○稚内市小型風力発電設備等の設置及び運用の基準に関する条例
平成29年12月13日条例第31号
稚内市小型風力発電設備等の設置及び運用の基準に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、稚内市における小型風力発電設備等の設置及び運用に関し必要な基準を定めることにより、事故等の発生を防止し、もって再生可能エネルギーの導入拡大を図るとともに、市民の安全と安心及び地域の安全の確保並びに生活環境の保全を行うことを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 風力発電設備 風力を電気に変換する設備及びその附属設備をいう。
(2) ロータ 風力発電設備の風車において、風力を主軸の動力に変換する部分をいう。
(3) 小型風力発電設備 風力発電設備であって、そのロータの受風面積が25平方メートル以上で、かつ、その出力が5キロワット以上50キロワット未満のものをいう。
(4) マイクロ風力発電設備 風力発電設備であって、そのロータの受風面積が25平方メートル未満で、かつ、その出力が5キロワット以下のものをいう。ただし、その構造が自立しておらず、建築物、構造物その他の設備等と一体となっており、かつ、発電により得られた電力を自ら消費することのみを目的としたものを除く。
(5) 小型風力発電設備等 小型風力発電設備及びマイクロ風力発電設備をいう。
(6) 発電事業 小型風力発電設備等を設置し、又は運用し、得られた電力を供給し、又は自ら消費する事業をいう。
(7) 事業者等 発電事業を行う者(小型風力発電設備等の設置又は維持のみを行う者を含む。)及び発電事業を行おうとする者をいう。
(8) 土地所有者等 発電事業が行われ、又は行われようとする土地を所有し、又は管理する者(事業者等を除く。)をいう。
(9) 事業区域 発電事業が行われ、又は行われようとする区域をいう。
(10) 住宅等 住宅及び事業所(事業者等が自ら所有するこれらのものを除く。)並びに学校、幼稚園、保育所、病院、社会福祉施設その他規則で定める施設(次号及び第3条第1項において「学校等」という。)をいう。
(11) 道路 次に掲げるものをいう。
ア 道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路
イ 港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第5項第4号に規定する道路(同条第6項の規定により同号に規定する道路とみなされたものを含む。)
ウ 漁港漁場整備法(昭和25年法律第137号)第3条第2号イに規定する道路(同法第40条第1項又は第2項の規定により同号イに規定する道路とみなされたものを含む。)
エ 農業用道路
オ 林道
(12) 近隣住民等 小型風力発電設備にあっては当該小型風力発電設備の風車を支持する工作物の中心から200メートル、マイクロ風力発電設備にあっては当該マイクロ風力発電設備の風車を支持する工作物の中心から100メートル以内の区域に居住する者並びに事業所及び学校等を利用する者をいう。
(設置場所)
第3条 事業者等は、小型風力発電設備等を設置するときは100メートル(当該小型風力発電設備等がマイクロ風力発電設備である場合にあっては、50メートル)又は当該小型風力発電設備等の最大の高さの3倍に相当する距離のうちいずれか長い距離以上住宅等から離れた場所に設置しなければならない。ただし、マイクロ風力発電設備については、規則の定めるところにより、当該マイクロ風力発電設備の風車を支持する工作物の中心から100メートル以内の区域に居住する者並びに事業所及び学校等の管理者の同意が得られたときは、この限りでない。
2 事業者等は、小型風力発電設備等を設置する場合は、道路から当該小型風力発電設備等の最大の高さに相当する距離以上離れた場所に設置しなければならない。
3 市長は、小型風力発電設備等の設置が安全の確保及び環境の保全の観点において市民生活に重大な影響を及ぼすおそれその他の公共の利益を著しく阻害するおそれがあると認める場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ、区域を指定して小型風力発電設備等の設置を制限することができる。
4 市長は、前項の規定により区域を指定して小型風力発電設備等の設置の制限を行う場合は、あらかじめ、その区域並びにその制限の理由及び内容を告示しなければならない。
(騒音)
第4条 小型風力発電設備等によって発生する騒音の基準は、当該小型風力発電設備等から最も近い住宅等において以下のとおりとする。

基準値

昼間

夜間

55デシベル以下

45デシベル以下

2 前項の規定にかかわらず、一過性の特定できる騒音を除いた騒音が30デシベルを下回る区域における騒音の基準は、小型風力発電設備等から最も近い住宅等において35デシベル以下とする。
3 事業者等は、前2項の基準を遵守するよう配慮し、必要な措置を講じなければならない。
4 第1項及び第2項の基準の基準値の測定の方法その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、規則で定める。
(低周波音)
第5条 小型風力発電設備等によって発生する低周波音の基準は、当該小型風力発電設備等から最も近い住宅等において以下に示す値以下とする。
(1) 物的影響に係る基準

