。
その中で今回私がさせていただいた仕事が、貨物船の見学や、ペンギン33というサハリンと稚内を結ぶ船の見送り、出迎え、サハリンのテレビ局の視察の手伝いといったものだ。そして光栄なことに、毎年行っているサハリンとの友好都市青少年交流事業のまとめの動画作成を任された。市役所は個人情報が多く一般的には雑務しかやらせてもらえないという話を聞いていたが、実際に説明会や報告会で使用する動画を任されたというのはとても嬉しい。自分の仕事に誇りを持つことができた。
最後になってしまったが、私が何故市役所のサハリン課を選んだのかというと、理由は2つある。
1つ目が、今回動画編集を任された友好都市青少年交流事業に、私も高校生の時に参加しているからだ。中川さんと三谷さん、また同じくサハリン課の岩本さんにはこの時初めて会い、お世話になった。通訳やスケジュールの管理、現地で働いている姿を見て自分もこういう風に働きたいと思っていた。そしてホームステイや稚内への受け入れを通じて、サハリンを好きになっている自分がはっきりわかった。
2つ目が、上記でも説明したように私は今大学2年生なのだが、1年の後期で1ケ月半の間サハリン国立大学に留学している。留学したきっかけは、4年間誰も行っておらず今回で打ち切られるという話を聞いて、これは行くチャンスだと思った事、自分は言葉も文化も違う異国の地でどれだけ一人で生活しているかというのも気になったのだが、やはり友好都市青少年交流事業の時の経験が大きい。あの時サハリンに行っていなかったら留学しようとは思っていなかっただろう。こういったサハリンとの関わりがあって、稚内の市役所でサハリンに関わっているサハリン課に興味を持ち、志望した。
私が高校生の時に感じていたことは今も変わらない。もし公務員模試に受かり市役所に入庁することができたら、一度はサハリン課に配属されたい。
(稚内北星学園大学2年 中島拓人)
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