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友好都市職員研修受入(2013年7月17日~22日)

会議室で概要説明稚内市では、サハリンの3つの友好都市(ネベリスク市、コルサコフ市、ユジノサハリンスク市)から職員を迎え入れ、担当分野の業務の様子に関して話し合ったり、様々な現場視察を行う「友好都市職員研修受入」を行っています。

近年は「○○分野は如何でしょうか?」と各市の皆さんと協議を行い、各分野の担当職員を稚内に迎えています。稚内でも、それぞれの分野の担当職員が御案内をします。今年は水道・下水道がテーマとなり、サハリンの各市で関係分野を担当している方達(各市1名で計3名)が稚内にやって来ました。

稚内市も含め、日本での水道や下水道は、各自治体の関係部署が専らその分野の業務を行う体制となっています。サハリンも含めたロシアでは、地域毎に色々な状況が在るようですが、こうした分野は「公共サービス部門」と呼び習わされていて、水道や下水道の他、集合住宅への暖房用温水供給や電気・ガス、場合によっては公営交通関係のことまで含めて対応するようです。今回やって来た3人は、各市の「公共サービス部門」に勤務しており、水道や下水道に関する業務に携わっています。3人とも、日本の自治体流で言えば“技師職”に相当し、建設関連の学位を有しています。

稚内へやって来た3人は、各々に自身の分野で経験を重ねていますが、決して日本語に明るい訳ではありません。にも拘らず、日本語で記載されている水道事業を紹介するパンフレットに在る「水の供給」や「汚水の浄化」という仕事を示す図を視て、「こういうのは同じだ」と殆ど即座に言っていました。水源から取り込んだ水を浄化して水道に供給する仕組みや、集められた汚水を浄化する下水道の仕組みに関しては、稚内もサハリンも共通する原則で作業が行われているようです。

浄水場の視察概要説明の他、様々な現場へ足を運んで視察を行いましたが、彼らにとってはそれぞれの場所が興味深かったようです。

稚内市で利用される水の殆ど全てを賄う水源である“北辰ダム”について、彼らはその大きさに驚いていました。サハリン各市では、もっと小さな規模の貯水池や地下水が水源として利用されているそうです。

稚内市では、水源の“北辰ダム”よりも高い位置に浄水場が在ることから、長い導水管の途中にポンプ場を設けて水を送っています。このポンプを稼働させるために大きな電力消費が在るのですが、それに充てるために風力発電を行っています。

サハリンでは、水源と浄水場の間で、大規模なポンプを使用しなければならない条件の場所は少ないようですが、それでも技術系の素養を持つ皆さんは興味深げにポンプ場を見学していました。ポンプ以上に彼らが関心を示したのは、サハリンでは未だ例が殆ど無い風力発電でした。大きな風車の下に行くと、巨大な羽が轟音を立てながら回転していて、「一寸怖い感じも…」と一様に驚いていました。そして、遠くに風車が見える辺りでは、愉しそうに記念撮影をしていました。

稚内市では、水源と浄水場とを結ぶ導水管の更新に着手しています。更新する導水管には、耐震性に優れた新方式の管を使用します。サハリン各市の皆さんにもその新方式の管を模型で御紹介し、現場に搬入されたばかりの新しい管を実際に視てみました。サハリンの各市でも、目下、老朽化した導水管―時々、400㎜径の旧い管の中に「樺太時代の物?!」という物まで混ざっていることが在るとのことです。―の更新が課題となっていることや、サハリンも規模が大きな地震が時々発生する地域であることから、「耐震性に優れた新しい管」は大変に興味深い物であったようです。

現場視察の中や懇親の場などでも、水道を巡る色々な話題をサハリン各市の皆さんと稚内市の担当者との間で話し合いました。稚内は、やや距離が在る場所に大きな水源を建設し、長大な導水管や大きなポンプを利用していることから水供給のコストがやや高いと言われていることや、北海道内で過去に発生したことのある問題などが話題になりましたが、サハリンでも似たような事例が幾分見受けられるとのことでした。

新しい導水管を視る全般を通じて、「新しい技術である風力発電の活用が興味深かった」、「耐震性に優れた施設への改善を目指すなど、より安全性が高い水供給に配意していることが興味深かった」、「水道事業者側の負担が在るものに関して、安易に水道料金に転嫁するのではなく、色々な努力をしている様子が非常に興味深かった」、「稚内での見聞は、サハリンで戻った翌日から参考に出来そうだ」という感想を伺いました。

稚内であれサハリン各市であれ、水道や下水道は住民の暮らしを支え、訪れる人達が安心して立ち寄ることが叶うように地域を護る、大変に重要な存在であることに変わりはありません。そして、それらに関する仕事に傾けられる関係者の情熱にも、地域差など在りません。

サハリンからやって来た3人の職員は、精力的に研修を行った他方、滞在期間中は大変に天候にも恵まれたことから、市内の様子を色々と見聞したようです。3人の中、2人は日本旅行を経験していて、1人は初来日ということでしたが、3人とも“稚内滞在”は初めてだったということでした。研修成果に加え、愉しい思い出を胸に帰国されたことでしょう。

この「友好都市職員研修受入」は、平成5(1993)年の「職員相互派遣」以来の伝統を受け継ぐ取組みですが、今後も可能な範囲で継続したいものです。

お問い合わせ先

企画総務部交流推進課
稚内市中央3丁目13番15号
交流推進グループ 0162-23-6486(直通)

メールでのお問い合わせはこちら

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