1/3オクターブバンド中心周波数(Hz)

6.3

10

12.5

16

20

25

31.5

40

50

1/3オクターブバンド音圧レベル(dB)

70

71

72

73

75

77

80

83

87

93

99

(2) 心身に与える影響に係る基準

1/3オクターブバンド中心周波数(Hz)

10

12.5

16

20

25

31.5

40

50

63

80

1/3オクターブバンド音圧レベル(dB)

92

88

83

76

70

64

57

52

47

41

2 事業者等は、前項の基準を遵守するよう配慮し、必要な措置を講じなければならない。
3 第1項の基準の基準値の測定の方法その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、規則で定める。
(日影)
第6条 事業者等は、小型風力発電設備等の設置を行うときは、風車の羽根の回転に伴って地上に明暗が生じる現象への対策を含めた日影対策に配慮しなければならない。
2 事業者等は、小型風力発電設備等の運用開始後において近隣住民等にその日影による障害が生じたときは、当該障害を除去するために適切な措置を講じなければならない。
(電波障害)
第7条 事業者等は、小型風力発電設備等の設置及び運用(以下「設置等」という。)によって、テレビジョン放送の電波その他の電波に障害が発生しないように配慮し、必要な措置を講じなければならない。
(動植物に与える影響)
第8条 事業者等は、小型風力発電設備等の設置等によって動植物に与える影響を可能な限り回避するよう努めなければならない。
(景観)
第9条 事業者等は、小型風力発電設備等の設置に当たっては、地域の自然的及び歴史的環境と著しく不調和とならないよう計画しなければならない。
2 事業者等は、小型風力発電設備等の配置、デザイン及び色彩に関して、周囲の景観と調和が図られるよう配慮しなければならない。
3 事業者等は、小型風力発電設備等により景観に与える影響が甚大なことにより良好な景観又は風致を著しく阻害することのないように配慮し、必要な措置を講じなければならない。
4 事業者等は、小型風力発電設備等及びその周辺に広告物を表示する場合は、良好な景観若しくは風致を害し、又は公衆に対する危害を及ぼさない広告物で、管理上必要とされる最小限のもののみを表示するものとする。
(光害)
第10条 事業者等は、小型風力発電設備等及びその周辺に照明器具等を設置するときは、近隣住民等の障害又は生態系への重大な影響を生じさせないよう配慮しなければならない。
(文化財)
第11条 事業者等は、小型風力発電設備等の設置に当たっては、設置の影響から文化財を保護するよう努めるものとする。
(事業の説明)
第12条 事業者等は、小型風力発電設備等の設置区域及び規模の概要を計画した段階で、稚内市長、近隣住民等、土地所有者等、関係公的機関、関係団体等に対する事業の説明を行わなければならない。
2 事業者等は、前項の規定による近隣住民等に対する説明に当たっては、発電事業に対する不安及び疑問を可能な限り解消するように努めなければならない。
(事業の運用)
第13条 事業者等は、小型風力発電設備等の運用に当たっては、この条例で定める基準及び関係法令等を遵守し、安全性の確保を十分に図るとともに、適切な情報提供に努めなければならない。
(標識及び柵等の設置)
第14条 事業者等は、発電事業の実施に当たっては、発電事業に関係ない者が小型風力発電設備等に近付くことによる感電事故等を防止するため、事業区域とそれ以外の区域との境界に柵、塀等を設けなければならない。
2 前項の柵、塀等は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 外部から小型風力発電設備等へ容易に立ち入ることができないような高さであること。
(2) 外部から小型風力発電設備等に触れることができない距離に設けること。
(3) 容易に移転し、又は除却することができない堅固な構造とすること。
(4) 出入口は、施錠ができるものであること。
(5) 外部から見やすい箇所に看板を設置すること等により、小型風力発電設備等へ立ち入ることを禁止する旨を表示すること。
3 事業者等は、小型風力発電設備等が事故等の危険な状態が発生したときに速やかな対応を図ることができるよう、必要な情報を記載した標識を設置しなければならない。
4 前項の規定により設置する標識には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 設備の区分
(2) 設備所在地
(3) 発電出力
(4) 事業者等名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)並びに連絡先
(5) 保守点検責任者名(法人にあっては、その名称)及び連絡先
(6) 運転開始年月日
5 事業者等は、第3項の規定により標識を設置するときは、外部から見えやすい場所に設置するとともに、風雨による劣化及び破損並びに風化により文字が見えなくなること等がないよう、適切に管理しなければならない。
(保守点検等の実施)
第15条 事業者等は、小型風力発電設備等の安全な運用を確保するために必要な保守点検を実施しなければならない。
2 前項の保守点検は、日常点検及び定期点検とし、日常点検は主として目視による概観の異常の有無、異常音の確認等を行うものとし、定期点検は3年以内ごとに小型風力発電設備等の製造業者又は設置業者による総合的な内容のものを行うものとする。
3 事業者等は、小型風力発電設備等の安全な運用を確保するために必要と認められるときは、前項の日常点検及び定期点検のほかに、必要な点検を実施するものとする。
4 事業者等は、事故等の防止の観点から、事業区域内の草刈りを行う等、衛生的環境の保持に努めるものとする。
(事業の終了)
第16条 事業者等は、小型風力発電設備等での発電事業が終了したときは、自らの責任において設備の撤去等を行わなければならない。この場合において、発電事業の終了から撤去等までの期間においては、小型風力発電設備等の倒壊等により周辺に危険等が及ぶことがないよう適切な措置を行わなければならない。
2 事業者等は、設備の撤去等に当たっては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)その他関係法令を遵守し、適切に行わなければならない。
(情報提供)
第17条 市民は、小型風力発電設備等の設置等に関しこの条例に定める基準及び関係法令等に違反している状態又は小型風力発電設備等が安全かつ適切な運用若しくは管理がされていない状態(以下「不適切な状態」という。)にあると認めるときは、市長にその情報を速やかに提供するものとする。
(実態調査)
第18条 市長は、前条の規定による情報提供があったとき、又は小型風力発電設備等が不適切な状態になるおそれがあると認めるときは、当該小型風力発電設備等の実態調査を行うことができる。
(助言又は指導)
第19条 市長は、前条の規定による実態調査により小型風力発電設備等が不適切な状態にあると認めるときは、当該小型風力発電設備等の事業者等及び土地所有者等に対し、必要な措置について助言又は指導を行うことができる。
(勧告)
第20条 市長は、前条の規定による助言又は指導を行った場合において、なお当該小型風力発電設備等が不適切な状態にあると認めるときは、当該小型風力発電設備等の事業者等に対し、不適切な状態を是正するために必要な措置をとることを勧告することができる。
2 市長は、前項の規定による勧告を行った場合において、必要な改善が行われたと認めるときは、その旨を当該勧告を受けた者に通知するものとする。
(命令)
第21条 市長は、前条第1項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なくその勧告に係る措置をとらなかったときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
2 市長は、前項の規定にかかわらず、小型風力発電設備等の不適切な状態が、近隣住民等の安全の確保上、緊急に是正することが必要であると認めるときは、当該小型風力発電設備等の事業者等に対し、期限を定めて、不適切な状態を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
3 前条第2項の規定は、前2項の規定による命令について準用する。
(公表)
第22条 市長は、前条第1項又は第2項の規定による命令を行った場合において、その命令を受けた者が、正当な理由なくこれに従わないときは、次に掲げる事項を公表することができる。
(1) 命令に従わない者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 命令に係る小型風力発電設備等の所在地
(3) 命令の内容
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
2 市長は、前項の規定により公表するときは、当該命令に従わない者に、事前に意見を述べる機会を与えなければならない。
(文書閲覧又は資料提供の求め)
第23条 市長は、小型風力発電設備等の事業者等を特定するために必要があると認めるときは、当該事業者等の氏名、住所その他の事項につき、官公署に対し必要な文書の閲覧又は資料の提供を求めることができる。
(関係機関との連携)
第24条 市長は、小型風力発電設備等に関し、事業者等を安全かつ適切な運用又は管理に導くために必要があると認めるときは、市の区域を管轄する警察その他の関係機関等に必要な措置を講ずることを要請することができる。
2 市長は、この条例の施行に関し必要と認めるときは、この条例の規定により取得した情報及びこの条例の規定による措置に関する情報を前項に規定する関係機関等に提供することができる。
(報告及び検査)
第25条 市長は、この条例を施行するために必要な限度において、事業者等に対し、小型風力発電設備等の設置、管理及び運用に関し必要な報告を求め、又は当該職員に小型風力発電設備等の敷地に立ち入り、これを検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(規則への委任)
第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日前に設置され、又は同日前に受けた電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第9条第3項の認定に係る再生可能エネルギー発電設備である小型風力発電設備等については、第3条、第9条第1項、第11条及び第12条の規定は、適用しない。
附 則(平成30年12月13日条例第36号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日前に設置され、又は同日前に受けた電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第9条第3項の認定に係る再生可能エネルギー発電設備である小型風力発電設備等(稚内市小型風力発電設備等の設置及び運用の基準に関する条例附則第2項の適用を受ける小型風力発電設備等を除く。)についての改正後の第3条の規定の適用については、なお従前の例による。